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計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事寄稿・エッセー(2015年一覧)>【高徳芳忠】神仏は人を生かす

日本計量新報 2015年1月25日 (3042号)5面掲載

神仏は人を生かす

東京計量士会 高徳芳忠

高徳芳忠新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましても新春には初詣をなさいましたでしょうか。今年も良い年でありますようお祈り致しております。
 わが国には昔から神社・仏閣が多くあり人々はそれなりに親しんできました。今でも新年を迎えるとなると、新しい気分で福を求めたり・安全を祈ったり・健康を願ったりでお宮さんに参ります。
 明治神宮、川崎大師、成田不動山には毎年何百万人もの参拝者が訪れます。これは何よりも自分達人間を超えた神仏に手を合わせ、お祈りをする美しい姿の現れだと思っています。
 『神があって、人間が存在する』という古典的命題は、今も疑う余地はありません。このことを現代的用語で大胆にいうならば、宗教とは人間が自身の力で描いた神の像の前で、自己を義とし聖化しようとする試みであるともいえましよう。これは真理と確実さを求める人間の欲求から出てくるものなのであると思います。
 神の像という超越的世界と自己自身とを平和的・友好的関係に置き、超越世界の助力と加護を確保しようとする試みであるかもしれません。とにかく人間はそれによって自己の生を確かなものとし、この世における一貫した生き方を確保しようとする衝動でもあるのです。
 平たくいえば、神仏が在って初めて、人間が他人と共に生きられるのです。人間だけでは勝手気ままに這い摺り廻ってそれで終わります。それとも隣人と比べて少し大きな財を残したとか、名誉溢れる行為があったとか、生涯を通じて人気に満ちていたとか…を誇りますか。
 私は神仏と共に在ることを生きがいとしたいです。


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