日本計量新報 2009年9月6日 (2788号) |
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日本ガスメーター工業会
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左上から、LPガス用マイコンメーター、メーターの表示部分に警告表示のAが出た状態、ステッカー&証印 |
LPガス用マイコンメーターに追加された機能は、検定有効期間満了後の継続使用に対する警告とガスの遮断機能である。これにより検定有効期間が満了したメーターが継続して使用されることによる事故などを未然に防ぐことができ、消費者の安全確保や期限切れメーターの継続使用の防止を支援することができる。
LPガス用マイコンメーターが検定の有効期間が満了した後、約6カ月間継続使用された場合には警告表示し、40日後にガスを遮断して遮断理由を表示するとともに、通信端子に信号を出力する。
遮断以降は復帰を受け付けず、または復帰しても再遮断するので、ガスメーターは使用できなくなる。
機能追加の実施時期、機種等は各社で異なるが、早ければ来年度から新機能追加のメーターが出荷される。
同様の警告・遮断機能は、すでに「電池電圧」の低下に対する対策機能としてマイコンメーター(別項参照)に登載されているが、今回、期限切れメーターの継続使用に対しても警告・遮断機能を追加する。警告表示は図のように、左端に「A」が表示される。電池電圧低下の場合の警告表示と同じである。
ガスメーターには検定の有効期間が定められている。LPガス用マイコンメーターも計量法令で検定の有効期間が定められた計量器(特定計量器)で、この法令の定める「検定有効期間」は、一般家庭用のもので10年と決められている。
計量法第16条は、検定証印等の有効期間を経過したものを使用し、又は使用に供するために所持してはならないと定めており、検定の有効期間が満了したガスメーターは交換しなくてはならない。違反には罰則規定もある。
ガスメーターには電池、ゴム部品、電子部品など経年変化する機能部品が使われている。検定有効期間を満了後も交換せずに継続的に使用すると電池切れなどを起こし、ガスをしゃ断する機能が働かなくなる場合などがあり、大事故につながる恐れがある。法律で決まっているからというだけでなく、安全確保のためにも、ガスメーターの検定有効期間を守る必要がある。
LPガスの消費世帯は約2600万世帯。LPガス用マイコンメーターの大部分は検定の有効期間が経過する前に交換されているが、まれに検定の有効期間が満了後も継続して使用されている実態がある。工業会の統計などから推測されるほか、工業会が実施している使用者アンケートでも違反事例が報告されている。
工業会は、LPガス販売事業者の事業規模や経営実態なども考慮し、LPガス用マイコンメーターの保安性向上と期限管理を支援するため、検定有効期間満了後の継続使用に対する警告とガスの遮断機能を追加することを決めた。
機能追加には、2009年施行の消費者安全法改正による長期使用製品に対する点検制度の考え方、有効期間満了後も継続使用された場合の消費者の安全保護、法令遵守の考え方が反映されている。
【日本ガスメーター工業会】〒105−0001、東京都港区虎ノ門1−8−13虎ノ門上野ビル4F、電話03−3504−8021
マイコンメーターはガスの使用量を計測する計量器としての機能だけではなく、ガスの使用状況を常に監視し、マイクロコンピューターが危険と判断した時はガスを止めたり警告を表示する機能を持った保安ガスメーターである。
ガスの流れや圧力等に異常が発生した場合(消し忘れの場合、配管のガス圧が低下したとき、ゴム管が外れたときなど)や震度5以上の地震が発生したとき、電源の電池電圧が低下したときに、内蔵されたコンピューターが危険と判断し、ガスを止めたり警告を表示する。
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