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日本計量新報 2009年11月8日 (2797号)

2009計量記念日全国大会開く
15氏に計量功労者経済産業大臣表彰

優良適管1社、産業技術環境局長表彰8氏
特別講演は向井利典氏
「宇宙開発利用の現状と将来」

経済産業省・計量記念日組織委員会が主催する「2009(平成21)年度計量記念日全国大会」が11月2日、東京都港区のホテルインターコンチネンタル東京ベイで開かれ、全国から計量計測関係者が多数集まった。大会は計量記念日式典、記念行事、レセプションの3部構成。しばらく該当事業所がなかった優良適正計量管理事業所表彰が復活した。記念行事では「何でもはかってみようコンテスト」と「計量啓発標語」の表彰式が挙行された。特別講演は、向井利典宇宙航空研究開発機構技術参与・名誉教授による「宇宙開発利用の現状と将来」。参加者は、社会の根幹を担う計量計測の意義を確認し、懇親を深めた。11月1日の計量記念日を中心に、東京の「都民計量のひろば」など全国で計量記念日行事が繰り広げられている。

 

左から、計量記念日全国大会のようす、「何でもはかってみようコンテスト」受賞者


「優良適正計量管理事業所表彰」が復活

第1部は計量記念日式典。司会は吉川雅之計量行政室長。高橋千秋経済産業大臣政務官が経済産業大臣式辞を代読した。「計量関係功労者」に対する経済産業大臣表彰が挙行され、15氏が受賞した(以下表彰者別項)。

該当事業所がなく、しばらく途切れていた「優良適正計量管理事業所表彰」が復活し、1社が受賞した。

昨年新設された、計量制度運営等貢献者を表彰する「産業技術環境局長表彰」は8氏が受賞した。

「計量関係功労者表彰」と「優良適正計量管理事業所表彰」は高橋千秋経済産業大臣政務官が、「産業技術環境局長表彰」は鈴木正徳産業技術環境局長が、受賞者に表彰状と記念品を手渡した。

受賞者を代表して柳澤初男氏((社)神奈川県計量協会)が謝辞を述べた。式典終了後、受賞者は記念撮影をした。

「優良適正計量管理事業所表彰」は、計量管理方式が適切で、計量器の整備、計量方法等の実施状況が良好であり、かつ、品質の向上、合理化及び生産性の向上等に著しい効果を収めていると認められる事業所を表彰するもの。

「何でもはかってみようコンテスト」
「計量啓発標語」
優秀作品発表

第2部は記念行事。司会は河住春樹(社)日本計量振興協会専務理事。飯塚幸三計量記念日組織委員長((社)日本計量振興協会会長)があいさつした。

事前に募集した、小学生が対象の「何でもはかってみようコンテスト」と計量啓発標語の優秀作を発表、表彰した。

「何でもはかってみようコンテスト」は、今年度は87点の応募があり、最優秀作品1点、優秀作品2点、特別賞1点、奨励賞14点が選定された。

最優秀作品賞は「かみの毛の本数を測る」(永井雄大、神奈川県小田原市立芦子小学校6年)。優秀作品賞は「すず虫はビバルディがおすき?」(野々瀬知恵、茨城県つくば市立二の宮小学校3年)、「水のすいあげと関係の大きいのは何か?」(糠澤幸奈、福島県福島市立福島第三小学校5年)。特別賞は「みんなの体はなんリットル」(二宮悠偉、神奈川県藤沢市立天神小学校2年)作品は会場ロビーに展示された。

「何でもはかってみようコンテスト」表彰は、小学生が、学校や家庭生活等の中の身近なものについて、多様な方法や考え方によって「はかる」ことを実践し、計量に関する理解の向上を図ること等を目的として、2005(平成17)年度から実施している。

北森俊行審査委員長(東大名誉教授)が、審査経過などを説明した。最優秀作品は、髪の毛が生えている面積をはかる方法をさまざま工夫し、測定後も、もっと正確にはかる方法を考察するなど、はかることへの発想、方法の豊かさが評価された。

「計量啓発標語」には721点の応募があり、最優秀作品1点、優秀作品2点、佳作11点が選定された。

最優秀作品賞は「はかる手で うみだす信頼 重ねる信用」(増永隆義、(株)京阪百貨店)、優秀作品賞は「あいまいを ハカリにかけて 気分スッキ」(大山萌、茨城県小美玉市立玉里中学校)と「見る目 聴く耳 感じる手 通う心で計量管理!」(貝吹哲也、(株)ジャパンエナジー)。

計量啓発標語は、広く計量への参加意識を高めてもらうことを目的に募集している。

さまざまな方法で宇宙を測る
−宇宙現象は人間生活に影響

特別講演は、向井利典宇宙航空研究開発機構技術参与・名誉教授による「宇宙開発利用の現状と将来」。河住春樹(社)日本計量振興協会専務理事が司会をした。

向井氏は、一貫してロケットや衛星搭載用低エネルギー粒子計測技術の開発に従事し、日本のすべての磁気圏観測衛星やハレー探査機に搭載されたプラズマ粒子観測の主任研究者を務めてきた。

向井氏は、最新のトピックとして、国際宇宙ステーション、地球観測ミッション、月探査ミッション、小惑星探査ミッション、宇宙天文学ミッション、並びに宇宙天気予報の現状を紹介し、最後に、宇宙開発利用の将来動向について述べた。

第3部はレセプションが行われ、関係者が歓談した。飯塚幸三計量記念日組織委員会委員長があいさつ、鈴木正徳経済産業省産業技術環境局長が祝辞を述べた。乾杯の発声は、山下弘文日本電気計器検定所理事長。中締めは、宮下茂(社)日本計量機器工業連合会会長。宮下氏は「こういうときこそ元気を出そう」と参加者を激励した。

計量計測は、産業や学術の基礎を担っている。参会者は旧交を温め、計量が果たす重要な役割について意見を交わした。

計量記念日行事は11月1日を中心に「計量記念日全国大会」のほか月間行事などを含め、地方の計量協会や計量行政機関、計量関係事業所などがそれぞれ計量が持つ機能や計量制度の役割等を強調して実施している。

日本計量新報 2009年11月8日 (2797号)

第58回 経済産業大臣表彰受賞者

 
    

謝辞を述べる柳澤初男氏

【経済産業大臣表彰受賞者計量関係功労者】

(五十音順、敬称略、氏名、年齢、所属・役職等の順)

▽荒岡幹史郎(72、千代田サービス販売(株)代表取締役社長)▽牛島義一(68、<(株)システック牛島代表取締役社長)▽岡野公(65、(株)イシダ前品質保証部長)▽金子忠夫(62、富士計器製造(株)代表取締役社長)▽金本重孝(61、鎌長製衡(株)代表取締役社長)▽川上勝年(65、(株)熊本県計量協会副会長)▽國岡英司(72、(株)若松屋書店代表取締役)▽黒田俊一(60、(株)第一計器製作所代表取締役社長)▽斉藤房一(70、(株)富永製作所代表取締役社長)▽多賀治(69、(株)多賀メートル電機代表取締役)▽二宮章(66、日本環境(株)顧問)▽政田寛(64、(株)宝計機製作所代表取締役社長)▽柳澤初男(79、(社)神奈川県計量協会理事)▽山本和  (63、山本薬品(株)代表取締役)▽和田岑生(70、(株)旭商会仙台店取締役社長)

【優良適正計量管理事業所】

(事業所名)

▽(株)ADEKA鹿島工場

【計量制度運営等貢献者】

(五十音順、敬称略、氏名、年齢、所属・役職等の順)

▽稲永英和(56、(株)金門製作所開発部校正サービスセンタ―所長)▽栗田良春(69、元工業技術院計量研究所所長)▽根田和朗(56、(独)産業技術総合研究所計測標準研究部門法定計量技術科科長)▽野村明(65、元(独)産業技術総合研究所計測標準研究部門有機分析科科長)▽藤村貞夫(70、帝京平成大学情報工学部教授)▽藤森威(68、元工業技術院電子技術総合研究所基礎計測部音波技術研究室主任研究官)▽松本毅(48、(独)産業技術総合研究所計量標準管理センター国際計量室総括主幹)▽横山巽子(68、(社)日本規格協会嘱託)

日本計量新報 2009年11月8日 (2797号)

秋の叙勲

【旭日双光章】▽平野將(76、(社)滋賀県計量協会会長)▽冨木昭光(80、冨木医療器(株)代表取締役会長、石川県計量協会会長)

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