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日本計量新報 2010年1月1日 (2803号第1部)

京の台所
錦市場はいつでも祭の様相

 

毎年秋が深まると、錦市場(にしきいちば)ではスズメの焼き鳥が売られていた。物珍しさにこれを食べて楽しんでいたのだが、先日行ってみたところ、数年前から取り扱いを止めたということであった。正月を京都の安宿で過ごすのに、錦市場で総菜を買おうと思ったら、市場が休業なので店は開かないという。正月も店を開いている会席料理屋に予約をいれることにした。昼の会席料理は千円台で格安。これが私の正月料理であり、夜はコンビニの弁当となる。

京都の観光は日本一である。春夏秋冬、何らかの催しがある。うどん屋などが並ぶ路地には観光バスがとまっていて、食事と買い物のタイムサービス中である。うどん一杯500円で夕食を済ませられる京都ツアーもある。そうした日本の観光客に混じって、海外からの客も目立つ。最近は、東アジアの客が増えたなーと思う。錦市場は、京都市中京区の錦小路通のうち、寺町通から高倉通にかけての商店街。地元の人は「にしき」と読んで親しんでいる。京野菜や魚などの生鮮食材や乾物・漬物・惣菜などの加工食品を商う店が集まり、京都独特の食材をここで調達することができる。400年の歴史を持つ、「京の台所」である。漬け物などつまみ食いをしていると、ただ食いは申し訳ないという気になって、少しは買う。これを何軒もしているうちに、懐の1万円札はあっという間に品物に変わる。干した鱈など2万円もするので、何故そんなに高いのと驚くが、品質がいいのだろう。大勢の人が集まれば、そこは祭の場になる。何時でも祭の様相をみせる錦市場では、人の財布のひもは緩む一方である。

(写真と文章は旅行家 甲斐鐵太郎)

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