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計量計測データバンク「日本計量新報」特集記事寄稿・エッセー(2015年一覧)>【小宮勤一】ストロボスコープ図形

日本計量新報 2015年10月11日 (3076号)6面掲載

ストロボスコープ図形

(一社)日本計量史学会理事 小宮勤一

小宮勤一回転している物体の回転速度を測定する方法の1つとして、ストロボスコープがよく知られている。LPレコード、SPレコードの時代にはターンテーブルの回転速度を規定の数値に合わせるために、レコード盤の上にストロボスコープ図形を置いて回転させ、それを電球で照らしながら、その上に描かれた図形が静止して見えるように回転数を調節していた。これは回転速度を測定するためではなく、ある回転速度に固定する目的であるからこのままでは回転速度の測定には使うことができないが、若干の工夫をすれば測定にも用いることができることも知られている。
 もう何十年も前のことであるが(1965(昭和40)年前後のことであったろうか)、ある学会の研究発表会で、上のストロボスコープ図形の代わりに、連続的に回転数を測定できるアナログ図形の発表があったように記憶している。この研究の発表者はロゲルギスト(「物理の散歩道」、「新物理の散歩道」の著者集団)の一人であったK先生の研究室の方だったと思う。発表を聞いた後で、先年お亡くなりになったMさんと「これは面白いですね」と話をしたことを覚えているが、その頃の私は別の測定量の検出に興味の中心があり、その後これを話題にする機会はなかった。
 その後、センシング技術をまとめて調べる必要があり、前述のMさんをはじめ何人かの方々の論文、解説、著書などを読む機会があったが、ストロボスコープ、ものさしの副尺、波動のビートの信号の検出、などに使われる共通の性質として、時間軸、空間軸の拡大の機能があることを知り、センシングの1つの方法として興味をもった。
 最近、上述の発表の内容を思い出して、当時はデジタルの検出方法が脚光を浴びていた頃だったと記憶しているが、その傾向に反してアナログ検出に着目されたのはなぜであったろうかなどと考えることがある。当時、K先生は何のセンシングを考えておられたのか、また、Mさんはどの点に面白いと感じておられたのかも気になったけれども、今ではお尋ねするすべはなく、また、私の手元には何十年も前のガリ版刷りの予稿集は残っていない。もう一度オリジナルの予稿を見たいと思うけれども、どなたかそのころの記録か記憶をお持ちの方はおられないだろうか。


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