計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事計量関連機関 年頭所感(2015年一覧)>【(独)産業技術総合研究所 計量標準管理センター長】変わらぬことを、たゆまぬ努力で

2015年 計量関係機関 年頭所感〈産総研〉

変わらぬことを、たゆまぬ努力で

(独)産業技術総合研究所 計量標準管理センター長 臼田孝

臼田孝 新年を迎えるにあたり、謹んで新春のごあいさつを申し上げます。
 当センターは計量標準計画室、計量標準保証室、標準物質認証管理室、国際計量室および計量研修センターを擁し、NMIJがおこなう計量標準業務の信頼性や国際同等性を向上させ、また計量士の育成、各種展示会・セミナーへの出展・出講などを通じて計量標準の高度化と普及に努めております。日頃当センターの業務にご理解とご協力を賜り、お礼申し上げます。
 また、昨年はつくばセンターと関西センターの2カ所で分担しておこなってきた法定計量業務を、国際化や高度化に対応するため、2013(平成25)年度末をもってつくばセンターに集約することができました。皆様のご理解に改めて御礼申し上げます。集約によって利便性に影響を受けぬよう、関西地域を始めとして引き続き技術相談窓口や研修等、情報提供の機会を確保して参ります。ご理解とご支援のほどをお願い申し上げます。
 さて、既に本紙でも伝えられたとおり、昨年11月に開催された国際度量衡総会(CGPM)では、kg、mol、A、Kの4つの基本単位について、定義改定前後の整合性を示す実験データが順調に得られることを条件に、2018年の第26回CGPMに向けて改定の準備を進めることが決議されました。技術開発が順調に進めば、いよいよ2018年にはキログラム原器に代わる、新しい定義が定められ、SI基本7単位がすべて器物によらずに現示されることになります。計量標準管理センターとしては、定義改定に向けた計測標準研究部門の研究成果創出に協力するとともに、科学界、産業界、教育界および一般の皆様に向けた広報活動に取り組んでいく所存です。
 キログラム原器が質量定義の座を得たのは1889年のことでした。それから125年間、先人のたゆまぬ計量精度への追求が、近い将来の定義改定に結びつくことを思うと、改めて計量標準に携わる責任の重さを痛感致します。一貫した計量標準の維持という、当たり前なことをたゆまぬ努力によってより確かなものとできるよう、職員一同新たな気持ちで職務に取り組んで参ります。重ねてご指導のほどをお願い申し上げます。
 最後に本年の皆様のご健勝をお祈りし、新年のごあいさつとさせて頂きます。

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