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千葉工大で「はかりのデザイン」を授業で取り上げてくれる

メジャーテックツルミ代表取締役社長 横須賀健治 

 「はかりを授業で取り上げる」それは夢でありました。18年度の「何でもはかってみようコンテスト」の計画がはじまっていました。川崎市から電話が入りました。千葉工大が産業界からのテーマを望んでいる。ついては今取り組んでいる授業がある。とのことでありました。仕上げの授業でのカーオーディオのデザインの最終プレゼンテーションを見学させて頂きました。どんなボタンがあり、どんな使い方をするのか、室内空間とどのようにマッチさせるか、そして使い易さはどうか。調査に基づいて仕様を決め、設置スペースを決め、デザインをしてきたプレゼンテーションは教室の中でとはいえ、なかなかのものだと感じました。そして大学生が「はかりのことをどうみているのか」興味をもちました。

1、はかりの原理

2、はかりの使われ方

3、はかりの精度

4、はかることの楽しさ

8、はかりの、商業用・産業用に使われている事例

 当初の授業で説明をさせて頂きました。講義を聞き、手書きデザインの絵の提出があり、個別指摘があるという流れでした。「はかり」というだけで、自由に発想してもらうことにしました。しかしこんなことがありました。「目盛を光で表す」色は虹の7色ですとの作品。肉屋さんに買いにいって200g を買う時に、何グラムが気になるかとたずねました。1g とか2g であることを知って、7色では少ないこと、最低100目盛にするためには色をどうしたらいいかを考えてもらうことになりました。次のようなこともありました。スプーンをはかりにしたら便利と考えた学生がいました。どこにセンサをおくのか、はかりは垂直な力を忠実にとり出すこと、どのようにするのかの問いかけをしました。またアナログの表示を、デザイン的に鏡で反射させて見せるものを提出した学生がいました。家庭用であり、鏡が曇ることがあるのではないかとたずねました。

 子供用に目盛りと別に、体重によって、人形が立ち上がっていく体重計。通常持ち歩くものの重さを設定しておく、グリーンの色になる、持ち忘れを防止する卓上用のはかり。コンパクトに収納できるはかり。キッチン家具に最初から収納スペースを考えておき、それにあった料理用のはかり。自由に持ち運び出来る体重計など、学生さんは意欲的に取り組んでくれました。テーブルの上に40件程の作品が並ぶと盛観でした。それぞれの作品がこちらを誘い込んできました。

 「授業として、作品を考える時間は特別とらない。家や空いてる時間に仕上げなさい。授業は質問の時間としたい」との先生の方針は、自主性を重んじておられました。機能面はテーマを出した企業側、デザインの新規性などは先生の指導と役割が明確でした。何故そうしたのか、何を訴えるのかを問うていました。11月下旬に16作品に絞り込みました。一応の授業は終わりました。これからは自主参加での取り組みとなっていきます。グラフィックにし、プレゼンテーションできるまでに仕上げていくとのことです。

 プレゼンでのデザインコンセプトの説明の表には、横軸が価格であったり、年齢であったり、台数であったり、立軸が男女であったり、アナログ・デジタルであったり、精度であったり、それらを相互に組み合わせたりする。何故この「はかり」なのかの説明が出されるでしょう。そして今の学生はPCを自由に使いこなし、大きな可能性を感じさせる内容になっていくのでしょう。

 今回の出来事のなかで前提条件がいくつかだされていました。

1、大学3年生の授業

2、作品は就職の時のデザイン作品の実績として訪問企業に見せる

3、産・学・官の取り組む例とする

 この画期的な授業については、私は行われた事実が最も大事な事と感じています。従って、これらの作品を発表する場を作っていきたいと考えています。それが、一生懸命取り組んでくれた学生への恩返しであり、優れた作品が全国の「はかり・その関連企業」の目にとまり、世に飛び出すことになると思っています。

(以上)

 
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