新年あけましておめでとうございます。2006年の年頭にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
昨年を振り返りますと、日経平均が1万5000円の大台を超え、鉄鋼・造船など基幹労連による、今春闘のベア要求に対し、日経連の容認見通しが出るなど、日本経済もようやく明るさが見えてきています。一方で、建設業界における偽装事件、東京証券取引所におけるシステム障害、幼児殺害事件の頻発等、かつての日本では考えられなかった事件も多発した1年でもありました。これは、1990年代から始まった、構造改革の取組みが漸くその効果が出てきたことを示しているものの、規制緩和が各分野で急速に進んだ結果、本来、規制緩和と並行して確立されていなければならない、自立型社会の形成が追いついていないことの現れと言えるのではないでしょうか。
本会は一般計量証明事業を行う企業・団体として、より一層の信頼性向上を目指し、取り組んでいるところです。構成会員には、環境対策の認識が社会的に高まってきている中で、リサイクル関連の業務に従事している企業も多く、公正な業務遂行がより強く求められている業界であると認識しています。このことから、昨年は、業界として、信頼性向上の取組み課題を探るため、会員企業にアンケートを実施し、新たな取組みテーマも見えてきました。
昨年暮には、現在検討が進められている計量法改正に向けた取組みに対し、計量証明検査の継続や、検査手数料の現行水準維持等の要望をまとめ、提出したところです。計量証明事業者の多くは中・小規模の事業者であり、その経済基盤は決して安定しているものではありませんが、現行法規制の下で、定期的な計量証明検査の受検が義務化されていることにより、計量器並びに一般計量証明事業の信頼性と業界秩序の維持が担保され、あわせて広く一般国民に対しても業界全体の信頼性を高めることができているものとの認識に基づいております。今般の計量法改正の動きは当連合会と致しましても深い関心を持ってその経過を見守っているところではありますが、改正の内容によっては一般計量証明事業者の事業運営のみならず、適正な計量の実施の確保に際しても多大な影響があると思慮しており、関係ご当局並びに関係業界の皆様のご指導ご鞭撻を切にお願い申し上げ、ご挨拶と致します。
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