日本計量新報 2015年4月19日 (3053号)6面掲載
今どきの卒業式(正式名称・卒業証書授与式)
神奈川県計量士会 小川忠治 |
3月20日、未だ肌寒い浅春のとき、地元の市立小学校の卒業式に列席した。毎年招待状を頂いているが行かずじまいでいた。自治会長在職6年経過して任期切れ間近、最初で最後の機会かと意を決した次第である。
式では壇上の国旗日の丸と横浜市旗に敬礼、国歌と市歌および校歌を斉唱した。それから卒業生ひとりひとりに卒業証書が校長から手渡された。
◎規律正しさが教育方針か
見ると立派な紺色の分厚いカバーのなかに証書が入っている。皆それを大事に小脇に抱えてステージより降り立ち、われわれ来賓に一礼した。席を立ちステージに上り授与されて席に戻るまで
規律正しい振る舞いには感服した。また校長、副校長全て登壇者は国旗市旗に一礼していた。
◎背丈に見る個人差
男女とも身長はかなりの差がある。170cmもあろうかと思われるスラッとした子、また130cmくらいの可愛い子もいる。女子では振袖ハカマ姿の子が各クラス5〜8名と目立った。
◎押し寄せる少子化時代
卒業生は5組30人学級で総勢149名であったが、渡された学事報告によると1年生から5年生までの在籍児童は123名→145名→129名→124名→148名で2年生が増加しているが、まもなく30人学級1組の消滅定着は避けられない。
◎感動的な演出か
学校長式辞では、本校卒業生が2年生のときあの3・11大震災が起きた。現地大川小学校では78名中74名が亡くなった。この大惨事のなかでも応援に駆け付けた学生が「大丈夫、未来は有るよ!」と笑顔でいった言葉がお年寄りを元気づけた。
来賓紹介ではPTA 会長が、あの硬いダイヤモンドはダイヤモンドでしか磨けない。人も人によって磨かれる。どちらも感銘した。
卒業生の「在学中思い出シュプレヒコール」5年生の「贈る言葉シュプレヒコール」および各担任教諭への「思い出シュプレヒコール」と続いて、若い先生が涙を流す場面もあった。
最後に、蛍の光、仰げば尊し、ではなく「前へ」「明日へつなぐもの」「星の大地に」および「旅立ちの日」の4曲をピアノ伴奏で合唱した。
◎おしまいに回想
自分の小学校卒業当時を回想するに、毎日の食事の貧しさ、粗末な服装、イジメにあった級友の顔、さらには低学年の頃にあの「墨で、あちこち消された真っ黒な教科書」「空を覆ったB29の銀翼」田圃の向こうに見た「幾日も消えなかった東京大空襲の黒煙」……。
今どきの小学6年生の頭のなかはどのようなのか想像し難いが、「大丈夫、未来は有る。戦争だけは絶対に許さない」と言ってほしい。 |