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 2003年7月20日(2499号)


■【東京都発注水道メーター談合で公取委が排除勧告】19社が大手と中小の2グループに分けて受注操作と認定

   公正取引委員会は7月15日、東京都発注の水道メーターの入札をめぐる談合事件で、愛知時計電機などメーター納入業者19社に対し、独占禁止法(不当な取引の禁止)に違反したとして、排除勧告した。勧告諾否の期限は7月30日。応諾しないときは審判手続きが開始される。同事件では、7月2日に公取委が大手メーカー4社と談合に係わった疑いの幹部社員5人を検事総長へ告発し、東京地検特捜部が強制捜査を開始している。

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   公取委の19社に対する排除勧告の内容は、次の4点。@水道メーター(乾式直読型の口径13o、20o、25o)の受注価格の引上げを図るため、共同して受注予定者を決定し、決められた予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認する。A違反防止のために採った措置及び、今後同様の違反行為をおこなわないことを東京都に通知するとともに、自社の従業員に周知徹底させる(この通知と周知徹底の方法はあらかじめ公取委の承認を受ける)。B今後、同様の違反行為を行わない。C以上の措置内容を速やかに公取委に報告する。

 勧告を応諾すれば、公取委は審判手続を経ないで勧告内容で審決をするが、応諾しない場合は審判手続を開始する。期限は7月30日。

 1996年7月11日に公取委が東京都発注の水道メーターの指名競争入札参加25社(当時)の審査を開始して以降、水道メーターの受注価格が低落していた。19社は遅くとも01年7月19日までに、東京都が一般競争入札の方法で発注する3口径メーターの受注価格を引上げるため談合することを合意し、受注物件を愛知時計電機、東洋計器、リコーエレメックス、金門製作所の大手4社と、4社以外の中小業者が受注するものとの2つのグループに分けて、受注予定者と受注価格を決めていた。

 公取委は、@大手4社が受注する物件は、愛知時計電機が従来の受注実績等を考慮して物件ごとに受注予定者を決定し、A中小業者が受注する物件は、愛知時計電機から中小業者の受注予定者の決定を任された高畑精工が、受注実績等を考慮して物件ごとに受注予定者を決定する方法で、東京都が一般競争入札方式で発注する3口径メーターの大部分を受注していた、と認定している。19社は、02年7月17日以降は談合をやめている。

【排除勧告を受けた19社(社名、代表者)】▽愛知時計電機(株)(池田一)▽東洋計器(株)(土田泰秀)▽リコーエレメックス(株)(中村高)▽(株)金門製作所(小野田晃夫)▽高畑精工(株)(山本康雄)▽(株)ニッコク(御法川法男)▽(株)吾妻計器製作所(生田明)▽大阪機工(株)(土井隆雄)▽東京水力器機(株)(内田邦夫)▽日本計器工業(株)(浜中光四郎)▽日東メーター(株)(樋口知明)▽(株)阪神計器製作所(松田健仁)▽明治時計(株)(湯沢信雄)▽武田時計(株)(武田次郎)▽(株)水戸量水器工作所(江崎克文)▽(株)愛北製作所(荒深修)▽柏原計器工業(株)(三浦秀司)▽大平メーター(株)(秋澤秀光)▽(株)西部水道機器製作所(和泉正史)

 水道メーターは、上水道等の配水管又は給水管の中を流れる水量を適正に計量する必要があることから、計量法令で検定の有効期間が8年と定められている。8年を経過したメーターは、新品の水道メーターのほか、外ケースを研磨・塗装し、内部の計測器部分を交換した、いわゆる「修理品」と交換される。

 東京都は、談合防止のため、97年に入札方式を指名競争入札方式から、一定の条件を付した、いわゆる制限付一般競争入札方式に改めている。

  2003年7月20日(2499号)

 ■東京都が指名停止措置 公取委の排除勧告受け

 公正取引委員会が、東京都発注の水道メーターの談合事件で、7月15日に19社に排除勧告をしたのを受け、東京都水道局は同日、15社を東京都競争入札参加有資格者指名停止にした。指名停止期間は7月15日から。終期は未定で別途決める。

 今回指名停止になったのは、次の15社。
▽高畑精工(株)▽(株)ニッコク▽(株)吾妻計器製作所▽大阪機工(株)▽東京水力器機(株)▽日本計器工業(株)▽日東メーター(株)▽(株)阪神計器製作所▽明治時計(株)▽武田時計(株)▽(株)水戸量水器工作所▽(株)愛北製作所▽柏原計器工業(株)▽大平メーター(株)▽(株)西部水道機器製作所

 愛知時計電機(株)、東洋計器(株)、リコーエレメックス(株)、(株)金門製作所の4社は、公取委の刑事告発がおこなわれた7月2日に、指名停止になっている。

 財務局、交通局、下水道局も、指名停止措置をした。

 東京都の入札に参加するには「競争入札参加資格審査」を受けて、「競争入札参加有資格者」になる必要がある。

  2003年7月20日(2499号)
  ■谷口 朝男氏

 当社大阪支局長で(株)経営サービスセンター取締役会長の谷口朝夫氏が、7月10日、病気のため死去した。享年78。

 通夜は7月10日、密葬は11日に大阪市福島区の海老江東コミュニティーセンターで執り行われた。喪主は、長男の谷口肇氏。

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