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 計量行政審議会計量制度検討小委員会第3WG(平成17年度第2回)
 議事要旨



1.日時:平成17年9月28日(水)13:30〜15:50

2.場所:経済産業省別館11階1120会議室

3.出席者:今井座長、伊藤委員、梶原委員、河村委員、齋藤委
      員、芝田委員、杉山委員、瀬田委員、中野委員、畠 
      山委員、本多委員、松本委員、三浦委員

4.議題:1 計量制度検討小委員会第3WG第1回会合議事録
       について
     2 関係者ヒアリング(日本電気計器検定所、(財)
       化学物質評価研究機構、(社)日本試薬協会、
          (社)日本分析機器工業会)
     3 その他

5.議事要旨:事務局からの委員紹介の後、座長から、今回開催
      の趣旨及びWGの公開についての説明がなされた。

議題1 計量制度検討小委員会第3WG第1回会合議事録につい
    て
    第1回会合の議事録の内容について了承された。

議題2 関係者ヒアリング
○日本電気計器検定所標準部長 畠山 重明委員から、・現状におけるJEMICの校正業務の実施概要と社会適用性、・JEMICから見た今後の標準供給、国際整合性及び国内トレーサビリティ体制のあり方に関し、プレゼンテーションがなされた。
主な質疑等は以下のとおり。
・ 出来るだけ安い費用で証明書を望むユーザーはどのようなところか。
→社内規格等に適合すれば良いといった要請のあるユーザーであり、具体的な企業名は控えさせて頂く。
・ NMIJからの国家計量標準を委任することに関し、今後増えそうな業務だけではなく、現行のNMIJの機能や任務も一部民間に移管した方が良いとの提案か。
→現在のNMIJの機能を民間に移管するという考えではない。現在NMIJでは2010年に向け計量標準を増加させているが、場合によっては例えばJEMICや工業会等でも国家計量標準を維持できるところがあるのではないかとの考え。NMIJに集中させるのではなく、供給が可能なところに分散させるのも一つの方法ではないか。
→平成5年の計量法改正時は、国の機関だけでは対応できないことから、指定校正機関制度をつくり、標準の供給を分担した経緯がある。その後、世界の動きとしてCIPM―MRAといったメートル条約の下でのトレーサビリティ制度の普及が活発化する中で、国としてきちっと全体的な計量標準の普及について責任を持てといった風潮が国内的・国際的に高まってきているところ。世界的な考えでは、あくまでも国が責任を持つ機関(NMI)が一つあり、そこが技術的にもマネージメントについても信頼出来る機関と協力関係を結び、標準を供給していくといった考えが広まっているところ。
・ 日本のトレーサビリティ体系の中で、どの標準をどこに任せるかといった、全体をコーディネートする機関が必要ではないか。
→行政と産総研がコーディネート機能を持っていると思う。
→あくまでMETIに責任があるが、NMIJにどのように権限を持たせるかといった環境整備については、本WGに非常に関わりがあるところであり時間をかけて議論していただきたい。
・ 複数という意味は、プリンシパルに替わってそれを補完するという理解でよいか。
→そのとおり。
・ 複数の機関での標準供給の考え方は賛成だが、複数というのはどのように選ばれ、どのようなルールの下にどのような資格をもって国の頂点といえるのかといった点を是非クリアにして欲しい。

○指定校正機関である(財)化学物質評価研究機構東京事業所化学標準部長 松本 保輔委員から、・現状における指定校正機関の校正業務の実施概要と社会的要請、・指定校正機関から見た今後の標準供給、国際整合性及び国内トレーサビリティ体制のあり方に関しプレゼンテーションがなされた。
主な質疑等は以下のとおり。
・ 認定事業者が存在しない場合、CERIからユーザーに直接供給した方が不確かさが小さいことからユーザーにとって有益と思うがいかがか。
→標準物質の場合は大量に製造することが可能であることから、認定事業者が供給しないものをCERIが直接供給する予定。ただ、認定事業者ができた場合は、特別なことがない限り、直接供給しない方針。
・ 計量法の中での認定は、ISO17025を適用しているのみであるが、現実には、標準物質のような化学分野の場合は、ガイド34でないと例えばロッド生産した均一性や有効期限が保証し得ないことから、分野によって適用規格の範囲の柔軟性を確保して欲しい。また、認定する側から派生する要求事項も計量法の要求事項として読み込むことができるようにして欲しい。
・ 複数の機関で標準を維持する点について、現状曖昧になっていることは具体的に何か。
→国際的にも必ずしも明確になっていないところ。一体どの領域のどの部分を他の機関に任せて、国家標準とすることが適切なのかといった入り口での整理が必要である。また、具体的なニーズを考慮してコーディネート機関が責任を持って、この範囲においては、この機関が供給していくということを国際機関に伝えていくこと示すことが考えられる。

○業界関係として、(社)日本試薬協会規格委員会委員 三浦 正寛委員から、・試薬メーカーの計量法トレーサビリティ制度に係る現状の取組みと今後に期待することについて、プレゼンテーションがなされ、また、(社)日本分析機器工業会環境技術委員会委員長 齋藤 壽委員から、・分析機器メーカーから見た精度管理の重要性、・今後の標準供給、国際整合性及び国内トレーサビリティ体制に期待することについて、プレゼンテーションがなされた。
主な質疑等は以下のとおり。
・ 千を超える標準物質という話しがあったが、これを例えばNMIJの高度な方法できっちりSIトレーサブル対応にすると非常に時間がかかる。このため、メリットとしてはたくさんあると思うが、例えば民間標準について高精度な測定法で計ると値がずれるといったようなデメリットは考えられないか。
→例えば業界が独自に製品試験規格を設けて、こういう方法で、これを標準にして使いなさいというものがあり、それを試薬メーカーが独自に出して、これを使用せざるを得ない場合、当該標準はメーカーが保証した方法・値で販売されているものであり、ユーザー側はこれを信用して自分たちの製品試験に使わざるを得ない。これが何らかの絶対的な値として計られた時に値が変わった場合、製品として使っていた値が、実は違うのではないかといった話しが出てくる可能性があると思われる。
・ 海外の標準物質を使用する場合、注文してから入ってくるのに時間がかかるとのことだが、それ以外に不都合な点はあるのか。全て国内で標準物質を開発するのではなく、海外で良いものがあればそれを利用すれば良いと考えられる、例えば保存がきく物であれば予め大量に注文しておけば良いのではないか。
→御意見はごもっともではあるが、たくさん出るのがわかっていれば在庫で対応できるが、何が欲しいというのが実はわからず、各メーカーのリスクに応じて物を在庫するとなるとある程度の範囲でしか対応できない。このため、注文が有った時に必要な手続きを踏んでメーカーに発注し購入することになることを御理解いただきたい。
・ JCSSシステム以外で千を超える標準物質が販売されているとのことであり、ニーズがあるから販売されていると思うが、一方で採算性の問題からJCSS認定事業者の担い手がいないとの話しもある。これは、認定事業者になる際に特別に事業者に負担を強いることがあるということか。
→理由は大きく2つであり、JCSSと同じ物を販売していても、例えばメーカーがインハウスで販売しているものは3〜5千円で販売されているが、JCSSの国家計量標準は精度の維持ということで1万5千円〜2万円ということになる。ユーザーがそこまでの高い精度を要求するのか、また、生産本数、価格とのバランスもあり、そこまでの必要性をユーザーが要求していない場合がある。また、今は、分析機器が多成分を同時に分析できる方法にかなりシフトしており、JCSSは基本的に1成分1認証であることから、一つ一つの成分に関してはさほど需要はない。混合にしたときに初めてユーザーの需要が出てくる。この2つの理由から、JCSS認定事業者としての手がなかなか上げられないのではないかと考えられる。
→なお、知的基盤整備特別委員会の標準物質の供給のあり方に関するWGで、混合標準の供給も提言されているところ。

議題3 その他
 事務局から、第3WGの今後の開催スケジュール(次回10月6日等)について説明を行った。
                           以上

 
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