日本計量新報 2009年10月25日 (2795号) |
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計量史をさぐる会2009開く
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はかりのトップメーカーである(株)イシダの滋賀事業所を見学した。同事業所は国内の生産・開発拠点である。中川幸夫事業所長が歓迎のあいさつをし、同社のはかりなど計量計測機器開発の歴史や生産品などをコンパクトにまとめたビデオを視聴した。2班に分かれて、事業所内の生産ライン、改善活動のようすなどを見学した。司会は松本栄寿副会長。内川恵三郎会長が開会のあいさつをした。
研究発表会は前半、後半と分け、前半は前田親良顧問、後半は小野敏郎大阪府立大学名誉教授が座長を務めた。
発表された研究は6件、○印が発表者。▽祇園祭山鉾重量測定(○福井貫二、中村文一、小野敏郎)▽古墳の長さの計量単位(○岩田重雄)▽第3回国際科学史会議−計量史セクションT36−(○松本栄寿、黒須茂)▽江戸時代の地方枡に関する実測結果(2)−特に弥惣枡と備前枡について−(○大網功、黒須茂、小宮勤一)▽両替商の天秤株と鑑札−民俗学的アプローチから−(○山田研治)▽ボルダの振子を追って−コインシデンス法とその発展−(○黒須茂)
6件の発表は、科学史的手法、歴史学的手法、実測など、さまざまな方法で計量史にアプローチしている。たとえば、長い伝統がある「祇園祭」の山鉾重量の初測定に関して福井氏は「技術的要素も重要だが、社会・感情要素もより重要」と述べ、また路面荷重の影響、輪重のばらつきの問題を指摘するなど興味深いものであった。
懇親会は、場所を草津市のクサツエストピアホテルに移して18時から開かれた。発表会で質問できなかった内容を発表者に聞いたり、キログラム原器は真空の容器で保管されているのかどうかなど、計量に関するさまざまな話題が提供された。中国の昆明で開かれた日韓中計量測定協力セミナーに出席していた(株)イシダの岡野公氏が帰国当日にかけつけるなど賑やかに交流した。
(詳細は次号以下)
(株)イシダ(京都市左京区聖護院山王町44番地、石田隆一社長)は、10月13日、携帯電話専用サイトをオープンした。
同サイトは、パソコン用の公式ホームページと連動しており、同社の最新情報を携帯電話でも得ることができる。
スクロールなしのコンパクトなトップページに、会社概要、更新情報であるNEWS、展示会情報、採用情報、製品情報の5つのコンテンツが並ぶ。どのページからも別コンテンツに移動することができ、使い勝手の良いサイトになっている。
会社概要には、本社や事業拠点の電話番号、マピオンによる詳細な地図が掲載されている。外出先からでも確認でき、モバイルサイトの利点を活かしている。
また、製品情報も充実しており、製品の画像と詳細な説明を見ることができる。ただし標準仕様表、外見寸法図、カタログPDFはパソコン用ホームページにしかない。
手軽に確認したい場合は携帯用、より詳しく知りたい場合はパソコン用と、ホームページも目的別に使い分けることができるようになった。
【URL】http://www.ishida.co.jp/m/ishida_top.swf(携帯サイト)
2009年度工業標準化事業表彰内閣総理大臣表彰は1名、経済産業大臣表彰は今井秀孝(産総研研究顧問)など個人20名、組織3組織を表彰した。
国際標準化貢献者表彰(産業技術環境局長表彰)は、桧野良穂(産総研計測標準研究部門副部門長)など25名、同奨励者表彰8名を表彰した。
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