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 計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事寄稿・エッセー>倉橋正保

日本計量新報 2011年10月9日 (2889号)掲載

チェロを始めて2年余り

元産総研・元長野計器(株) 倉橋正保

倉橋正保チェロを始めて2年目の節目の日に、チェロを買い替えた。自動車が買えるくらいのお金を支払った。新しい楽器はイタリア製でそれまで使っていたドイツ製の楽器に比べて軽く、概してやわらかい音で、高音のみならず低音もきれいだ。販売店の店主が、この楽器の製作者は最近マイスターに昇格したので彼の作品の値段は今後跳ね上がる、と言うので買う決断をした。

 半年程前に(練習の仕方が分かったので)、レッスンを受けるのを止めた。主な理由は、早く上達したかったためである。早く上達したいのでレッスンを止めるというのは奇異に聞こえるかも知れないが、私には有名なチェロ曲、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番や第3番のプレリュード、サンサーンスの白鳥、シューマンのトロイメライ、エルガーの愛の挨拶などを早く弾けるようになりたいという切望があった。先生の指導の下にレッスンを受けているとこれらの曲を弾かせてもらえるのに何年もかかるだろうと思えた。猛練習をしたので最近になって自己満足できるレベルに近づいてきた。初期に設定した目標がまもなくクリアーできそうなので、もう少し目標のレベルを上げた。上記曲を暗譜で弾けるようにすること、テノール記号で書かれた楽譜を読めるようにすること、指版の上に親指を置いて演奏する技術の習得などに挑戦している。自己流が進んだかも知れないのでそのうちにまたレッスンを受けようかとも思っている。

 絵を描いたり、文字を書いたり、陶芸を楽しむ人には、上達過程の作品が残ることを羨ましく思っていた。初心者のチェロ演奏には成果物がない。演奏を録音しても聞く気にはならないだろう。しかし、ある程度上達すれば日々の自分の演奏にうっとりできるだろうと思っていた。最近、一部の曲ではあるが自分の演奏にうっとりしている時があり、予測が当たったと思うとともに、練習を続けてきて良かったと思っている。

 チェロを始めて以来2年5カ月、毎日弾き続けている。弾かなかったのは2泊以上の旅行をして、弾くことができなかった場合のみである。この記録を絶やさない努力もしてきた。宴会などで帰りが夜の11時頃になることが予測できる場合は、早朝に起きてチェロを弾いた。この連続記録がいつまで続くことだろう。3分の1は好きだから、3分の1は習慣で、残りの3分の1は意地で弾き続けている。将来どのような理由で連続記録が中断することになるのかを心配している。病気、交通事故などによる大怪我、指が動かなくなる、目が見えなくなるなどの原因が考えられるが、早く意地の部分を捨てて、弾きたい時にだけ弾くようにすればよいのにと我ながら思う。

 バイオリンと異なりチェロをケースに入れるのはやや面倒である。そこで私はチェロをケースに入れないようにしている。それは弾きたい気分だが楽器をケースから取り出すのが面倒なので止める、という場合を避けるためである。そこでチェロスタンドを自作した(写真A)。最近は地震が多く、物が落下してチェロに傷がつく心配がある。初期には楽器に毛布を掛けていたが最近はダウン製のチョッキを着せて保護している(写真B)。
<写真A><写真B>
 新しいチェロを買ってまもなく、週に2日の会社勤務も辞め毎日が休日になった。週に4日、朝からテニスに行く。テニスに行く前に40分程度チェロを弾く。昼食後には昼寝をする。目覚めた後に20分程度ではあるがピアノの練習をする。夕方または夜にもう一度チェロを40〜50分弾く。テニスをしない日は朝夕にもう少し長い時間練習する。夏の暑い日に炎天下でテニスをすると、疲れて夕方のチェロの練習がつらいこともあるが意地で頑張っている。最近、テニスをしない日は、早朝または夕方にウォーキングを始めた。こうした運動が基礎体力の維持に、楽器演奏がボケ防止に役立っていると思えるが、物忘れは進行している。日常生活においても気になるが、楽器を弾いていて、繰り返し部分をすでに弾いたかどうかが分からなくなることが多い。  

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