明けましておめでとう御座います。2006年の年頭に当たり一言ご挨拶申し上げます。
APLMFの議長も早4年を過ぎ、お陰様で各種の活動も順調に進んでおります。昨年の年次総会も、11月の23日から25日に掛けてマレーシアのクアラルンプールで盛大に開催されました。マレーシア政府の全面的な支援を得て、日本政府はじめ加盟各国のご協力により大変スムーズに会議ができました。APLMFの活動への関係各位のご協力に対しこの場を借りて御礼申し上げます。御礼旁々(かたがた)APLMFの活動の現状と今年の計画について簡単な紹介を致しまして、年頭の挨拶とさせて頂きたいと存じます。
私、一期2年の議長ポストを既に2期務めました。規約では再任は一度となっておりますから、今年で議長を退くことになっておりましたが、次期の議長候補がでなかったため、もう1年任期を延長することとなりました。来年には新しい議長が出てきてくれるものと期待しております。
国際活動は基本的にはボランティアで行うものです。その意味では町内会活動に似ており、できる限り加盟者全員の参加によって運営すべきものです。一国に偏るのは余り良いことではありません。研修やセミナーなどを積極的に運営してきて、参加者が増えてきておりますが、今後の課題として運営サイドでの参加貢献をもう少し容易にしていかねばならないということが課題となっております。
この一年の活動を振り返りますと、一昨年より研修やセミナーを本格的に運営してまいりましたが、産総研を初めとし、関連する機関や業界のご協力を頂いて更に盛んになってきました。ご協力を頂いた方々、また経済産業省始め関係機関の方々には、この場を借りまして厚く御礼申し上げます。
昨年実施した研修とセミナーは、電力量計、燃料油メーター、非自動はかり、医療用電子体温計、耳式体温計、穀物水分計、の5分野で行いました。このうち前の3つはAPECの基金を得て実施しました。耳式体温計及び穀物水分計は日本政府の支援を得ております。また、それぞれの研修主催国の積極的且つ熱心な準備運営が特筆できるところで、これら活動の需要の高さを物語るものといえます。
電力量計の研修は昨年3月ベトナムのハノイでカナダ及び日本の専門家によって実施されました。電力量計ではこのような活動は初めてだったので、各国の専門家も各国それぞれの実状情報を知る良い機会を得ることもでき、評判でした。今年も引き続き日本電気計器検定所(JEMIC)様のご協力を得て、内容を更に充実して実施する予定でおります。
昨年9月にインドネシアのジャカルタで実施した非自動はかりの研修も、豪州が専門家を派遣できなかったこともあり、日本NMIJの専門家によって実施しました。そのなかで参加各国から機械式はかりの試験方法に関する要望が出され、今後その方向も含めて内容を充実していくことが確認されました。また、体温計、穀物水分計の研修では日本からの民間企業の専門家が重要な役割を果たしており、日本の貢献が際だってきております。更に充実して行くためには、各分野で民間からの積極的な参加貢献を期待するものです。
今年は、包装商品、天然ガス流量計、LPG燃料油計、医療計測器、電力量計の研修、また最近問題となっております食品安全及び農産物計測に関するワークショップを実施する予定でおります。東アジア地域では共通の技術基盤のもとで産業を発展させていくことが日本の産業界にとっても大変有益なことではないかと考えます。是非そう言った観点からも積極的なご協力をお願いするものです。
APLMFの加盟経済圏の半数は発展途上国で、その多くは国際法定計量機関(OIML)には加盟をしておりません。それらの国にとってはAPLMFで得られる情報が頼りであり、これら途上国に対する情報サービスも重要な任務となっております。昨年のAPLMF総会でも、OIMLで開始された相互承認協定(MAA)に対して高い興味が示され、現状に対する情報の公開が加盟国のみならず、認定機関の国際機関であるAPLACなどからも強く求められました。法定計量に係わる国際的活動が、各方面から徐々に注目されてきていることを実感しました。
後1年議長を続けることになっておりますが、皆様のご支援を頼りにして何とか務めることができれば有り難いと思っております。皆様のご理解を戴き、更にご支援ご協力を戴ければ有り難く存じます。APLMFの活動にご興味をお持ち頂けましたら、ホームページhttp://www.aplmf.org/を是非ご訪問頂き、また、ご意見ご質問が御座いましたら、気軽に事務局までお寄せ頂けましたら、有り難く存じます。
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