ボンベ型熱量計は、固体・液体燃料の定容燃焼熱を測定するもので、試料を酸素中で完全燃焼させ、その燃焼熱を一定量の内槽水に伝えて、その水温上昇から熱量を求めるものである。主として、石炭、石油などの燃焼熱量の管理に用いられている。
測定する試料を、図2の試料皿に約1g計り取り、電極1に接続された試料皿保持器の上に載せる。もう一方の電極2と試料皿保持器の間に点火用の細いニッケル線を取りつけ、ニッケル線の中央を折り曲げて試料に接触させる。この試料皿と電極全体をボンベの中に入れ、蓋をして、3MPa程度の酸素を封入する。ボンベを図1の内槽の中央部にセットし、内槽に一定量の水を入れてボンベ全体を水中に沈める。温度が充分安定したところで、点火線に電流を流して試料をボンベ内で完全燃焼させる。
内槽と外槽には温度検出器が取り付けられており、ボンベ内の燃焼で内槽水の温度が上昇するのに応じて、外槽水に湯や水を注入し外槽の温度を追随させて、内槽から熱が逃げないよう制御する。
内槽水の温度が一定になった時、燃焼熱量と内槽水の温度上昇には次の式が成り立ち、試料の燃焼熱量Qを求めることができる。
Q=C(W+w)×Td
Q:燃焼熱量(J)
C:水の比熱(J/gK)
W:装置の水当量(g)
w:内槽水量(g)
Td:内槽の上昇温度(K)
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