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日本計量新報 2010年3月14日 (2813号)

第8回全国計量士大会開く
3月5日、200名超す計量士が参加

基調講演は今井秀孝産総研顧問
「計量トレーサビリティに関する国内外動向」
測定の不確かさの普及で意見交換

(社)日本計量振興協会(日計振)が主催する「第8回全国計量士大会」が、2010年3月5日13時30分から東京都港区のホテルインターコンチネンタル東京ベイで、200名を越す計量士が参加して開かれた。大会では2つの状況報告や基調講演、意見交換がおこなわれた。17時過ぎからは懇親会が開かれた。

 

中小企業向け計量研修の取り組みを報告

総合司会は西竹啓介(社)福岡県計量協会理事。松本克一(社)日本計量振興協会計量士部会長が開会の辞を述べ、飯塚幸三同会会長が主催者あいさつをした。来賓あいさつは、吉川雅之経済産業省計量行政室長。

2つの状況報告があった。(1)日本計量振興協会の計量士関係事業の取り組み状況=河住春樹((社)日本計量振興協会専務理事)、(2)中小企業向け計量研修の取り組みについて=日高鉄也(日高計量士事務所)。

基調講演は、今井秀孝(独)産業技術総合研究所顧問による「計量トレーサビリティに関する国内外動向」。今井氏は、計量計測標準を必要としている分野が拡大していることや、計量計測標準自体の高度化の状況、国際文書規格などの整備状況を、JCGM(合同委員会)の活動などと関連させて解説した。

計量士の進む道探る意見交換

 阿知波正之愛知県計量士会副会長がまとめ役となり、意見交換をした。テーマは「グローバル化時代における計量士の進む道」、副題は「測定の不確かさの概念をどう広めるか」。生産・流通両部門から事例報告をし、参加者が自由に意見交換した。

生産部門の報告は、「生産現場における不確かさの適用について」(田中亀仁〔トヨタテクニカルディベロップメント(株)〕)。田中計量士は、計測器選定や試験方法の検証など、生産現場における不確かさの適用事例を具体的に紹介した。流通部門は、藤田益司埼玉県計量士会会長が「大規模店舗の計量管理と不確かさについて」と題して報告した。

フリーディスカッションでは、溝口義浩計量士((株)東洋精機製作所)が「製造業での不確かさ評価の活用事例」を、三重県の大川修計量士が流通関係の報告・意見を述べた。

神奈川県の三橋克巳計量士が、基準器制度とJCSS制度を一本化し、基準器にも不確かさをつけてほしいと要望した。これに関しては、産総研の小島孔計量研修センター長が、適合性評価にも不確かさを使っていこうということはOIMLでも検討されているが、法定計量分野で限定的に使用される基準器に不確かさをつけることは、現行制度のもとでは難しいと説明した。藤田益司計量士は、事例報告に関連したOIML勧告・文書案の一部は計工連のホームページで閲覧・保存できることを紹介した。福岡県の稲永英和氏は、JCSS制度を活用してほしいと発言した。閉会あいさつは、白鳥慎治神奈川県計量士会理事。

懇親会で交流深める

懇親会の司会は、吉川勲一般社団法人京都府計量協会理事。松本克一日計振計量士部会長があいさつ。来賓を代表して、大平久夫東京都計量検定所長があいさつした。印南武雄東京計量士会会長の発声で乾杯した。中締めは桑山重光東京計量士会副会長。

日本計量新報 2010年3月14日 (2813)

第60回 計量士国家試験3月7日実施
受験者数7266名、前年比99.8%

 

毎年3月の第一日曜日に実施される計量士国家試験が、2010年3月7日、全国9会場で9時20分から実施された。

今年の出願者数は1万1003名で、前年比103.1%と微増。環境計量士(濃度関係・騒音振動関係)、一般計量士の各区分とも前年より微増している。

実際の受験者数(途中退席者を除く、以下同じ)は7266名(2010年3月9日までの暫定値)。前年比は99.8%と微減した。受験率は66.0%。

試験区分別の速報(2010年3月9日時点)は以下の通り(出願者数/受験者数/受験率。カッコ内は前年比)。

▽ 環境計量士(濃度関係)=7377名(102.4%)/4771名(99.1%)/64.7%

▽ 環境計量士(騒音・振動関係)=1935名(102.9%)/1209名(96.6%)/62.5%

▽ 一般計量士=1691名(106.5%)/1286名(105.4%)/76.0%

合格発表は5月末頃の予定で、本紙および計量計測データバンクのほか、官報、経済産業省ホームページ(http://www.meti.go.jp/information/license/index.html)に合格者の受験番号を掲載する。

昨年実施された第59回の合格率は、全体で15・8%。実施年によって増減はあるが、難しい資格試験の一つである。

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