計量新報記事計量計測データバンク会社概要出版図書案内

日本計量新報 2010年3月28日 (2815号)

東京電力
通信機能付電子式メーター実証実験へ
10月から2〜3年、約9万世帯で

顧客サービスと業務の効率化図る

東京電力(株)は、2010年度下期から新型電子式メーターの実証実験を開始する。東京都の一部地域で、住宅の電力メーターを通信機能等を備えた新しいメーターに交換し、新たな機能の働きを検証。結果をみて、自社エリア全戸への本格導入を検討する。

 

東京電力(株)(東電)は、2010年10月から東京都小平市、清瀬市の約9万世帯で、新型電子式メーター(新メーター)の実証実験を開始する。

新メーターは、通信装置、開閉器を備え、メーターの計量値を30分ごとに記録することができる。図のように、新メーター同士で通信することにより、各々の計量データを集約装置まで伝送。集めたデータは、通信回線を通して東電事業所などに伝送する。

通信機能付き電気計器の導入で先行する関西電力(株)の使用するものに似ているが、本メーターは大崎電気工業(株)、東光東芝メーターシステムズ(株)、富士電機ホールディングス(株)、三菱電機(株)と東電が共同開発したもの。

新メーターの導入により、東電は、顧客サービスの向上と業務運営の効率化が期待されるとしている。具体的には、(1)30分ごとの電気の使用状況を記録することにより、インターネットで顧客に使用状況を知らせたり、契約内容・電気機器使用に関するアドバイスをすることが可能になる、(2)停電時、遠隔でメーターの通電状況を確認できるため、復旧作業が迅速になる、(3)引っ越し時や契約変更にあたり、遠隔操作で作業を実施できる、等があげられる。

通信機能を検証

今回の実験では、各世帯に設置した新メーターの遠隔操作や計量値の記録が問題なく働くかどうか、2〜3年をかけて検証する。通信装置の作業性を確認する実験であるため、光ケーブルのインフラ整備が進んでいる小平、清瀬の両市を対象とした。新メーターの設置費用は東電が負担し、所有者も東電となる。

実証実験後には、自社エリアの住宅を中心とした約2700万世帯すべてを新メーターに切り替える方針。

検則改正で通信機能付電気計器の検定に対応

今回の新メーターを含む普通電力量計は、特定計量器として10年に一度、検定を受けなければならないことが計量法で定められている。

3月1日、検定試験項目を定める「特定計量器検定検査規則」(平成五年通商産業省令第七十号)が一部改正され、公布された。

この改正では、電気計器の技術基準に、2009年制定されたJIS規格(日本工業規格)が引用された。JIS引用により通信機能を備えた電気計器に対応した「出力機構」(コード化された電文信号を出力するためのもの)に関する試験項目が追加された。

これらの改正は、新技術への的確な対応を図る観点、また技術基準等の国際整合性を図っていく観点から、JISが定められている場合は技術基準にJISを引用するという、一連の改正作業の一環である。

通信機能付きの電気計器については、近年その数が増加していることもあり、今回の改正で技術基準に取り入れた。改正で引用されたJISは次のとおり。計器用変成器を除いて「出力機構」の試験項目がある。

▽最大需要電力量計(JIS C1283−2)▽電力量計(単独計器)(JIS C1211−2)▽電力量計(変成器付計器)(JIS C1216−2)▽特別精密電力量計(JIS C1216−2)▽精密電力量計(JIS C1216−2)▽直流電力量計(JIS C1216−2)▽無効電力量計(JIS C1263−2)▽計器用変成器(JIS C1736−2)

日本計量新報 2010年3月28日 (2815)

産総研
非自動はかりの型式承認申請手順に関する説明会
4月16日、東京都千代田区で

(独)産業技術総合研究所は、非自動はかりの型式承認申請手順に関する説明会を、2010年4月16日(金)、東京都千代田区の総評会館で開催する。

2000年8月に改正された技術基準により、非自動はかりの精度等級区分はT級、U級、V級、W級の4つの等級に分かれることになった。旧技術基準下で型式承認を取得した非自動はかり(精度等級がH級、M級、O級のもの)については、経過措置として、2010年8月31日までは特定計量器として製造することが認められていた。

今回の説明会は、この経過措置の期間が満了することから、型式承認申請手順について改めて説明するもの。

(独)産業技術総合研究所は、計量器の型式承認に係る手数料の算定方法について、モジュール評価の導入などを含め、現在見直しを進めている。手数料関係法令の施行の時期は、10年6〜7月を目標としており、製品によっては、法令施行後、大幅に手数料が変更される可能性がある。新型式承認申請手順を十分に理解して対応する必要がある。

【日時】4月16日(金)13時30分〜17時(予定)※受付開始は13時〜

【場所】総評会館(東京都千代田区神田駿河台3−2−11、電話03−3253−1771)

【内容】(1)非自動はかりの型式承認申請手順(2)非自動はかりの2010年経過措置満了に関する説明

【参加費】無料

【申し込み方法】会社名、参加者氏名、所属部署、電話番号、Eメールアドレスを明記の上、4月9日(金)までにEメールまたはFAXで申し込み。 1社2名まで可。ただし、定員がオーバーしそうになった場合、1名に絞ることを要請する可能性あり。

【申し込み・問い合わせ先】(独)産業技術総合研究所法定計量技術科、担当伊藤武、福崎知子、井上太(〒305−8563、茨城県つくば市梅園1−1−1つくば中央第3、電話029−861−4057、FAX029−861−4055、Eメールryoukinkaitei@m.aist.go.jp

※日本計量新報の購読、見本誌の請求はこちら


記事目次日本計量新報全紙面
HOME
Copyright (C)2006 株式会社日本計量新報社. All rights reserved.