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 計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事寄稿・エッセー>村田浩美

日本計量新報 2011年9月18日 (2886号)掲載

猫額通信その2

(独)製品評価技術基盤機構 村田浩美

 都内某所、我が猫額の庭の旬はとても短い。例年、穏やかに花を楽しめるのは3〜5月の時期だけである。2月頃には天地返しと言って土を掘り返して寒気に曝し、石灰を捲き、虫の卵を殺すように試みるのだが、それもむなしく、6月ともなると芋虫・毛虫から始まりヤブ蚊も大発生、夏草のジャングル状態に堪りかねて蚊取り線香を腰に草取り決死隊を敢行する以外、秋になって来春の準備を始めるまでは、これまたじっと我慢の日々である。

 ところが、今年は違った。3月の大震災で地中に大きな地震波が伝わった影響なのかどうかはわからないのだが、6月の芋虫・毛虫の出動がほとんどなく、ハーブがすくすくと育ち、のらくらワイルドガーデンはちょっとだけ憧れのイングリッシュガーデンもどきになった。だが、代わりにナメクジとカタツムリが大発生した。春の花と夏の花を入れ替える作業をしていたら、プランターの土の上に直径がBB弾ほどの半透明の球体が多数散らばっていることに気づいた。

  家族がインターネットで調べたところ、どうやらカタツムリの卵であるとのこと。雌雄同体なので2匹いれば両方とも産卵してどんどん増えるらしい。昨年のモンシロチョウの青虫と同様、こいつらが全部孵ったら果たしてどんな状況になるかと想像しただけで身震いがしたので、一つずつつまんで取り除いておいたのだが、それでもカタツムリは多数出現した。ナメクジに至ってはどうやら一回りほど小振りの球体が卵だったらしく、面倒で取り除かなかったのが敗因だったようで、小さい奴らを片端から割箸でつまんで駆除しはじめたが、あまりに際限がないので途中で断念した。

 夏になると、北側の玄関先にも陽が当たるようになり、台所にも強い西日が入るので、庭の世話を放棄している代わりに、ここ数年はアサガオ、ゴーヤ、ヘチマでグリーンカーテンに挑戦している。

  今年は省エネ・節電対策でグリーンカーテンがブームになっているようで、ゴーヤやヘチマの苗が沢山の種類、随分遅い時期まで出回っていたし、ホームセンターの野菜苗売場も週末は大混雑だった。一番勢いのあるのはヘチマで、昨年も行き場を失っていたので、今年は1階の屋根からネットを張ってみたら、ぐんぐん伸びて6月中旬には1階の屋根に達した。一方、アサガオはカタツムリが葉を食べまくるのですっかり丸坊主になってしまったが、夏になって湿気を好む奴らがすっかり陰を潜めると、俄然息を吹き返し、ヘチマに便乗して屋根まで達した。ゴーヤの花はジャスミンをもっと上品にしたようなすっとした爽やかな香りがするので、朝の水やりが楽しくなる。4つめの実が大きくなってきていて、そろそろ収穫時。もう少し大きくしようと欲を出すと、あっという間に黄色くなってはぜてしまう。皮の黄色と真っ赤な種のコントラストは強烈で、実は苦いのに種はなぜか甘いと噂に聞いたが試していない。

 大規模なグリーンカーテンで有名な近所の区役所は、7月13日現在で庁舎3階、12mまで達しているとのことだが、さて我が猫額カーテン、果たしてどこまで伸びるかな?

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