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日本計量新報 2009年9月27日 (2791号)

平成22年度
計量計測関連企業第1四半期決算
各社とも大幅な損失を計上

計量計測関連企業の平成22年3月期第1四半期決算は、依然続く国内外の景気低迷の影響をうけ、各社とも大幅な損失を計上した。在庫調整や景気対策効果で生産調整は徐々に下げ止まりつつあるが、設備投資が抑制されているため厳しい環境は依然続き、計量計測の各社にとっては損失を出す結果となった。


島津製作所

昨年来の国内外での需要の激減や急速な円高の進行等により、売上高は451億14百万円(前年同期比24.7%減)となり、営業損失は4億85百万円、経常損失は3億59百万円、純利益は342百万円(同87.8%)となった。ただし同社の売上高は第2、第4四半期に集中する傾向にある。

愛知時計電機

売上高については、景気の低迷による設備投資の冷え込みや住宅着工戸数落込みの影響を受け、前年同期比6.9%減の77億16百万円にとどまった。利益面は、依然として激しい価格競争が続き、営業損失、経常損失及び四半期純損失を余儀なくされた。なお、例年、第1四半期の業績は季節変動の影響を受け、低水準にとどまっており、当第1四半期も同様の傾向となったが、概ね所期の目標に沿って推移している。

エー・アンド・デイ

世界同時不況の影響による売上の低迷は予想を遥かに上回り、特に、景気の影響を受けにくい電子天秤や台秤等にも影響が及び、さらに、主要市場であるロシアにおいては、景気の不透明感から家庭用血圧計が大きく売上を落とす結果となった。その結果、売上高は56億15百万円(前年同期比30.5%減)となり、営業損失は11億90百万円(前年同期は営業損失2億45百万円)、経常損失は11億08百万円(前年同期は経常損失8百万円)、四半期純損失は12億91百万円(前年同期は四半期純利益2億49百万円)となった。

オーバル

製造業を中心に設備稼働率が急低下したことで、設備投資需要が大幅に減退したことにより、売上は低迷した。このような状況の下、収益改善策として経費削減や原価低減に取組み、また、減産に対応した工場従業員等の一時休業も実施した。

受注高は23億19百万円(前年同期比26.9%の減)、売上高は21億90百万円(22.8%減)、利益面では営業損失1億15百万円、経常損失1億13百万円、純損失95百万円となった。 

テルモ

売上高は、国内は7.3%、海外は現地通貨ベースで6.6%の伸長となったが、最終的には円高の影響を受け、0.4%減の775億円となった。国内では、注射器に予め充填した薬剤の売上が大きく拡大した。昨年春に予防的措置として自主回収したヘパフラッシュの業績が徐々に回復、5月に発売した協和発酵キリン向けの新商品も寄与した。

また、心臓・血管領域の多くの商品が高い伸長を示し、4月より自販を開始した人工血管も順調に売上を伸ばした。その他、新型インフルエンザの影響で電子体温計の販売が大幅に増加した。

海外については、現地通貨ベースで引き続き売上を堅調に伸ばした。特にアジアは、中国・タイが好調で二桁伸長となったが、欧州、アメリカについては新興国における大型機器の新規購入の先送りなどがマイナス要因となり一桁の伸長に留まった。心臓・血管領域商品群が、カテーテル商品を中心に国内外で大きく売上を伸ばしたことから、円高の影響をカバーし前年同期比でプラス伸長となった。また、ヘルスケア商品群も電子体温計の売上増に加え、血圧計の新商品も好調に推移し、前年同期の売上を大幅に上回った。

ホスピタル商品群は、国内で医薬品の売上が好調だったものの、海外売上は現地通貨ベースでほぼ横ばいとなり、わずかに前年同期の売上を下回った。海外の売上比率が大きい輸血関連商品群は、円高の影響を大きく受け、マイナス伸長となった。営業利益は、昨年同期比1.4%増の165億円。経常利益は、前年同期比で10.2%減の169億円となった。

横河電機

市場の大幅な縮小により前年同期と比較し売上高は減少し、損失は拡大する結果となった。グループの連結売上高は、645億29百万円と前年同期と比較し190億8百万円減少した。営業損失は、販管費は大幅に圧縮したものの、売上高の減少及び為替レートが前年同期と比較し円高に推移したことから56億30百万円と前年同期と比較し13億 19百万円の悪化となった。経常損失は、60億40百万円と前年同期と比較し25億9百万円の悪化となった。四半期純損失は67億82百万円と、前年同期と比較し49億85百万円の悪化となった。なお、グループの売上高は、特に制御事業において第2四半期(9月)と第4四半期(3月)に集中する傾向が強いため、第1四半期及び第3四半期の売上高の通期売上高に対する比率は低くなる傾向がある。

長野計器

主要関連業界の設備投資の大幅な減少や生産調整などの影響を受け、受注が大きく減少した。特に、半導体業界、産業機械業界、建設機械業界及び自動車業界での需要の急減速の影響は避けられず、この結果、売上高は68億26百万円(前年同期比34.5%減)となった。損益面においては、生産の合理化による原価低減や固定費の削減に取り組んだが、売上の大幅な減少の影響により、営業損失は8億71百万円(前年同期は99百万円の営業損失)、経常損失は8億10百万円(前年同期は44百万円の経常損失)、純損失は7億65百万円(前年同期は1億55百万円の純損失)となった。

セコニック

厳しい環境下で販売活動に一層注力するとともに、業務の効率化を推進し各製品の採算性の向上に努めたが、売上高は25億9百万円(前年同期比47.7%減少)となり、利益面にしても、売上高の減少が大きく影響し、営業損失は1億35百万円(前年同期は営業利益21百万円)となった。

(次号以下につづく)

日本計量新報 2009年9月27日 (2791号)

日計振 2009計量のひろば・ポスター作成
キャラクターに卓球選手の石川佳純さん

 

(社)日本計量振興協会は、2009年度版の冊子「計量のひろば」(NO.52)と、ポスターを作成した。

「計量のひろば」とポスターは、同協会が計量の普及開発事業の一環として、毎年11月1日の計量記念日に合わせて作成、計量関連団体その他に配布するもの。2009年度は、「計量のひろば」8万部、ポスター4万2千枚を作成した。

今年のポスターは、キャラクターに卓球選手の石川佳純さんを起用。

計量も計測も、高精度な技術で測る正確さが大切であることを、卓球選手の高度な技で表現することを試みている。

キャッチコピーは「ピンポイントな正確さでわずかなミスも許さない」。

「計量のひろば」の特集は、「長さの単位の国家標準の変遷と新しい国家標準−正確な光周波数のものさし(光周波数コム装置)−」。

2009年7月に、長さの国家標準が「よう素安定化ヘリウムネオンレーザ」から「協定世界時に同期した光周波数コム装置」に変更され、長さの国家標準として測られる「光の波長」が、これまでの300倍の高精度になった。特集ではこのことについて、図を交えてわかりやすく解説している。

コラムでは、単位名になった科学者の経歴を紹介。2008年度の計量啓発標語も掲載され、計量が身近に感じられる構成になっている。

【問い合わせ先】(社)日本計量振興協会、〒162−0837、東京都新宿区納戸町25−1、電話03−3268−4920、ホームページhttp://www.nikkeishin.or.jp/

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