参考資料10
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化学物質の安全管理は世界的な課題となっており、1992年の国連環境開発会議(地球サミット)で採択されたアジェンダ21においても、各国の化学物質管理体制の強化及び化学物質の安全性に関する情報拠点の整備等が強く求めらている。国内においても、化学物質の種類や量が急速に拡大するとともに、化学物質の危険有害性(ハザード)についての情報を十分に理解・認識した上で、開発、製造、流通、使用、廃棄、リサイクルに至るまでの全ライフサイクルにわたった適正な管理が必要となっている。
また、化学物質の有害性情報は、関与する立場により様々なニーズがある。例えば、化学物質取扱事業者において必要とされるのは、開発段階における類似物質や分解生成物の情報、上市段階におけるMSDS作成時の情報、自主管理段階における環境曝露評価や安全性評価のための情報などである。また、行政においては、リスク評価等の化学物質総合安全管理施策のために各種情報が必要である。
このような状況を踏まえ製品評価技術センター(NITE)では、化学物質を安全に使用・管理することを目標に「化学物質ハザードデータベース」を構築中である。本インデックスシステムはその中において現在までに整理・電子化を図ることのできたリストについて、インターネットを通じて広く国民や産業界に情報を公開するものである。
化学物質の有害性情報について国内外を問わず様々なデータが存在しているが、本システムはそれら様々なデータを一元的に集約・データベース化している。具体的には、個々の物質にどのような番号が付けられ、またどのような名称で呼ばれ、どのようなデータが存在するのかを確認及び検索するためのシステムとなっている。
さらに本システムに併せて、(財)化学物質評価研究機構[旧(財)化学品検査協会]が主体となって原案を作成し、化学品審議会安全対策部会の中の化学物質総合安全評価管理分科会の審議を経て作成された「既存化学物質安全性評価シート」の公開も行っている。既存化学物質安全性評価シートは、現在平成8年度までに作成された40物質を公開している。
本システムには、以下の機能がある。
@個別リストごとの検索 現在、12項目の検索対象リストからの検索が可能。例えば、毒劇法の特定毒物や化審法の指定物質といった個別リストについて検索することができる。 |
A全リストからの検索 |
B既存化学物質安全性評価シート 個々の化学物質についての有害性情報データについて表示することができる。沸点・融点などの物理化学的性状データ、急性・慢性毒性データ、発がん性データ、生分解性データ、生物濃縮性データなど個別データについて、物質ごとにまとめられたものを表示。 |
○既存化学物質点検済みリストや今回対象としなかったさらに幅広い諸外国規制対象物質リスト(PRTR対象物質リスト、HPV対象候補物質リスト、ICSC対象物質リスト等)を追加
○現在開発中の化学物質ハザードデータベースと本システムを連携させ・ハザードデータベースの検索機能として利用
○構造式や分子式による化学物質の検索機能の追加など機能の拡張、充実を図る予定。
また、既存化学物質安全性評価シートについては、今後順次追加・公表していく予定。