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 計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事寄稿・エッセー>蓑輪善蔵

日本計量新報 2011年8月7日 (2881号)掲載

今思うこと 

前日本計量史学会会長 蓑輪善蔵

蓑輪善蔵東日本大震災本当に大変な事でした。特に東北三県の方々には心からお見舞いを申し上げます。私もあの時の揺れは生まれて初めてのことでしたが,家の2階は足の踏み場もない状態でしたし、佐原にある我が家の墓も石灯籠が倒れ、今もそのままです。私は計量研究所時代から東北、北海道地区の皆様と何かとお付き合いが多かった事もあり、大変気にかかっています。暑い夏ですので、健康に留意して過ごされる事をお願いします。
 (社)日本計量振興協会(日計振)は今年で100周年を迎えられること、誠におめでとうございます。日本度量衡協会から(社)日本計量協会、そして(社)計量管理協会、(社)日本計量士会の3団体が合併して日計振となり、1911年発足の日本度量衡協会から数えて100年を迎えます。因みに、(社)計量管理協会は59周年、(社)日本計量士会は52周年になります。主たる目的を変えることなく長い間活動してきた団体は一つの歴史であり、文化であるように思えます。
 設立以来、日本度量衡協会の主な事業は、度量衡法、度量衡器およびメートル法の普及であったように思います。特にメートル法の普及は最大の事業であり、1921年の長さ、質量の基準をメートル原器、キログラム原器とした度量衡法の改正から一段と運動が盛んになりました。しかし1931年の満州事変から次第に国粋主義が台頭、メートル法統一は延び延びになりました。敗戦を契機に計量法の制定となり、完全メートル法まで更に十数年が必要になりました。また最近では、計量制度が急激に変化の道を辿ってきていますが、「計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し・・・」には何等変わるところがないはずです。どうぞこの制度の向上のため、普及のために、日計振の更なる努力と発展を期待しています。

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