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 2003年9月21日(2507号)


■【2003年度第1回計量行政審議会計標準部会】高周波雑音を供給へ 湿度の校正範囲拡大

 計量法トレーサビリティ制度の高周波雑音の標準供給が開始されることになった。湿度の標準供給の範囲も拡大する。9月17日に開かれた、2003年度第1回計量行政審議会計量標準部会で決まったもの。また、現状に合わなくなった一部の計量標準は、廃止する。事務局は、知的基盤整備目標の03年度見直しを報告した。

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 高周波雑音校正等の実施

【特定標準器】高周波雑音測定装置であって、(独)産業技術総合研究所が保管するもの

【校正を行う者】(独)産業技術総合研究所

【特定二次標準器】高周波雑音発生装置であって、2〜5%の拡張不確かさ(k=2)が実現可能なもの。

▽形状=線路:同軸、コネクタ:PC−7

▽駆動電源=被校正器物に付属すること

▽校正範囲=周波数:2GHz以上18GHz以下、雑音温度: 150K以上12000K以下

【校正等の期間】1年

【概要】雑音の測定量は、単位帯域内における雑音電力が用いられる(スペクトル電力密度)。高周波雑音のスペクトル電力密度は−1910〜−2210W/Hz程度であるが、現在の技術では絶対値を直接測定することが困難である。

 高周波雑音の測定では、既知の雑音電力を有する標準雑音源と被測定雑音源(DUT)との比較測定により、DUTのスペクトル電力密度を測定する。

 高周波雑音とは、衛星通信や移動体通信に使用されているマイクロ波受信システムにおいて人為的に取り除くことの出来ない電子の熱運動等による内部雑音。例えば、衛星回線のTV中継の画面が突然乱れたり、音声が途切れてしまう状況である。

 通信システムの高周波化や高度化が進む現在、受信システムの雑音特性の高確度測定に対する要望が強く、雑音源の校正サービスに対する需要も大きい。産総研の研究開発の結果、高精度な高周波雑音標準の供給が可能となった。

湿度校正範囲の拡大

【特定標準器】標準湿度発生装置群であって、(独)産業技術総合研究所が保管するもの

【校正を行う者】(独)産業技術総合研究所

【特定二次標準器】既存の標準湿度発生装置(露点:マイナス10℃以上23℃以下)に低湿用の標準湿度発生装置(露点:マイナス70℃以上マイナス10℃以下)を追加。

【校正等の期間】1年

【概要】標準湿度発生装置(低湿用)は、熱交換器と飽和槽を恒温槽内に設置した構造になっている。標準ガスを被校正露点計に導入し、被校正器の指示値と飽和槽出口の温度を比較して校正を行う。

 これまで、露点マイナス10℃から23℃の範囲の湿度標準を供給してきた。しかし、製造工程や製品試験などで、より広い湿度範囲での測定・試験の必要性が高まり、それを保証するために露点計の校正範囲拡大が要望されていた。産総研では、マイナス70℃までの露点範囲で不確かさのでの校正技術を開発した。

(計量標準供給一部廃止等は次号以下)

  2003年9月21日(2507号)

<力試験機のトレーサビリティ説明会>東京と大阪で開催 8月30日(日)(財)日本品質保証機構関西試験センター  9月9日(火)日本計量会館

力試験機トレーサビリティ連絡会議(布村成具主査)は、JCSS校正事業者の認定取得をめざしている機関やすでに認証を取得している機関を対象に、これらの機関に必要なJISQ17025、不確かさ、JISB7721に関する知識の説明会を開催した。

 説明会は、関西地区と関東地区に分けて実施した。関西地区説明会は、8月30日に大阪府東大阪市の<CODE NUM=01F7>日本品質保証機構関西試験センターで実施し、43名が参加した。関東地区説明会は、9月9日に東京都新宿区の日本計量会館で開催し、50名が出席した。両説明会とも(財)日本品質保証機構計量計測センターの東城琢郎氏が講演した。

 東城氏はOHPを使って、JCSS校正事業者に必須の知識である、校正機関及び試験所の能力に関する一般要求事項であるJISQ17025、不確かさやJISB7721(引張試験機−力の検証方法−)をわかりやすく説明した。

 

  2003年9月21日(2507号)

 

 

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