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年頭寄稿

大和製衡株式会社 代表取締役社長   川西 勝三


 私は本年63歳になります。3年前に還暦を迎えたわけですが、還暦を前にした時、「 60歳というのは、体力が衰え、社会からのリタイヤに直面し、人生の下り坂を意識しがちな歳であるが、それではダメだ。60歳からが人生の華であり、今まで培ってきたことを土台にし、万年青年で人生の生き様に挑戦し続けていこう」と考えました。

 昨年11月20日付の本紙で、私が最高齢選手として40年ぶりに岡山国体の馬術競技に出場し、アマチュアとして唯一人入賞を果たせた事を掲載いただきましたが、社会人となって長い間遠ざかっていた馬術を再開したのはこの「60歳の挑戦」がきっかけでした。

 私には、1965年の岐阜国体で馬術準優勝、その年の全日本学生馬術個人選手権で優勝した経験がありますが、その時の精進と成果を通じて「常に高い目標(ロマン)を持ち、それに向かって論理的に状況分析し、本質的な課題を認識して、その課題を一つ一つ解決して行くことによって必ず目標を達成する」と言う人生哲学を得ました。

 今、私は「スポーツ経営」の実践を心がけています。これを一言で説明しますと「狙った獲物は絶対にはずさない」ということです。それは目標(ロマン)の絶対的達成にあり、目標の達成とはすなわち個人技・チーム技の統制の最高位を狙うということです。

 スポーツの世界ではプロ・アマを問わず、野球でもサッカーでもその目標である「勝利」に向けて絶対的なマネージメントが行われます。一方、企業経営においては、個人技とチーム技と情熱の統制力という点では、スポーツに比べるとその完成度が大きく劣ります。当然のことながら、企業経営においてもスポーツの世界と同様の目標達成へのマネージメントが大切であると思います。

 また、今メーカーの経営者にとって最も大切なものは、経営管理をする能力ではなく、ものづくりに真摯であり続ける情熱とその成果であると考えます。社長が先頭に立って革新技術を作り上げていく気概がなければメーカーは成長していけないと思っております。

 弊社では昨年「データウエイΣF1」「次世代形トラックスケール」「完全防水形デジタル上皿自動はかり」など、私自身が直接開発にかかわった革新的技術・発想の新製品を発売しましたが、景気の波に左右されないより強靱な企業体質を創り上げるために、今後とも、世界的に認められる革新的技術・発想を盛り込んだモノづくりに取り組んで行きたいと考えております。

(以上)

 
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