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日本計量新報記事より

計行審配付資料を経産省サイトに掲載

資料のすべてと議事録をPDFファイルで
誰でも計量法改正資料を利用できる

日本計量新報 2601号1面より(2005年9月25日発行)

 7月26日に開催された2005年度第1回計量行政審議会の配付資料が、9月15日、経済産業省のウエブサイト(ホームページ)に掲載された。これまで議事録は掲載されていたが、配付資料が誰にでも利用できるように掲載されたのは今回が初めてである。計量法改正作業を進めるうえで、公開原則を貫くことは、誰もが納得する討議がなされる保証として是非必要であるとの声が出ていただけに、配付資料を誰でも入手、利用できるようになったことで、多くの意見・要望を集約した審議が期待される。

 計量行政審議会は原則として公開することを決めている。議事要旨は原則として会議の翌々日までに作成して公開する、議事録は原則として会議終了後1ヶ月以内に作成し公開する、配付資料は原則として公開する、としている。従来も議事録は会議の場だけでなくウエブサイトでも公開されてきたが、これまで配付資料は会議の場では公開されて傍聴者は手にすることができたが、ウエブサイトでは公開されていなかった。インターネットを利用して資料が公開されることは、誰もが自由に資料を手に入れ、利用できるようになったという意味で画期的である。配付資料原則公開が真の意味で実行されたことになる。URLはhttp://www.meti.go.jp/committee/gizi_0000004.html

 日本計量新報もウエブサイトに「2005年度計量法改正情報BOX−計量制度の見直し−」を設け、議事録、配付資料、記事、参考資料、意見・要望などを掲載している。http://www.keiryou-keisoku.co.jp/hou-kaisei2005/hou-kaisei-top.htm。(社)日本計量機器工業連合会は「計量制度の見直し審議情報」をウエブサイトに掲載。http://www.keikoren.or.jp/

 経済産業省のウエブサイトで公開された、9月21日現在の配付資料と議事録は次のとおり。掲載資料はすべてPDFファイル形式。

【計量行政審議会】▽2005年7月26日開催、2005年度第1回議事要旨▽同議事録▽同配付資料(内容は別項)【計量制度検討小委員会】▽05年8月8日開催、05年度第1回議事録▽05年9月1日開催、第3WG05年度第1回議事要旨▽05年9月5日開催、第1WG05年度第1回議事要旨

【計行審05年度第1回配付資料】▽議事次第▽委員名簿▽配布資料一覧▽資料1計量行政審議会の公開について▽資料2新しい計量行政の方向について(諮問)▽資料3新しい計量行政の方向について▽資料4新しい計量行政の方向について(参考資料)▽資料5審議の進め方について(案)▽資料6計量制度検討小委員会名簿(案)▽資料7計量行政審議会運営規定(案)


東京計量士会が計量技術研修会開催
計量法改正をテーマに

 東京計量士会は2005年度第2回計量技術研修会を9月20日、東京都計量検定所で開き、40名が参加した。

 計量法の改正をテーマに「計量法の改正動向と計量士制度について」のテーマで桑山重光氏(メトラー・トレド(株))が報告し、横尾明幸理事の司会で、意見交換した。(詳細は次号以下)


計量行政室が計量器メーカーからヒアリング

 経済産業省知的基盤課計量行政室は、計量法改正の検定・検査制度を参考にするため、計量器メーカーのヒアリングを実施している。9月22日に燃料油メータ、以下、量器用尺付タンク、体温計(抵抗式・ガラス製)、ガスメータ、非自動はかり、分銅、おもり、自重計、家庭用はかり、積算熱量計と実施している。

(以上)

 

第2WG第1回会合開く

量目制度改正への意見聞く

日本計量新報 2600号2面より(2005年9月18日発行)

 05年の7月から計量法の改正作業が公式の会合を開くことによって始まりました。日本計量新報では計量行政審議会と関係する部会の会合の内容を報道しておりますが、この報道で計量法の何をどのように変えようとするのか理解できる人は多くないと思います。また改正の意図どおりに法令が変更された場合にこれまで行われてきた業務や組織がどのように変化し、新たな業務がどのように発生するのかということをかんがえなくてはなりません。

 変化の内容の予測ということでシュミレーションできることが大事です。それが不完全ですとこんなことではなかった、というとんでもない事態が発生することがあります。後で慌てないために十分に内容を吟味することです。

 国際的な計量の規則と調和・融合させること、過度の規制は排除することなどが改正の基本方向になっているようですが、多くの方は経済産業省計量行政室が諮問した文章をどのように読んで、どのように理解しているでしょうか。計量行政審議会に諮問する前にまた諮問後も計量行政室では、公開の会議の場とは別に必要な事項の調査のために、地方公共団体、国内外の計量器製造事業者などから聴き取りをしています。こうした聴き取りから漏れている分野の必要事項はどのように扱われるかといいますと、漏れになることが少なくありません。

 聴かれる人は、聴かれた自分の分野のことしか答えないのが普通です。自分に不利益になると思えば、社会として大事な周辺のことは答えないものです。これまでの聴き取りの結果を総合判断するとそのようにいえます。例えば計量器のことを検討するのに製造事業者団体と製造事業者に対して聴き取りの調査を入れますが、計量器流通の担当分野の販売事業者からの聴き取りが漏れて、大事なことを抜かしてしまうことが起こります。私たちの計量器製造事業者団体とは別に広範囲な未加入事業者がいることや、別の似たような団体があること、別の事業者と利害が対立することなど述べない聴き取りの相手の言葉だけで、物事を判断することが少なくないものです。

 いろいろ調べて文章にして世の中に発表したあとに重要な事項が判明することが多いことを多くの人が経験しているはずです。アインシュタインは論理の美しさを確保するために宇宙定数という概念を盛り込んだことを生涯最大の誤りだったと述べておりますが、ハッブルが宇宙が膨張していることを証明したために、世界の人々がアインシュタインの業績を認めても自身は自分の論理を恥じなければならなくなったのです。調査には果てがないともいえます。計量の世界の人々は公共機関の人々の前ではものを言わない傾向が顕著です。自分たちは何とかなるだろう、公共機関は悪いようにはしないだろうと考えての結果ですが、この思考方法と行動様式はこのところ裏切られてばかりです。それは公共機関が行う調査が行き届かず不十分であることに起因します。計量法の改正の諮問の文書がでてもその内容を理解しようとしない弱小の関係事業者が多いからです。声がないものは承認という判断をすることになりますから、希望は遠慮なく述べるべきですが、遠慮以前に希望を言葉にしてあらわせないのが多くの人々です。法令の専門用語の壁、細かな技術面でのコミュニケーション(意思疎通)の壁は大きなものがあります。

 現在定められている計量行政の施行体制において地方公共団体は組織・財政・技術・知識などさまざまな面で十分でないような状態が発生しております。川上で抑える計量器の検定などはそれなりに必要事項を満足していると思われますが、川下ともいえる設置計量器の再検定ということでの検定満了計量器のそのままでの使用、はかりの定期検査の未受検などが無視できないほどにあるようです。必要なことを決めてあり、その決まりを守ることができる法令であることが望ましいのです。守ることができて、国民に信頼される計量法と計量器の供給・使用という姿が実現するのが当たり前です。

(以上)

 
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