+ かぜ・インフルエンザの基礎知識 +

カゼ・インフルエンザを撃退!!    
風邪男:降人   ナース:民子

◆ かぜとは?インフルエンザとは?

かぜとインフルエンザの違い

普通のかぜの多くは、のどの痛み、鼻汁、くしゃみや咳などの症状が中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。

一方、インフルエンザは、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が突然現れ、これらの激しい症状は通常5日間ほど続きます。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。また、気管支炎や肺炎を併発しやすく、重症化すると脳炎や心不全を起こすこともあり、体力のない高齢者や乳幼児などは命にかかわることもあります。

かぜ・インフルエンザの流行時期

かぜは原因となるウイルスの種類によって活動時期が異なるため、流行時期が変わってきます。鼻かぜの原因となるライノウイルスは、主に季節の変わり目の春と秋に流行します。気管支炎などののどの奥の炎症につながるアデノウイルスは晩冬から初夏にかけて、いわゆる夏かぜの原因エンテロウイルスは夏に蔓延します。

インフルエンザは12〜3月に流行します。温度が低く乾燥した冬には、空気中に漂っているウイルスが長生きできるからです。また、乾燥した冷たい空気でのどや鼻の粘膜が弱っていること、年末年始の人の移動で ウイルスが全国的に広がるのもひとつの原因だと言われており、これらの原因が重なって流行しやすい時期となっています。

かぜ・インフルエンザの性質

風邪・インフルエンザは乾燥が好きです。特にインフルエンザウイルスが好きな環境が「 乾燥 」。さらに人間の側にとって都合が悪いことに、ウイルス侵入を防ぐ第一の門「のど」が乾燥すると、異物(ウイルス)を排除するはたらきが弱まってしまうのです。

逆に言えば、ウイルスは水気を嫌います。湿度が50%になると、ウイルスは約3%の生存率しかありません。

◆予防と対策

かぜ・インフルエンザを予防するには

かぜもインフルエンザも基本的に予防方法は同じです。

(1)  外出後の手洗い、うがい
 うがいや手洗いは咽頭粘膜や手指など身体に付着したウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、感染予防の基本です。外出先から帰宅した際は、こまめにうがい・手洗いを行いましょう。

(2) 適度な温度・湿度の保持
 適度な室温は18〜20℃。身体を冷やすと免疫力が低下して、風邪を引きやすくなります。また、夜明けの急激な気温の低下がせきを誘発するので、室温を保つ工夫が必要になります。

さらに、空気が乾燥すると、のどの粘膜の防御機能が低下し、かぜやインフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では加湿器などを使って、十分な湿度(50〜60%)を保ちましょう。

適度な室温・湿度を保つには、温度計や湿度計でのこまめなチェックが重要。風邪予防に役立つ温湿度計などの商品はこちらのサイト(計量器いいもの通販)をご覧下さい。

(3) 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
 からだの抵抗力を高めるために十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。

(4) 人混みや繁華街への外出を控え、やむを得ず外出する際のマスク着用
 かぜやインフルエンザが流行してきたら、特に高齢者や慢性疾患を持っている人、疲労気味、睡眠不足の人は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出をして人混みに入る可能性がある場合には、ある程度の飛沫等は捕捉されるため、不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。ただし、人混みに入る時間は極力短時間にしましょう。
※不織布製マスク:不織布とは織っていない布という意味で繊維あるいは糸等を織ったりせず、熱や化学的な作用によって接着させたことで布にしたもので様々な用途で用いられています。市販されている家庭用マスクの約97%が不織布製マスクです。

(5) 流行前のワクチン接種
 インフルエンザに関しては、ワクチン接種もあげられます。インフルエンザワクチンは、罹患した場合の重症化防止に有効と報告されています。わが国のインフルエンザの流行は 12月下旬から3月上旬が中心になるため、12月中旬までに済ませた方がよいとされています。

かぜ・インフルエンザにかかってしまったら

それでもかかってしまったら、

(1) 十分な睡眠をとる
 身体を温めて部屋を暖かくし、かつ若干の湿気を持たせてたっぷりゆっくりと寝ましょう。身体を温めると気道の粘液の分泌が多くなり、異物を排除する機構が活発にはたらきます。そのためウィルスなどの病原体が粘膜と接触している時間が短くなり、細胞が破壊から逃れる率が多くなるのです。

その際、部屋の環境は、冬なら室温は20〜25度、加湿器などを使って湿度も60%〜80%に保つよう心がけましょう。室内環境チェックに役立つ温湿度計などの商品はこちらのサイト(計量器いいもの通販)をご覧下さい。

(2) 栄養を取る
 身体を温めるたべものを食べ、細胞の抵抗力を高めるビタミンA・Cを多く含むものを積極的に取るようにしましょう。ビタミンCにはウィルスの感染を防ごうとする身体のはたらきを強める作用があります。 また、ウィルスが破壊した細胞や組織を回復したり、薬の副作用の防止にも役に立つのです。

また、タンパク質が少ないと抵抗力が弱り、副鼻腔の炎症も起きやすいので、タンパク質をとるようにしてください。

▽ビタミンAを多く含む食品:鶏レバー、豚レバー、うなぎ、モロヘイヤ、春菊、にんじん、カボチャ、小松菜

▽ビタミンCを多く含む食品:〈果物〉イチゴ・レモン・柿・かんきつ類〈野菜〉ブロッコリー・とうがらし・ピーマン・大根・ホウレンソウ・カリフラワー・サヤエンドウ・キャベツ・サツマイモ

▽タンパク質を多く含む食品:〈動物性タンパク質〉肉類、魚介類、卵、乳製品〈植物性タンパク質〉穀類、豆類

(3) 水分補給
 水分を十分に補給しましょう。お茶・熱い紅茶・おかゆ・スープ・牛乳などがおすすめです。 発汗を促し、失われた水分を補給し、痰を切る効果があります。

(4) 外出を控える
 人混みや繁華街への外出を控え、無理をして学校や職場などに行かないようにしましょう。

かぜ・インフルエンザを計って撃退!

予防でもかかったあとの対策でも重要なのは、部屋にウイルスを蔓延させないこと。つまり室内の乾燥は厳禁です。適度な湿度を保つために、湿度計でのこまめなチェックが重要になってきます。

また、身体を冷やすと免疫力も下がること、気温が低下するとせきを誘発してのどの粘膜がやられることから、室温を適温に保つために、温度計でのチェックも同時に行っていきましょう。

温度計、湿度計、または両方を兼ね備える温湿度計は、この時期のかぜ・インフルエンザ対策には必需品。温度・湿度を「計って」健康な生活を維持しましょう。

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〈参考サイト〉
厚生労働省「インフルエンザQ&A」
healthクリック「風邪・インフルエンザライブラリ」
メディカル一光・フラワー通信「家庭でできるかぜ予防と治療」
中外製薬「インフルエンザ情報サービス」

since 7/7/2002