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日本計量新報 2010年5月23日 (2822号)

計量計測関連企業
平成22年3月期決算

依然厳しい結果が出揃う
回復の兆しも

計量計測関連企業の2010(平成22)年3月期決算が出揃った。期前半の景気の落ち込みが影響し、後半に回復の兆しがでてきたものの、依然売上減や損失を計上している。


各社の決算は次の通り。

エー・アンド・デイ

エー・アンド・デイグループでは、積極的な新製品の投入をするとともに、新市場の開拓や新規顧客の獲得に尽力している。また、新技術を応用したシステム製品の開発を推進し、自動車メーカーを中心に受注獲得に注力してきた。しかし、世界同時不況の影響が残る上期の業績は低迷し、下期には改善の兆しが見られたものの厳しい状況となった。経費圧縮については、販売費および一般管理費を中心に固定費の削減にグループをあげて取り組んできたが、売上の大幅な減少をカバーするには至らなかった。

この結果、当連結会計年度の売上高は286億51百万円(前年同期比11・0%減)、営業損失は13億21百万円(前年同期は営業損失1億47百万円)、経常損失は13億55百万円(前年同期は経常損失17億67百万円)、当期純損失は22億37百万円(前年同期は当期純損失22億63百万円)となった。

長野計器

長野計器グループが関連する業界においては、特に低迷が続いていた産業機械業界、半導体業界、空圧機器業界などで需要回復の兆しはあったものの、景気低迷による設備投資の抑制が依然として続き、総じて低水準のまま推移し、売上は大幅に減少した。

この結果、当連結会計年度の売上高は317億54百万円(前年同期比18.5%減)となった。

損益面については、全社をあげて製造コストの低減や販売費および一般管理費の削減に取り組んだが、売上の大幅な減少、棚卸資産の廃棄および評価損の計上、並びに外国為替相場が前年同期に対して円高に推移したことによる為替差損1億33百万円の発生などにより、営業損失は8億11百万円(前年同期は9億51百万円の営業損失)、経常損失は8億30百万円(前年同期は12億71百万円の経常損失)となった。純損益については、経営環境の著しい悪化により収益性が低下した固定資産の減損処理を行い、21億56百万円の減損損失を計上したことにより、当期純損失は27億43百万円(前年同期は32億57百万円の純損失)となった。

なお、当連結会計年度の業績は、低水準のまま推移したが、年度後半に需要回復の動きが見られたことなどから、下半期の売上高は上半期と比べ23・9%増加し、さらに費用削減活動の効果もあり、下半期の営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも黒字転換を果たすことができた。

次期の連結業績見通しは、売上高355億60百万円、営業利益9億60百万円、経常利益6億90百万円、当期純利益5億80百万円を予想している。

オーバル

オーバルグループは、2005 年4 月に策定した中期経営計画CHANGE &CHALLENGE OVAL 2010の最終年度として、その戦略を実行してきた。その結果、コストダウンの推進や財務体質の改善、会計基準の変更等に対応してくることができた。また、横浜事業所では5S活動の更なる展開により生産性の向上に努め、積極的な研修活動等により企業評価を高めてきたが、世界的経済環境の悪化影響により、残念ながら数値目標を達成することはできなかった。受注面ではASEAN地区の大口物件プロジェクトが前半約6カ月間中断したことなど主力顧客全体で減少となり、電気・輸送機械市場で前連結会計年度比41.9%減、石油市場は前連結会計年度比26.0%減、化学市場も前連結会計年度比19.0%減となり、当連結会計年度の受注高は前連結会計年度比26.6%減の100億68百万円となった。

売上面でも、受注動向と同様に電気・輸送機械市場で前連結会計年度比44.8%減、化学市場では前連結会計年度比19.6%減、また輸出でも前連結会計年度比45.6%減となり、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比29.8%減の99億41百万円となった。当連結会計年度末の受注残高は、受注高が売上高を上回ったことから17億81百万円となり、前連結会計年度末より1億27百万円の増加となった。利益面では、経費削減・原価低減への取り組みを継続的に行ってきたが、売上高の減少分を吸収しきれず、営業損失10百万円(前連結会計年度は営業利益5億36百万円)となったが、助成金収入や為替差益等の営業外収益により、経常利益は前連結会計年度比71.7%減の1億46百万円となり、当期純利益は前連結会計年度比96・6%減の13百万円となった。

このような状況下、次年度から新たに策定した中期経営計画オーバル フェニックスプラン2015に基づき、新製品開発やコストダウン等による競争力の強化を図り業績の向上に邁進していく。次期(平成23年3月期)の業績見通しは、連結売上高110億円、連結営業利益1億60百万円、連結経常利益1億69百万円、連結当期純利益78百万円を見込んでいる。

(次号以下につづく)

日本計量新報 2010年5月23日 (2822号)

島津製作所
Amidia初の分析天びん
「ATX/ATYシリーズ」

埼玉県計量士会は、5月18日()、埼玉県さいたま市「ホテルブリランテ武蔵野」で、第43回通常総会と、同会の創立40周年記念式典を開催した。

高級機に匹敵する性能を実現しながらも、機能を見直して価格を抑え、質感の高さを実現している。ATXシリーズは校正用分銅内蔵型(ATYシリーズは外部分銅)。

主な特長は以下の通り。

▽スマートセッティング=測定途中に、「もう少し表示を安定させたい」または逆に「反応スピードをアップさせたい」と感じたとき、測定を中断することなく簡単に調整ができる。調整状態がすぐわかる専用インディケータ付き。

▽ワンボタン校正(ATXのみ)=校正は指一本、キー操作のみ。必要なときに内蔵分銅でいつでも校正できる。

▽皿の大きさはΦ91mm=従来機種 (Φ80mm) より10mm以上大きくなった。

▽「Uni Bloc」搭載=ねじやバネを使用しないアルミ一体型質量センサで、壊れにくく性能も良い。

▽個数測定サンプルを5個までメモリ可能。

▽コンパレータ機能=目標値や上下限値に対する合否判定結果を表示。

▽積み込み測定。

▽%(パーセント)測定。

▽Windows直結機能=EXCELなどに、天びんのデータを直接取り込める(特許)。

▽ISOに対応。

▽校正用外部分銅の値を入力可能。

【ひょう量/最小表示】

▽ATX224=220g/0.1mg▽ATX124=120g/0.1mg▽ATX84=82g/0.1mg▽ATY224=220g/0.1g▽ATY124=120g/0.1mg▽ATY64=62g/0.1mg

【本体寸法】約幅213×奥行356×高さ338mm

【価格】】▽ATX224=16万8000円▽ATX124=15万7500円▽ATX84=14万7000円▽ATY224=15万7500円▽ATY124=14万7000円▽ATY64=13万6500円

日本計量新報 2010年5月23日 (2822号)

(株)イシダ社長に石田隆英氏

(株)イシダ(京都市左京区聖護院山王町44、電話075−771−4141は、2010年5月19日の定時株主総会および取締役会で社長を交代、石田隆英(いしだ・たかひで)氏が代表取締役社長に就任した。前役職は取締役副社長。

前社長の石田隆一氏は、取締役会長に就任した。

(詳細は次号以下)

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