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日本計量新報 2009年7月12日 (2781号)

中部7県計量協議会開く
富山県高岡市に120名が集まる

富山県計量協会が公益法人化を申請
事例発表「目量表記のない電気式はかりの評価」

2009(平成21)年度中部7県計量協議会が、富山県の当番で7月2日、富山県高岡市の雨晴温泉「磯はなび」で開かれ、約120名の計量関係者が参加した。表彰式を挙行し、計量功労者11名を表彰した。協議会は金井昌一会長を議長に、富山県提案の「新公益法人制度での採るべき道」を討議した。(社)富山県計量協会は、6月30日付で公益法人化の申請をした。元高岡市立博物館長の神保成伍氏が「近世高岡の文化遺産−高岡開町400年記念にちなんで」と題して記念講演した。次回開催地は愛知県。懇親会を開き交流した。

 

左から、協議会の様子、金井昌一会長


新公益法人への対応を協議

11名を表彰

協議会は、計量功労者11名を表彰し、金井会長が表彰状と記念品を手渡した。表彰された11名を代表して愛知県の林敬二氏が謝辞を述べた。

各県が新公益法人への対応方針を報告

協議会は、金井昌一会長があいさつをした。来賓を代表して、堀田正美(独)産業技術総合研究所関西センター計量標準技術科長、増川茂則富山県商工労働部次長(石井ヘ一富山県知事代理)、高田哲高岡市長職務代理者(高岡市副市長)、飯塚幸三(社)日本計量振興協会会長の4氏があいさつした。

金井会長を議長に、富山県からの提案議題である「新公益法人制度での採るべき道」を協議した。

廣田茂(社)富山県計量協会常務理事・事務局長が提案理由を説明した。廣田氏は、各計量協会での取り組みを参考に、各協会の進むべき道の確定あるいは懸案事項の解決を図りたいとした。

各県がそれぞれの考えを報告した。

◇各県からの報告

▽愛知県=公益法人の認定を得るためには、公益事業の認定の問題、公益事業の比率の問題を解決する必要がある。2010(平成22)年度中に方向付けしたい。指定定期検査機関事業が公益目的事業として認定されない場合は、公益法人への移行は難しい。

▽静岡県=本年度に新公益法人制度への作業を進める。その中で一般にするか公益にするか決めていく。各県の意見を聞きたい。

▽岐阜県=3〜4年前から法人化の検討をしている。人・財源不足から継続性に不安があり、検討段階に至っていない。どのような公益事業が見込まれるか研究し、情報交換する必要がある。

▽石川県=現在は任意団体である。「新公益法人研究会」を2008(平成20)年6月に設置しており、他県の状況や日計振の動向を見極めながら検討したい。課題が多くあり、簡単に結論が出ない。

▽福井県=現下の課題は協会の独立であり、現在は独立の準備活動の段階である。独立後に法人化を目指すことになる。今後も継続的に検討していく。

▽三重県=本会は社団ではなく、みなし法人なので、しばらく様子見をする。公益的な事業を遂行しており、将来は指定などの事由で社団法人への検討が推測されるので、新制度の協議も必要不可欠である。

▽富山県=6月30日に公益法人への移行申請をした。計量関連団体では初めてではないか。本会は昨年7月上旬からあるべき組織形態の検討を始めた。8月上旬には役員会で公益法人化を目指す仮決定をした。全国の計量関係協会へのアンケート、新公益法人制度に関する説明会を踏まえて、公益移行申請の具体的な事務手続きのシミュレーション・検討を繰り返し、公益移行の可能性を見いだしてきた。理事会・総会で承認され、電子申請をした。我々は、公益性が非常に高く公益法人でなければならないと固く信じている。手続きの煩雑さを回避する意味での安易な選択はするべきではないと強く思っている。皆様も果敢にチャレンジして欲しい。独自に情報収集・分析をして、事務処理レベルまでのノウハウを蓄積しているので、皆様方からの相談にも応えられる。

(社)日本計量振興協会の対応方針も文書で紹介された。

次期開催地は愛知県

次期開催地は愛知県に決まり、池田一(社)愛知県計量連合会会長が歓迎のあいさつをした。2010年7月1日の開催を予定している。

閉会あいさつは、塩崎利平副会長。

目量を決めなければ、はかりを判定できない

総会後、(社)富山県計量協会計量士部会長の上野芳則計量士が、「目量(e)表記のない電気式はかりの評価について」のテーマで事例発表した。

上野氏は、生産工程用に使用されている一般計量器の電気式はかりで目量(e)の表記がないものは異なった評価が生じやすいとする。これらのはかりの評価は、そのはかりに適した目量を決定し、その決定方法、根拠などを使用者に十分説明することが望ましいとしている。また、目量を表記することに対するメーカーの努力を期待したいと述べた。

記念講演は「近世高岡の文化遺産」

元高岡市立博物館長の神保成伍氏が「近世高岡の文化遺産−高岡開町400年記念にちなんで」と題して記念講演した。

神保氏は、加賀藩第2代藩主前田利長が開き、今年開町400年になる高岡の誕生の経緯、高岡の文化遺産である高岡城址、瑞龍寺(利長菩提寺、国宝)、前田利長墓所(国史跡指定)を紹介した。神保氏は、高岡の文化遺産は「金沢より数は少ないが質は高い」とし、高岡の文化は武家文化の風格を色濃く残した町人文化であると述べた。

表彰を受けた11名(敬称略)

◇愛知県=▽林敬二((有)林計量事業所)▽蛭川充((株)イノアックコーポレーション)◇静岡県=▽梅木威良(計量士)▽高橋雄次(東芝テック(株))◇岐阜県=▽稲垣勝義((有)スター自動車電装)▽水野照文(イノアックエラストマー(株))◇石川県=▽松川治彦((株)ニュー三久)◇福井県=▽大西純生(日信化学工業<CODE NUMTYPE=SG NUM=73C2>)▽三好哲也(株)福井県環境分析センター)◇三重県=▽菅瀬勝弥(桑名はかり製作所)▽宮城紀子(パナソニック電工(株)津工場)

日本計量新報 2009年7月12日 (2781号)

島津製作所 「島津サーボパルサEMTシリーズ」
環境にやさしい電磁力式疲労・耐久試験機

 

島津サーボバルサ

(株)島津製作所は、環境にやさしく、クリーンで静かな電磁力式疲労・耐久試験機島津サーボパルサEMTシリーズ2機種を発売した。

サーボ制御方式により、電機・自動車部品、ゴム・樹脂、各種医療材料などの疲労・耐久試験を、1kNまでの試験力、かつ最大プラスマイナス50mmの長ストロークで行える。油圧式と比べて、試験力に比例した電力で運転するので、環境に優しい装置といえる。

【主な特長】▽油圧を使用しないため環境にやさしく、クリーンで静かな疲労・耐久試験機。▽必要最小限の消費電力でムダの無い試験を継続できるので、ランニングコストが安く、メンテナンス費用も含めてトータルコストが低減できる。▽最大試験力を1kN(従来機は最大500N)に広げ、より多くの試験対象に対応できるようになった。▽ストロークを最大プラスマイナス50mm(従来機はプラスマイナス10mm)まで広げたことにより、ゴムなど大きなストロークを必要とする疲労試験にも対応可能。より多くの試験対象の引張試験や圧縮試験にも対応できる。▽最大2m/sec(従来は0・5msec)で動くため、試験時間を短縮できる。▽24bitの高分解能計測制御システムで、一定の力を加えた状態で微小な力を繰り返し変化させる試験も正確。▽設置面積は油圧式の同等試験力装置に比べて約半分。

【本体寸法】幅725×高さ2700×奥行き650mm、510kg

【価格】1575万円〜

日本計量新報 2009年7月12日 (2781号)

経済産業省 産業技術環境局知的基盤課
計量行政室長 略歴

吉川 雅之 (よしかわ・まさゆき)

 

1961(昭和36)年8月6日生、東京都出身

【最終学歴】日本大学法学部卒業

職歴】▽1985年4月、通商産業省(現経済産業省)入省▽1998年7月、通商産業省生活産業局総務課総括班総括係長▽2001年1月、経済産業省商務情報政策局取引信用課課長補佐▽2003年1月、経済産業省大臣官房秘書課課長補佐(事務次官付主任)▽2005年4月、千葉県市原市理事(経済担当)▽2009年7月、経済産業省産業技術環境局知的基盤課計量行政室長

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