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 2003年1月1日(2473号)


■ 中央度量衡器検定所発足以来100年=「計量標準100年」の記念行事を企画=初めて日本で国際法定計量委員会開催アジア太平洋法定計量フォーラム総会も同時開催

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      記念シンポジウムや式典を開催

  今年は、1903年(明治36年)に中央度量衡器検定所が設立され、日本で近代的な計量標準の組織的普及が始まってから、ちょうど100年目にあたる。産業技術総合研究所は「計量標準100周年」と位置づけて、これを記念した行事を企画している。年間を通して数回のシンポジウムを開催するほか、中心的行事として5月20日(火)に記念シンポジウム・記念式典・祝賀会を経団連会館で開催する。また、これまでの計量標準の歩みや重要な事柄、大きな変革期を迎えている計量標準の現在の状況、若手研究者による研究の将来展望などをとりまとめた記念誌を発行することにしている。(関連記事7面)

 2003年1月1日(2473号)

■   CILM日本開催に期待  

 本年11月、各国に関わる計量に関する強制的な規制の調整・統合や国際的な技術基準などを調整する国際法定計量機関(OIML)の執行機関である国際法定計量委員会(CIML)が京都で開催される。

 CIMLが日本で開催されるのは、1961年に日本がOIMLに加盟して以来初めてである。今回は国際地域機関であるアジア太平洋法定計量フォーラム(APLMF)の総会もあわせて開催される予定である。

 OIMLは国際的な技術基準等を定める国際勧告を出している。経済や世界貿易の発展のなかで、制度や技術に関する障壁をなくすために、各国の法的規制の合理化、整合化が強く求められており、技術革新へのすばやい対応も求められている。政府は同勧告に基づく、計量法の技術基準や制度の国際整合化を推し進めている。

 欧州の「計量器に関する欧州理事会指令(MID)」の採択に向けた動きもにらみつつ、日本はこれまで以上にOIML国際勧告の作成過程において日本の考え方を反映させることが重要になってきている。型式承認試験結果の相互受け入れの取り組みなどが、京都会議でも検討されると見られており、日本の主導的役割が期待されている。

 2003年1月1日(2473号)

■ 「計量標準100周年」関係イベント

▽計量標準100周年第1回記念シンポジウム=2003年3月5日(水)、産総研つくばセンター共用講堂大講堂

▽計量標準100周年第2回記念シンポジウム=2003年5月20日(火)10時〜16時、経団連会館14階経団連ホール

▽計量標準100周年記念式典=2003年5月20日(火)16時〜17時、経団連会館14階経団連ホール

▽計量標準100周年記念祝賀会=2003年5月20日(火)17時15分〜19時、経団連会館12階ダイヤモンドホール

▽NMIJ一般公開=2003年5月21日(水)、産総研つくばセンター

 2003年1月1日(2473号)

■ 計量標準関係業務は「計量標準総合センター(NMIJ)」が担う

 中央度量衡器検定所の設立から今年で1世紀を経たことになる。2001年(平成13年)4月1日から日本の国家計量機関は、旧工業技術院研究所が再編された独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)になった。これまでの計量研究所、電子技術総合研究所、物質工学工業技術研究所の標準関係業務は産総研の「計量標準総合センター(NMIJ)」に統合されている。NMIJは物理標準と化学標準のすべての分野と法定計量をカバーする国家計量機関として位置づけられている。計量標準総合センター(NMIJ)を中核として物理、電気、化学の計量標準業務を一体的・総合的に実施する体制になった。産業界や国際的な要請に応えて計量標準関係業務を担う、計量標準総合センターへの期待は大きい。

 2003年1月1日(2473号)

■ 計量標準100周年の沿革

1885年(明治18年):メートル条約加盟。
1889年(明治22年):キログラム原器(6)受領
1903年(明治36年):中央度量衡器検定所開設。
1913年(大正02年):中央度量衡検定所と改称。
1952年(昭和27年):中央計量検定所と改称。
1961年(昭和36年):計量研究所と改称。
2001年(平成13年):独立行政法人産業技術総合。研究所と改称。現在に至る。
2003年(平成15年):計量標準100周年

 2003年1月1日(2473号)

■ 地域計量機関の役割重要に

 法定計量がカバーする領域は広がっている。従来領域では規制緩和等で減っているが、一方、食品の安全や生命・身体の安全に関わる領域など新たな課題が出てきている。そのなかで、APLMFのような地域計量機関は、OILMと相互に役割を補完するものとして、また、より地域の独自性を考慮した細やかな活動ができる機関として、たとえば2001年、2002年に実施された「米の水分計測の信頼性確保」のためのプロジェクトなど、発展途上国などから大きな期待が表明されている。(次号掲載予定の大岩彰議長あいさつ参照)

 アジア太平洋法定計量フォーラム(APLMF)は、アジア太平洋地域内の各経済圏の利益のために地域内及び他の地域間の法定計量の調和を実現することを目的として活動している。昨年からAPLMFの議長(大岩彰議長)および事務局を日本が担当している。

 今年はAPLMF総会が京都で開催される。これに関連してAPLMFシンポジウムとCIML会議が、相前後して同じ会場(京都国際会議場)で開催される。シンポジウムは「法定計量におけるトレーサビリティ」がテーマ。APLMFのURLは、http://www.aplmf.org/。

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