ホーム計量関係機関および団体の行動の基本2007年・関係機関の行動の基本(2007年一覧)>経済産業省製造産業局産業機械課長

2007年・関係機関の行動の基本

イノベーションが担う経済成長

経済産業省製造産業局産業機械課長 高橋泰三  

 平成19年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。

 昨今の我が国経済を概観しますと、企業収益の改善や、設備投資の増加等などにより全体として堅調に推移しており、ついに昨年11月には、戦後最長の「いざなぎ景気」を超えました。我が国製造業、機械産業も、業種により多少ばらつきは見られますが、概して好調と言えます。

 他方で、我が国は人口減少、国際競争の激化に加え、環境・エネルギー制約などの諸課題を抱えております。また、昨今の原油・素材価格の上昇も経済に与える影響が懸念されます。これらの課題を克服しながら、中長期的な発展をめざすことが大変重要です。

 経済産業省は昨年、新経済成長戦略を策定し、国際競争力の強化、生産性の向上、地域・中小企業の活性化を推進し、人口が減少する中でも経済成長を可能とする「日本型経済成長モデル」を実現するための具体的施策を打ち出しました。その考え方を踏まえ、政府・与党は「経済成長戦略大綱」を決定しました。成長のためのキーワードとなるものは、「イノベーション」です。特に昨年は税制改正により、製造業にとって念願の減価償却制度の抜本的見直しを実現することができました。また、同様に各企業から要望の強かった買い換え特例の延長や移転価格税制の制度見直しについても実現することが出来ました。引き続き、諸外国との競争の中で、日本がイノベーションを絶え間なく創出し続けることができる「世界のイノベーションセンター」となるよう、産官学連携の下、新産業創出につながる革新的な研究開発や各種支援・制度改革に取り組むことが重要であり、以下のような課題に取り組んでまいりたいと考えています。

 第一に、機械産業分野の人材力の確保・向上です。特に、2007年問題による高度技能伝承問題、少子化による雇用不足、学生の理系離れ等が懸念される中、雇用制度の柔軟化、産学連携による人材育成、海外からの優秀な人材の獲得・活用の推進に向けた制度整備に取り組んでまいります。

 第二に、持続的な成長を続けるためには技術革新による生産性の向上が必要不可欠であります。ロボット、MEMS等といった新たな分野を中心として研究開発を加速化させ、技術革新を起こす力を高めるとともに技術革新を反映した設備への切り替えを促していくため、企業にとって利用しやすい税制の整備など、各種支援政策に取り組んでまいります。

 第三に、グローバル経済への対応です。我が国製造業のグローバル化に伴い、技術流出や模倣品被害等の知財問題やWTO協定等の国際ルール違反による被害が多発しており、その解決に一層取り組んでまいります。また、WTO、経済連携協定(EPA)は、貿易・投資の拡大等に寄与し、国際ルール形成や我が国経済の活性化に結びつきます。相互依存関係の強い東アジア諸国等との早期締結に向け積極的に取り組んでいくなど、機械産業の国際展開支援を積極的に行ってまいります。

 第四に、我が国製造業の基盤を支える中小企業の活性化も重要な問題です。昨年、中小ものづくり高度化法が施行され特定研究開発等計画の認定を行いました。今後も中小企業のものづくりを一層支援していく所存であります。

 今後とも、機械産業のさらなる発展と活性化のため、皆様方の御意見を伺いながら、これらの政策にスピード感をもって全力を挙げて取り組んでいく所存であります。

 最後になりましたが、本年も経済産業行政に多大なるご理解とご支援をお願いいたしますとともに、本年が皆様方にとりまして一層のご発展、ご活躍の年となりますことを祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。本年もよろしくお願い申し上げます。

(以上)

 
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