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2006年・関係団体の行動の基本

国際整合化に向けた化評研の取り組み 

(財)化学物質評価研究機構 理事長 近藤雅臣


 明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 我が国における標準物質の開発と供給は、各産業や技術分野ごとにそれぞれのニーズに応じて個別に発展してきました。当機構におきましても計量行政審議会の答申を受け、1975(昭和50)年2月に標準ガス、87(昭和62)年2月に金属標準液及びpH標準液の検査制度をそれぞれ開始し、計量標準供給の一翼を担うことになりました。その後、93(平成5)年11月に新計量法が施行され、当機構は、標準物質(濃度)に係る指定校正機関として通商産業大臣(現経済産業大臣)から指定を受け、計量法トレーサビリティ制度(JCSS制度)に基づく標準物質の供給を行ってまいりました。

 しかし、近年、JCSS制度が国内法である計量法に基づき運営されているものの、国際的な整合を求められるようになってきました。そこで当機構では、国際的整合性を確保する観点から以下の様々な施策を講じてきました。

 第一に従来、当機構では、特定二次標準物質の濃度値を校正(値付け)するということに基づきISO/IEC17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)で事業を運営しておりましたが、国際的な流れは標準物質の生産者に対してISO/IEC17025に加え、ISO Guide34(標準物質生産者の能力に関する一般要求事項)の認定取得を促すものとなっております。当機構では、特定標準物質を製造(生産)していることを踏まえ、(独)製品評価技術基盤機構(NITE)が運営し、ISO/IEC17025及びISO Guide34に基づき審査を行うASNITE-NMI(国家計量標準研究所認定サブプログラム:Accreditation System of NITE -National Metrology Institute)の認定を標準ガス、標準液の分野で取得いたしました。

 第二には、99年に各国の国家計量標準研究所間で署名(当機構も署名機関のひとつ)された「国家計量標準及び国家計量標準機関の発行する校正証明書の相互承認取り決め」(国際度量衡委員会/相互承認取り決め:CIPM/MRA)において、(独)産業技術総合研究所(計量標準総合センター:NMIJ)は、国家計量標準機関としてNMIJを補完する機関に当機構を指名いたしました。これによって、従来、NMIJと共に参加してきた国際度量衡委員会/物質量諮問委員会(CIPM/CCQM)の基幹比較(Key Comparison)にある範囲(JCSS制度で供給されている標準ガス)の標準物質に関しては当機構が単独で参加する機会が与えられました。これは、JCSS制度で供給されている標準ガスの国際化につながるものと期待するところです。

 第三には、昨年、1980年にアジア太平洋地域の計量標準の水準向上及び国際計量標準の同等性確保を目的として設立されたアジア太平洋計量計画(APMP:Asia Pacific Metrology Programme)に加盟し、総会及び物質量技術委員会(TCQM)に出席いたしました。

 このように当機構は、JCSS制度の国際整合化に向け数々の施策を講じてまいりました。今後ともNMIJ、NITE及び登録事業者と協力し、国際的に評価されるシステム運営の中で高品質なJCSS標準物質の供給に努めてまいりますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

(以上)

 
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