2000年9月24日(2370号)

■計量行政審議会、9月12日開かれる−極微量物質の計量証明等に対応する法体系の整備へ検討を開始

−ダイオキシンなど一兆分の一の濃度測定の法体系整備
極微量物質の計量証明と計量器の検定や測定方法のあり方を検討−

 通産大臣の諮問機関である計量行政審議会(三好俊吉会長)が九月十二日午後、東京都千代田区霞が関の通産省本館十七階特別会議室で開かれ、「極微量物質の計量等の新たな社会ニーズに対する適正な計量の実施の確保を図るため必要となる新たなあり方について」の諮問議題の審議を始めた。現在の計量法の環境測定関連法令が百万分の一から十億分の一程度の測定濃度に対応する構造になっているのに対して、ダイオキシン等は一兆分の一程度の測定濃度が求められていることから、こうした極微量物質の計量証明に関して計量器の検定や測定方法のあり方等について、法体系の整備をはかるべく通産大臣の諮問により審議を始めたものである。

一兆分の一濃度測定

 通産省は環境計測の社会的な需要が、計量法の環境測定関係法令が対応している水準よりもさらに極微量の水準( 一兆分の一程度)にまで広がっていることから、これに対応する計量法の整備が喫緊の課題であるとして 、「極微量物質の計量等の新たな社会ニーズに対する適正な計量の実施の確保を図るため必要となる新たなあり方について」、通産大臣の名で計量行政審議会に諮問をしたもの。

環境測定と計量法体系

 計量法は昭和四十七年に濃度および振動等の公害および環境分野の測定に関して、その適正な計量の実施を確保するため計量法の計量証明関係の網をかぶせ、関連して環境計量士制度を新設した。この法改正は米原潜が排出する放射能の影響測定でデータ改ざん事件が発生したのが契機の一つのになっていた。

 環境測定に関する測定需要は、一九六〇年代は水銀、カドミウムなど急性毒性物質が主なもので、百万分の一程度の濃度(一グラム中に百万分の一グラムを含む濃度)であった。いま求められているのはダイオキシン類、有機スズ化合物などの一兆分の一程度の測定濃度であり、こうした極微量物質の適正な測定には、外からの汚染等、試料等の取扱い、調整、分析機器の調整能力等に十分な注意がいり、機器の性能の維持・管理、人の技術能力の確認とあわせてサンプリングから分析までの全行程を通じて、厳密に品質管理を確保することが求められる。この方面の測定需要はサンプリングだけを行う事業者、分析だけを行う事業者の出現があり、旧来までの試料の採取から分析までの行程を一つの業者が扱うといった状況に変化が出ている。環境測定の行程の概略は

@サンプリング
A抽出(試料からの目的物質の取り出し)
B精製(不純物の除去)
C分析
Dデータ解析

である。

 半導体製品の加工工程に関して、シリコン結晶表面に含まれる不純物質濃度の測定等は、分析機器の大型化、操作技術の高度化などから、工場内で生産者自らが測定することが困難になり、社外等外部の分析事業者に測定を依頼する事例が多くなる傾向にあることから、この分野における計量証明のあり方が問われるようになってきている。

第一回本会議の審議

 計量行政審議会の「極微量物質の計量等の新たな社会ニーズに対する適正な計量の実施の確保を図るため必要となる新たなあり方について」諮問第一回会議では、諮問内容に関連して、事務局から@計量制度の変遷および現状、A新たな社会ニーズの出現等計量制度を取り巻く状況の変化、に関して配付された資料をもとにして説明が行われた。


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