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日本計量新報 2008年10月12日 (2744号)

ノーベル賞、日本の4氏が受賞
物理学賞は南部陽一郎氏、小林誠・益川敏英氏

化学賞は下村脩氏に

今年のノーベル物理学賞は、素粒子物理学の理論づくりに貢献した米シカゴ大名誉教授で大阪市立大名誉教授の南部陽一郎氏(87)と、新たな基本粒子の存在を共同で提唱した高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)名誉教授の小林誠氏(64)と京都大名誉教授で京都産業大理学部教授の益川敏英氏(68)の日本人3人に決まった。日本人が一つの賞で同時受賞するのは初めて。3氏はあらゆる物質を形づくる基本粒子の研究で先駆的な理論を提唱し、現代の素粒子物理学の基礎を築いた。化学賞は、緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見者である米ボストン大学医学校名誉教授の下村脩氏(80)ら3人に決まった。


科学とその理論から計測機器が生みだされる

科学と技術は密接に相互関連している。ニュートンは望遠鏡の発明に依拠して天体力学からニュートン力学を完成させた。科学が技術を誘導した事例として、ファラデーの電磁誘導の理論に基づく発電機の発明、マックスウェルとヘルツの研究成果が生んだ無線電信などがある。

20世紀以降は科学とその理論が新しい技術を生みだす根源になっている。

電子の研究は三極真空管の発明につながり、それがトランジスタとなり、トランジスタが小さくなって同時に能力を飛躍させたことで電子計算機(コンピューター)になり、そのコンピューターの能力は2年ほどで倍になっている。

原子物理学の発達は原子力の平和利用としての原子力発電を生みだしたが、それと相前後して核爆弾という兵器として利用された。放射線の研究は医療その他に用いられている。

レーザーの研究は計測の世界では精密な測長器として実を結んで、測量の世界を一変させた。

科学の進歩は技術の進歩をもたらし、技術の進歩がまた科学の進歩を促進する。計測技術は科学とその理論を発達させる礎(いしずえ)である一方で、さまざまな分野の科学とその理論は新しい計測の概念や理論や計測機器を生みだす基となっている。科学とその理論から計測機器が生みだされる。

2008年ノーベル物理学賞の南部陽一郎氏の素粒子理論は50年ほど前につくられ、小林誠・増川敏英の両氏の理論は30年ほど前につくられている。物理学の研究の様式は湯川秀樹氏、朝永振一郎氏のころからチームワークによる方式に移りかけていて、化学賞も同じだが、一人の天才の研究では到達できない領域に足を踏み入れている。

チームの研究の有機的な結合と相互の討論は各自の創造力を触発する。そのようになっているから二人による一つの業績であっても業績の大きさを失わせるものではない。

4氏の受賞理由

南部氏への授賞理由は「素粒子物理学と核物理学における自発的対称性の破れの発見」。小林、益川両氏の共同研究は「クォークが自然界に少なくとも3世代(6種類)以上あることを予言する対称性の破れの起源の発見」。素粒子の理論で先駆的な役割を果たし、宇宙誕生の謎や物質の根源に迫る成果をあげた業績が評価された。下村氏への授賞理由は「緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見と開発」。

日本計量新報 2008年10月12日 (2744号)

JEMIMA委員会セミナー
「広がる校正サービス 2008」
11月27日、計測展2008 OSAKAで

(社)日本電気計測器工業会(JEMIMA)の校正事業推進委員会は、11月27日、「計測展2008 OSAKA」の一環である「JEMIMA委員会セミナー」で、「広がる校正サービス 2008〜品質管理や認証に関わるJCSS〜」をメインテーマとしたセミナーを開催する。

「JEMIMA委員会セミナー」は、JEMIMA委員会活動を通して展開されるテーマの中から、注目度の高い情報を提供するセミナーシリーズ。今年は、校正事業推進委員会のほか、PA・FA計測制御委員会、環境グリーン委員会が講演する。

【日時】2008年11月27日(木)13時30分〜16時30分

【場所】グランキューブ大阪(中之島)12階1202会議室

【内容】

(1)「医薬バリテーション・システムにおけるJCSS校正の活用」=山里産業(株)トレーサビリティ応用機器グループ課長上山和英

(2)「防爆認証における計測器管理について」=JEMIMA防爆計測委員会委員長((株)山武)内田龍行

(3)「温度指示計器のJCSS校正について」=(株)チノー標準技術部部長神山雄三

(4)「電気標準における特定標準器の整備状況」=(独)産業技術総合研究所計測標準研究部門電磁気計測科科長中村安宏

(5)「広がれ!校正サービス〜JCSS創設15周年を迎えて〜」(独)製品評価技術基盤機構認定センター村田浩美

【受講料】無料(事前申し込み制)

【申し込み方法】計測展2008 OSAKA セミナー関連プログラムのページから申し込み。
http://www.jemima.or.jp/event/keisoku2008/event/tech.html


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