平成20年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
さて、我が国経済を概観いたしますと、民間主導の経済成長が続いており、戦後最長の景気拡大を享受しております。我が国製造業、機械産業におきましても、アジア等の好調な経済を追い風におおむね好調と言えます。一方で、サブプライムローン問題、原油価格や原材料価格の影響などにより、中小企業や一部の業種、地域については、回復状況にばらつきが見られます。また、原油市場などへの投機資金の流入により、効率的な資源配分機能を有する世界の資本市場に歪みが生じることが懸念されております。こうした中で、我が国の国際競争力維持強化に向けて、機械産業が、我が国経済を支える基盤産業として、引き続き経済成長の牽引役を担っていくことが重要です。そのため、本年も次のような課題に積極的に取り組んでまいります。
第1に地域や企業規模によって業況にばらつきが見られる中で、成長の果実を地域や中小企業に広く行き渡らせることが必要です。このため、下請取引の適正化、事業承継の円滑化などを進め、地域、中小企業の活性化を促してまいります。
第2に今後とも経済成長を実現するためには、イノベーションを加速させることが重要です。このため、製品の信頼性が極限状態まで求められる部材の開発、成長が期待されるロボットに関する技術開発など革新的な研究開発に取り組みます。また、団塊の世代の退職により、喫緊の課題となっているものづくり人材の確保・育成について、産学連携により産業界のニーズを踏まえた人材育成など各種支援・制度改革に取り組みます。さらに、知的財産保護、技術流出防止のための諸施策にも積極的に取り組んでまいります。
第3にグローバル化に伴う国際展開支援を行っていくことが重要です。このため、相互依存関係の強い東アジア諸国との経済連携協定の締結交渉を進めるとともに、米国、EUを含めた大市場国との交渉についても可能な国・地域から取り組みを進めてまいります。また、WTO交渉につきましても早期の妥結に至るよう取り組んでまいります。
第4に省資源国として、エネルギー・環境政策に積極的に取り組むことが不可欠です。このため、石油、レアメタル等の重要資源の安定供給の確保、省エネルギーの推進、温暖化ガス排出量の削減に取り組んでまいります。
新しい年を迎えるにあたり、決意も新たに機械産業の更なる発展に向け、これらの課題に迅速に取り組んでいく所存です。
最後になりましたが、皆様の御多幸と御健康を心から祈念いたしまして、新年のごあいさつとさせていただきます。
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