第18回 品質工学研究発表大会ひらく
103件にのぼる研究発表
テーマ「技術者の思考力を強化する品質工学」
850名以上が参加
品質工学会は、第18回品質工学研究発表大会を6月7日(月)と8日(火)、きゅりあん(東京都品川区)で開催した。当日の入場者数は、2日間合計で850名を超えた。研究発表は、壇上発表・ポスター発表を合わせて103件。
今回のテーマは、「技術者の思考力を強化する品質工学」。「技術者が、品質工学によって発想を変えることで、従来の考え方から解放される」という意見をもとに決定され、それに沿ってプログラムが編成された。
発表は、壇上発表とポスター発表の2種。
壇上発表は、「技術者の探求」「技術者の執念」「MTシステムの研究」「解析手法の研究」などのおおまかなテーマに分かれ、それぞれが持ち時間15分で発表を行った。各自の発表後は質疑応答。
ポスター発表は、三つの会場で同時に発表が行われ、会場ごとに「植物・食品・生活系」「加工技術」「普及・教育」などのテーマが設けられた。
近年、品質工学は従来の工業分野だけにとどまらず、農業分野への応用へ広がりを見せており、このような新しい試みに対して、参加者からも活発な質疑があった。
大会で発表された研究事例の中から、(財)精密測定技術振興財団品質工学賞発表賞等を決定した。
特別講演は、柘植綾夫氏(芝浦工業大学学長、(社)日本光学アカデミー政策委員長)による「21世紀日本新生に向けたイノベーション創出能力」。
【(財)精密測定技術振興財団品質工学賞発表賞】
▽金賞=「オンライン・オフラインQE融合による製造ライン構想設計技術の開発」(マツダ(株)井田吉人・中田行俊・高橋克典)▽銀賞=「レンズアクチュエータのロバスト設計」(コニカミノルタオプト(株)中垣保孝・八木克哉・波多野洋・山崎茂・黒釜龍司、コニカミノルタテクノロジーセンター(株)田村希志臣▽銀賞=「測長システムの機能性評価と設備投資評価の検討」(富士ゼロックス(株)曽我光英)▽銀賞=「スポット溶接の評価システムの再構築」(マツダ(株)森川賢一・松井克真)
【品質工学会会長賞】
「超硬合金粉末のふるい工程における運転条件の最適化」((株)サン・アロイ志田穣太郎・佐々木賢)
【品質工学研究発表大会実行委員長賞】
「ソフトウェア開発の基本機能(第2報)机上実験と事例研究による効果推定」(松坂ティーエムコンサルタンツ(株)松坂昌司)
会長に伊藤源嗣氏
6月8日に開催された品質工学会の総会では、役員が改選され、会長に伊藤源嗣氏((株)IHI、(社)日本機械工業連合会会長)が就任した。
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