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日本計量新報 2010年2月28日 (2811号)

計量計測関連企業 2010年3月期第3四半期決算報告
厳しいなかにも明るい兆しが見え始める

計量計測関連企業の2010(平成22)年3月期第3四半期が出揃った。各社とも厳しい経営環境のなか、営業努力と研究・開発、大幅な経費の削減により、業績は下げ止まり傾向にある。一部企業では、第3四半期単独(09〔平成21〕年10月〜09〔平成21〕年12月)で利益が黒字に転じているなど、明るい兆しが見え始めている。


A&D

当第3四半期は、リーマンショックの影響が残る第1四半期連結会計期間の業績低迷が影響し、第2四半期連結会計期間以降、改善の兆しが見られるものの厳しい状況が続いている。経費圧縮については、販売費及び一般管理費等固定費の削減にグループをあげて取り組んでいるが、売上の大幅な減少をカバーするには至らず、引き続き削減に努めている。

第3四半期連結累計期間の売上高は199億61百万円(前年同期比16.2%減)となり、営業損失は15億53百万円(前年同期は営業損失3億68百万円)、経常損失は15億57百万円(前年同期は経常損失14億75百万円)、四半期純損失は23億54百万円(前年同期は四半期純損失15億97百万円)となった。

オーバル

第3四半期は、新製品の販売促進キャンペーンや更なる経費削減・原価低減への取組み、減産に対応した工場従業員等の一時休業を実施した。

第3四半期連結累計期間の受注高は70億4百万円で前年同四半期に比べ32.0%の減少、売上高は68億60百万円で前年同四半期に比べ34.8%の減収となり、利益面では営業損失2億20百万円(前年同四半期は営業利益4億58百万円)、経常損失1億5百万円(前年同四半期は経常利益4億28百万円)、四半期純損失1億27百万円(前年同四半期純利益2億85百万円)となった。

キーエンス

当第3四半期連結累計期間は、一昨年の米国金融危機に端を発した世界規模での不況が続き、多くの国や地域、業種において設備投資が落ち込んだが、海外・国内ともに持ち直しの動きも見られるようになった。こうしたなか、当第3四半期連結累計期間のグループの売上高は922億40百万円となり、また営業利益は344億58百万円、経常利益は374億16百万円、四半期純利益は242億13百万円となった。

(次号以下につづく)

日本計量新報 2010年2月28日 (2811号)

(社)日本計量機器工業連合会
法定計量と不確かさ
NIST専門家呼び、講演会

 

(社)日本計量機器工業連合会(計工連)は、2月19日(金)、ホテルグランドヒル市ヶ谷(東京都新宿区)で「米国の法定計量制度及び計量における不確かさの役割に関する講演会」を開いた。

現在、OIML TC3/SC5(計量規則/適合性評価)で「法定計量での適合性評価における測定の不確かさの役割」第1次委員会草案の検討が開始され、同草案では法定計量で用いられる不確かさを型式承認及び検査にまで適用するとの案が示されている。本講演は、このような動きを踏まえて開催された。

招聘された講師は、米国標準技術研究所(NIST)のチャールズ・アーリック氏(NIST度量衡部国際法廷計量グループリーダー)と、キャロル・ホッカート氏(NIST度量衡部部長)。

当日は、計工連の生田一男専務理事の司会によって開会。経済産業省産業技術環境局計量行政室吉川雅之室長と、(独)産業技術総合研究所イノベーション推進室三木幸信室長があいさつをした。

アーリック氏は、「法定計量における適合性審査への不確かさ導入に関するOIML文書」と題し、不確かさという概念について説明した後、導入の必要性やOIML文書の適用範囲、測定と試験の目的の違い、追加適合性評価基準などについて講演。氏は、不確かさをOIML勧告に導入する理由について、計量学は測定に対して“確率的”アプローチの方向にむかっていること、国際認定及びISO/IEC 17025がその導入を必要としていることの2つを挙げた。

ホッカート氏の講演は、「米国における法定計量制度」。NISTの役割や世界計量記念日の活動、NISTで出版しているさまざまなハンドブックを紹介。さらに、米国における度量衡規制や州の計量試験所、民間の登録サービス機関、度量衡国内会議など、米国の計量制度の概略を説明した後、事例を用いて不確かさ概念を解説した。

講演終了後、懇親パーティが開かれた。(社)日本計量振興協会の飯塚幸三会長による乾杯のあとは、講師2人を交えて和やかに歓談した。

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