日本計量新報 2009年1月11日 (2756号) |
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計量団体・業界・機関合同新年会開く
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左から計量団体・業界・機関合同新年会全景、飯塚幸三会長
「計量団体・業界・機関合同賀詞交歓会」は10時30分開会。飯塚幸三(社)日本計量振興協会会長が主催の7団体1社を代表してあいさつした。来賓を代表して鈴木正徳経済産業省産業技術環境局長と田中充(独)産業技術総合研究所研究コーディネータが祝辞を述べた。御園生誠(独)製品評価技術基盤機構理事長が、乾杯の発声をし、参会者は新年のあいさつを交わした。中締めは、宮下茂(社)日本計量機器工業連合会会長。
世話人は、(社)日本計量振興協会、(社)日本計量機器工業連合会、全国計量器販売事業者連合会、日本計量証明事業協会連合会、(社)境測定分析協会、(社)日本分析機器工業会、(社)東京都計量協会、(株)日本計量新報社。
飯塚日計振会長は、今年はたいへんな年であるが、計量分野は明るい話題で始めたいとして、次のような事柄を紹介した。
昨年は日本人の同時ノーベル賞の受賞で沸いたが、60年前には湯川秀樹氏が日本人で初めてノーベル賞を受賞している。今年は世界天文年であり、宇宙誕生直後にみられた未知の素粒子の発見をめざしている欧州合同原子核研究所(CERN、スイス)が昨秋完成させた世界最大の素粒子実験施設「大型ハドロン衝突型加速器(LHC)」による実験が今年本格化する。物質の構造を調べるために、茨城県東海村に日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構が共同で建設している世界最高レベルの大強度陽子加速器施設(J−PARC)で、中心施設の1つが、本格的に稼働するなど、物理学の地平線が大きく広がっている。
計量分野でも、光格子時計による周波数計測で、10のマイナス15乗の精度を実現している。18乗まで実現できれば重力波を検出できる可能性がある。計量技術の極限と物理学の根源が再び結びついてくる。この進歩に胸がふくらむ思いだ。
120年前になる1889年の、第1回国際度量衡総会で、国際メートル原器と国際キログラム原器が決められた。メートル原器はその役割を終えたが、キログラム原器は現役である。次の総会で質量の定義がどうなるか、これからの技術に期待したい。
1959年に日本でメートル法が実施されてから50年の節目になる。
1999年に計量標準の国際相互承認が始まって今年で10年になる。JCSS制度もますます発展をしてもらいたいと思っている。
最近、統合技術ということがいわれているが、いろいろな技術を統合して新しい技術をつくるというなかで計量計測の技術が大きな役割を果たしていかなければならない。
(次号以下につづく)
左から、日本電気計測器工業会年賀交歓会の乾杯、内田勲会長
(社)日本電気計測器工業会(内田勲会長)の平成21年年賀交歓会は、1月7日の午後、東京都丸の内のクラブ関東で、140名が出席して盛大に開かれた。
年頭の挨拶に立った内田会長は、「物づくりをやめたのち長く景気を支えていたアメリカは実は膨らむ財政赤字や実体のない経済によって破綻した。これを機に目を覚ましたアメリカ製造業は、ハイテクでもって本気になってこれから攻勢をかけてくる。我々は気を引き締めて、アメリカの先を行く技術開発をおこない、迎え撃たなければならない。一方でアメリカが本気になって物づくりにもどらないと今の景気はよくならない。そういう意味で今年は大変重要な年となる。いま我々は何をすべきか考えた場合、まず30年先を見越して、そして今すべき事は何かを考えたほうがいい。たとえば省エネ化技術や通信技術など、またそれらに派生する技術等が今後ますます重要になってくる」と今後の電気計測器業界の動向について語った。
昨年竣工した新計測会館を会員相互の情報交換などの場に活用して欲しいことや、今年開催する「計測展2009」への積極的な参加・協力を呼びかけた。
来賓を代表して、経済産業省商務情報政策局情報通信機器課長の住田孝之氏が祝辞を述べ、矢嶋英敏副会長の音頭で乾杯した。