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日本計量新報 2010年8月1日 (2832号)

自然への誘い
白雲たなびく立山登山

手軽に3000メートル級の山に登るために、立山黒部アルペンルートを利用する。富山側からと長野側からの交通が、立山(3015メートル)や剱岳(2999メートル)の登山の起点になる室堂(2450メートル)に通じている。室堂では、国の天然記念物の雷鳥(らいちょう)が頻繁に姿を見せる、凄いところである。室堂から立山三山の一つの雄山(おやま)(3003メートル)への道のりは、歩いて2時間。平地の2時間ではないからきつい。休み時間を含めて4時間を割り当てると無理のない登山ができる。写真は室堂から1時間ほど登った一ノ越付近。午後の山には白い雲が沸きはじめている。ズック靴を履いた子どもが平気で登っていた。緑の山、青い空、白い雲、息絶え絶えに格闘している登山者の姿が、この山を象徴している。

この日、私は午前9時30分扇沢発、黒部ダム経由で室堂に至り、室堂を午後0時20分に歩き出して、一ノ越、雄山を経て大汝山(おおなんじやま)(3015メートル)に午後5時に着いて、ここに宿泊した。大汝山の山頂直下には休憩所と称する小屋があって、知る人だけが泊まれるようになっている。7月18日、この小屋には5人の宿泊者があった。地元富山の人、愛知の人、東京の人、神奈川の人などで、うち2名は写真愛好家。夕と朝には、陽が織りなす陰影と色彩を写し取ることに没頭。仏頂面でいられないので、私も仲間に加わって、山小屋の主人に周囲の山の名前を聞きながら暮れゆく山の景色を撮りまくり、日が落ちたあとに「ああっ、興奮した」と一言。次の日は立山三山の富士の折立(おりたて)(2999メートル)を経由し、別山(べつざん)乗越(のっこし)から雷鳥沢に降りて、再び室堂に至った。

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