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日本計量新報 2009年6月7日 (2776号)

計量関係団体が総会開く
計工連は5月20日、日計振は5月25日

今までの経営環境を見直す機会(宮下計工連会長)

全国で、計量関連団体の総会が開かれている。(社)日本計量機器工業連合会(計工連)の総会が5月20日、(社)日本計量振興協会(日計振)の総会が5月25日に開かれた。(日計振総会は次号)

 

 計工連の総会のようす


(社)日本計量機器工業連合会総会

(社)日本計量機器工業連合会は第37回通常総会と第51回計量機器事業振興功労者顕彰を、5月20日、東京都千代田区の東京會舘で開催した。同会の2008年度末現在の会員数は、正会員、賛助会員合わせて135社団体。

総会は、2008(平成20)年度事業報告書、同決算報告書を承認した。2009(平成21)年度事業計画書(案)、同収支予算書(案)を一括審議し、原案どおり承認した。

一般社団法人(非営利型)へ移行

新公益法人制度への対応について審議し、計工連は会の事業展開を円滑に実施することが可能な法人形態である一般社団法人(非営利型)に移行することを決めた。

今年度、来年度は定款(案)の検討、作成等諸手続、移行のための準備を進め、2011(平成23)年度の移行完了を予定している。

理事会で選任した理事を承認した。会員代表者の変更にともなうものである。任期は前任者の残任期間。

新理事は次のとおり(敬称略)。▽福山匡((株)田中衡機工業所)、▽岩井昌秋((株)金門製作所)▽政文祐(アンリツ産機システム(株))。

宮下茂会長はあいさつで、大変厳しい経済状況は計量計測機器の生産活動にも影響を与えているとしつつ、新経済成長戦略を基礎とした新たな成長戦略が動き出すとした。低酸素社会構築に関し計測ニーズの対応が重要となる、また医療、健康、ナノテク、バイオ、新世代自動車など新たな成長分野への対応が必要となると述べた。

新技術・新製品が重要となり、技術開発力の強化が必要とされるとした。また環境問題へも対応していくとしている。

宮下会長は、厳しい時期だが、今までの経営環境を見直す機会ととらえることが大事だと述べた。

計工連は2009年度は、技術開発に係わる事業、循環型社会構築に対応する調査研究事業(環境対応製品づくり調査研究)、計量制度に係わる事業、需要開拓に係わる事業、国際協力・交流に係わる事業、市場動向等調査研究に係わる事業、高度化に係わる事業、高度化に係わる事業などを推進してゆく。

総会後、第51回計量機器事業振興功労者顕彰を挙行し、勝又英俊前理事(アンリツ産機システム(株)相談役、前社長)に感謝状を贈呈した。

計量機器事業振興功労者として杉岡幸男氏((株)イシダ)など45名を表彰した。

桧野良穂(独)産業技術総合研究所計測標準研究部門副部門長が、祝辞を述べた。

(社)日本計量振興協会総会

(社)日本計量振興協会総会は、第10回通常総会、2008(平成20)年度補助事業調査研究委員会成果発表会、第9回計量功労者表彰式を、5月25日、東京都新宿区のグランドヒル市ヶ谷で開催した。同会の08年度末現在の会員数は、正会員(第1種、第2種)、賛助会員合わせて263。

宮下茂副会長が開会の辞、飯塚幸三会長があいさつした。総会は、2008(平成20)年度事業報告、同収支決算報告(同会計監査報告)を承認した。2009(平成21)年度事業計画(案)、同収支予算(案)を一括審議し、原案どおり承認した。

総会は、理事の交代を承認した。新任理事は▽福永勝(徳島県計量協会)▽首藤則夫(宮崎県計量協会)▽八反田浩(千葉県計量協会)の各氏。任期は、前任者の残りの任期である。

閉会の辞は加島淳一郎副会長。加島氏は、新常用漢字表から計量に関連が深い「匁」などの文字が削除されることに関して、文部科学省に対し飯塚幸三会長名で異議申立てをしていると述べた。

飯塚幸三会長はあいさつで、ISO10012規格の活用の推進や、企業内校正技術者を育成する新しい研修制度など新年度事業の要点を紹介した。飯塚氏は計量制度は社会経済の基盤として今後も充実維持するべきだが、近年社会的な関心が薄れ、モラルの低下も見られるとした。計量の役割と重要性、国民が計量の恩恵を受けていることへの認識を深める努力をするとともに、新しい時代に適合した計量のありかたを考えていかなければならないとした。

討議では富山県の塩崎利平氏が、研修制度やISO10012規格の説明などに関して質問した。河住春樹専務理事は、新しい講習会は企業内の校正技術者を育成するための講習会であるとし、計量士の認定技術講習会は引き続き実施拡大していくと説明した。計量管理の国際規格であるISO10012規格に関しては、事例も含めて規格が理解できるような手引き書をつくり、説明会も開催するとした。

09年度事業の方針

 日計振は新年度は次のような事業を推進する。(1)新公益法人制度に対応し、団体運営・事業進捗・経理体制等の見直し整備をおこなう。(2)郵政計量管理事業体制を確立する。(本年度は20%低減)(3)試験・校正事業の強化・拡大を図る。(質量〔はかり〕のJCSS取得の検討を継続実施)(4)研修事業の強化と認定研修制度の構築を行う。(計量士技術講習会〔基礎コース、実務コース〕、計量器コンサルタント資格認定講習会、計量器校正技術者育成のための認定研修制度の検討及び講習会の試行実施)(5)計量管理のグローバル化対応調査を進める。(計量管理国際規格ISO10012)(6)トレーサビリティの普及広報の強化。

成果発表会

2008(平成20)年度補助事業調査研究委員会成果発表会を開き、(1)計量管理の質の強化及びグローバル化のための調査研究委員会(大竹英世委員長〔トヨタ自動車(株)〕)、(2)計量士の資質向上のための研修教育の検討・調査委員会(横尾明幸委員長〔(社)東京都計量協会〕)、(3)適正計量管理主任者実務マニュアル編集委員会(岡野公委員長〔(株)イシダ〕)の3つの委員会の活動内容を紹介した。発表者は、(1)が大竹英世委員長、(2)と(3)は桑山重光委員(東京計量士会)。

第9回計量功労者表彰式を挙行し、第1種正会員(団体)関係32名、第2種正会員(法人)9名を表彰した。受賞者を代表して政田寛氏((社)山口県計量振興協会)が謝辞を述べた。来賓を代表して経済産業省岡村雄治計量行政室長が祝辞を述べた。

16時30分からは懇親会を開催した。

日本計量新報 2009年6月7日 (2776号)

タニタ ブルートゥース方式を搭載した体組成計
インナースキャン「BC−504」

au携帯電話と連動した健康管理

 

 計工連の総会のようす

(株)タニタ(東京都板橋区前野町1−14−2、谷田千里社長)は、ブルートゥース方式の無線通信モジュールを搭載した体組成計インナースキャン「BC−504」を開発、7月1日より発売する。

ブルートゥース方式の無線通信モジュールに対応している機器に、計測した体重や体脂肪率などのバイタルデータ(生体情報)を送信・取り込み管理することができるのが特徴。第1弾として、KDDI(株)(小野寺正社長兼会長)から発売されるauブランドの携帯電話2機種に対応。取り込んだ計測データは、携帯電話内蔵のアプリケーションで管理することができる。

価格は1万9800円(消費税込み)。タニタが運営する会員制の健康管理サービス「からだカルテ」のモバイルサイトに特設ページを設け販売、続いて店頭でも順次行っていく。健康にこだわる30代の女性などを中心に年間5000台の販売を計画している。

発売する「BC−504」は、円形の強化ガラスを全面に採用してリビングでも使える斬新なデザインにしている。通信方式として採用したブルートゥース(クラス2)は世界標準で障害物に強いことが大きな特徴。到達距離は10m。高速化機能を盛り込んだバージョンとなっている。

計測できるのは体重、体脂肪率、筋肉量、推定骨量、内臓脂肪レベル、基礎代謝量、体内年齢、体水分率、BMI(体格指数)の9項目。これをKDDIのヘルスケアサービス「au Smart Sports Karada Manager」に取り込み、グラフなどで視覚的に管理することができる。携帯電話の電源が入っている状態であれば計測したデータを自動的に送信でき、アプリケーションを起動しなくても取り込めるのがメリット。

【仕様】▽色=シルバー(SV)▽最大計量=150kg▽最小表示=0〜100kgまで100g単位、100〜150kgまで200g単位▽体脂肪率=5.0〜75.0%、0.1%単位▽体脂肪率判定=やせ〜肥満まで5段階▽内臓脂肪レベル=1.0〜59.0、レベル 0.5 レベル単位▽基礎代謝量=1kcal/日単位▽基礎代謝量判定=燃えにくい/標準/燃えやすい▽体内年齢=1歳単位▽筋肉量=0〜100kgまで100g単位、100kg以上200g単位▽筋肉量判定=少ない/標準/多い▽推定骨量=100g単位▽体水分率=0・1単位▽BMI=0.1単位▽製品サイズ(質量)=D340×W340×H34mm(約2.6kg/乾電池含む)▽電源=DC6V 単3乾電池(R6)4本使用▽Bluetooth 規格Version2.0+EDR Class2

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