日本計量新報　2011年3月6日 (2860号)掲載

今年の初仕事　

愛知県計量士会会長　阿知波正之

年初の愛知県計量士会で、小生は本年の目標として、田口玄一博士が述べられた「豊さは自由度の総和」を受け「自由度の増加」を宣言した。これまで、新しい仕事を次々に持ち込まれて、間口は広いが浅い活動をしてきたが、今年は、深く掘り下げ極めるように活動したいと思っている。
　さて、本年最初の仕事として県営名古屋空港の燃料流量計の立会試験に出かけた。名古屋空港は中部国際空港の開港により、大半の空路が移動し、JALの撤退でさらに減便するようで、ターミナルは閑散としている。
　しかし、航空自衛隊の基地、航空機メーカー三菱重工の工場およびビジネスジェットの主要空港として様々な飛行機が見られ、中部国際空港とは異なる風景が見られる。
　特に2012年に初飛行が予定されているMRJ（Mitsubishi Regional Jet）機の工場があり、その飛行が待たれる。当地方の主要産業である自動車産業の陰りが見られるなかで、先日宇宙ステーションへの運搬機の打上げに成功したH�UBロケットも当地方で生産されており、ポスト自動車として航空宇宙産業への期待も大きく、航空機は国際的な競争が自動車以上で難しいと言われているが、高品質のものづくりが生かされる分野でもある。
　本来の仕事の燃料流量計の検査は、JISB7552流体用流量計―器差試験方法により、標準器としてタンクを用いる体積法または標準流量計との比較法により行ない、見掛け上ではあるが、試験条件から得られる最善の結果を追求している。過去の経験、知識も不足しているが、勉強して不確かさの評価も含め期待に応えられるようにしたいと思っている。