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2007年7月8日 (2682号)

矢崎計器社製ガスメーターの一部に不具合
点検対象は東京ガス9675台、山口合同ガス5台

遮断弁が正常に作動しない可能性
該当機種を点検、不具合あれば交換

矢崎計器(株)製「通信機能付きUH型ガスメーター」(2005年7月〜07年5月製造)の一部の機種について、メーターに内蔵している遮断弁の誤配線により、異常時(地震発生時〈震度5程度以上〉、過大流量時、ガスの圧力の異常低下時)に遮断弁が正常に作動しない可能性のあることがわかった。該当機種は、同社が出荷した14165台のうち9680台。ほとんどが東京ガス(株)で使用。東京ガスは使用中の該当機種を順次点検し、不具合が見つかれば交換することにしている。経済産業省も6月28日付で、ガス会社に点検・修理と報告、矢崎計器に点検・修理と再発防止策の実施状況の報告を指示した。


事故の発生はなし

点検対象機種は全て把握されておりすでに設置されている9680台。このうち東京ガスが9675台で、東京都を中心に神奈川県、千葉県、埼玉県の一部に設置されている。内訳はUH型4号メーターが6326台、UH型6号メーターが3349台である。山口合同ガス5台。山口合同ガスの5台は同社社員宅にモニター用として設置したもの。矢崎計器はこのほか東邦ガス、大阪ガスにも該当機種を出荷しているが、これらは検査工程や使用目的などが異なるため一般家庭での不具合の恐れはない。

また該当機種による事故は発生していない。

交換品の点検で不具合見つかる

07年5月12日、東京都国分寺市のUH型メーターを設置している顧客宅で、東京ガスがガス機器の増設に伴う同メーターの交換作業を実施した際、同社の検査で遮断弁の不具合がわかった。

6月11日、メーカーから調査の結果、製造工程における遮断弁の誤配線が原因である旨の報告があり、東京ガスはUH型メーターの取付けを一時中止した。 

同社は6月15日までに、在庫品やメーカーへ戻す品(合計1、563台)の調査を実施し、不具合品のないことを確認するとともに、メーカーの調査で当該品を特定した。他メーカーの製造したUH型メーターにおいては不具合が発生しないことも確認した。

原因は誤配線

該当機種は矢崎計器天竜工場で製造されたもの。製造工程のうち、作業員が手作業で遮断弁の配線をハンダ付けする作業で、誤配線が生じたため、遮断弁が正常に作動しないケースが発生した。

該当機種を点検

東京ガスは、該当品を使用している顧客を順次訪問し、遮断弁の作動テストを実施することにしている。不具合が確認された場合には、メーターを交換する。

対象機種の設置先はすべてわかっているので、点検対象の全ての顧客にダイレクトメールを発送するとともに、電話で連絡している。また、ホームページ(http://www.tokyo-gas.co.jp/)にも告知を掲載している。

(次号へつづく)

2007年7月8日 (2682号)

第15回品質工学研究発表大会開催
モノ・コトの見極めに革命を!−リコールゼロに挑戦する品質工学−

品質工学会は7月3日(火)・4日(水)、東京都品川区のきゅりあん(品川区立総合区民会館)で「第15回品質工学研究発表大会」を開催した。今年は「モノ・コトの見極めに革命を!リコールゼロに挑戦する品質工学」を大会テーマに掲げた。今年の発表件数は151件とこれまでで最高となった。

矢野宏副会長が特別講演

設立15周年を迎えた品質工学会の提案は「モノ・コトの見極めに革命を!−リコールゼロに挑戦する品質工学−」。大会実行委員会は「経営者やマネージャーには時代に即した新しい研究テーマ採択による『革命』を、技術者には現状にとらわれない自由な発想でのシステム創造と機能性評価に挑戦する『革命』を期待」している。

研究発表大会では、分野別の研究発表のほか、「MTシステムでの挑戦」と「学校での挑戦」の総合討論、矢野宏副会長の特別講演「戦略的技術者の行動プログラム−品質工学」などが企画された。1日目の午後に品質工学論文賞・ASI賞の授賞式、両賞の受賞者による講演会が実施された。精密測定技術振興財団品質工学賞発表賞、品質工学研究発表大会実行委員長賞の発表・表彰があった。

発表では、不動産価格の予想への品質工学の活用など、品質工学を新しい分野へ適用したものが出されて注目された。

次回(第16回)は、2008年6月25日(水)、26日(木)、東京都品川区の「きゅりあん」で開催される。(詳細は次号以下)


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