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日本計量新報 2010年11月7日 (2845号)

2010計量記念日全国大会開く
12氏に計量関係功労者経済産業大臣表彰

左から、計量記念日式典のようす、何でもはかってみようコンテスト受賞者 

産業技術環境局長表彰4氏
特別講演は林泰弘氏
「スマートグリッドが切り開く未来」

経済産業省・計量記念日組織委員会が主催する「2010(平成22)年度計量記念日全国大会」が11月1日(月)、東京都港区のホテルインターコンチネンタル東京ベイで開かれ、全国から計量計測関係者が多数集まった。大会は計量記念日式典、記念行事、レセプションの3部構成。記念日式典では大臣表彰と局長表彰の表彰式が、記念行事では「何でもはかってみようコンテスト」と「計量啓発標語」の表彰式が挙行された。特別講演は、林泰弘早稲田大学大学院先進理工学研究科電気・情報生命専攻・教授による「スマートグリッドが切り開く未来」。11月1日の計量記念日を中心に、東京の「都民計量のひろば」など全国で計量記念日行事が繰り広げられている。


林田洋太郎氏が受賞者代表謝辞

13時30分に開会した第1部は、計量記念日式典。

司会は吉川雅之計量行政室長。田嶋要経済産業大臣政務官が経済産業省式辞を述べた。「計量関係功労者」に対する経済産業大臣表彰が挙行され、12氏が受賞した(表彰者名は別項)。

昨年復活した「優良適正計量管理事業所表彰」は、本年度は該当事業所なし。

2008年に新設された、計量制度運営等貢献者を表彰する「産業技術環境局長表彰」は4氏が受賞した。

「計量関係功労者表彰」は、計量関係事業者、計量関係団体の役員、計量士または計量関係公務員として、多年にわたって計量関係事業の発展、計量器の発展・改善、計量思想の普及または計量行政の運営などに尽力し、その功績が顕著であったと認められる者を表彰するもの。

「産業技術環境局長表彰」は、計量士国家試験委員、法定計量に関する国際会議において活躍した者として、多年にわたって計量制度の運営等に尽力し、その功績が顕著であると認められる者を表彰するものである。

「計量関係功労者表彰」は田嶋要経済産業大臣政務官が、「産業技術環境局長表彰」は菅原郁郎産業技術環境局長が、受賞者に表彰状と記念品を手渡した。

受賞者を代表して、林田洋太郎氏(元・旭エンジニアリング(株)計装担当計量グループ)が謝辞を述べた。式典終了後、受賞者は記念撮影をした。

「何でもはかってみようコンテスト」「計量啓発標語」優秀作品発表

14時30分に開始した第2部は記念行事。

司会は河住春樹(社)日本計量振興協会専務理事。飯塚幸三計量記念日組織委員長((社)日本計量振興協会会長)があいさつした。

事前に募集をしていた、「何でもはかってみようコンテスト」と「計量啓発標語」の優秀作品を発表、表彰した。

今年で6年目となる「何でもはかってみようコンテスト」には、83点の応募があり、最優秀作品賞1点、優秀作品賞2点、奨励賞20点が選定された。北森俊行審査委員長(東京大学名誉教授)が講評し、最優秀作品賞と優秀作品賞を受賞した計3名を表彰した。

「計量啓発標語」には951点の応募があり、最優秀作品賞1点、優秀作品賞2点、佳作10点が選定された。

同コンテストは、小学生が身近なものについて、多用な方法や考え方によって、「はかる」ことを実践し、「はかることの楽しさ」、「はかることの大切さ」を体験できる場を提供することにより、小学生の計量に関する理解の向上と理科教育および考えることの学習の推進を図ることを目的に催されている。

最優秀作品賞は、「新聞紙1枚をはかる」(本橋悠くん、茨城県つくば市立二の宮小学校5年)。優秀作品賞は、「おばあちゃんちまでなんぽでいけるかな?」(山岸しずくさん、福島県福島市立庭坂小学校1年)、「おいしい水探し〜おいしい水発見!〜」(坪井あかねさん、静岡県富士市立岩松北小学校4年)が受賞した。

最優秀作品は、身近な新聞紙が色々なことに使われていることに注目し、さまざまな視点(重さ、長さ、保温効果、吸水力など)から新聞紙を計っていることに関心が集まった。表彰された3作品は、いずれもごく身近な題材を数値化していることが評価された。

計量啓発標語は、広く計量への参加意識を高めてもらうことを目的に募集している。

最優秀作品賞は、「正確に はかってふえる 信用・信頼」(松本莉奈さん、筑西市立関城東小学校)。優秀作品賞は、「測って納得 暮らしに生きてる 計量習慣」(田原由雄氏、パナソニックエレクトロニクスデバイス(株))と「高い技術と正しい計測 品質守る一目盛」(工藤誠氏、住友電気工業(株))。

特別講演は「スマートグリッドが切り開く未来」

特別講演は、林泰弘早稲田大学大学院先進理工学研究科電気・情報生命専攻・教授による「スマートグリッドが切り開く未来」。

林氏の専門は、電力システム工学で、主として分散型電源が連系された配電ネットワークの運用・計画・制御、解析の最適化、スマートグリッドの研究に従事。経済産業省スマートメーター制度検討会座長ならびに次世代送配電システム制度検討会委員を務める。

講演内容は、低炭素社会を支えるインフラとして、国内外で関心の高まっているスマートグリッド(次世代送配電網)について。スマートグリッドが必要になった背景、概念および機能などを紹介するとともに、スマートグリッドが切り開く今後の経済、社会の展望について概観した。

17時開会の第3部は、レセプション。関係者が和やかに歓談した。

飯塚幸三計量記念日組織委員会委員長((社)日本計量振興協会会長)があいさつをし、山本達夫経済産業省産業技術環境局大臣官房審議官(基準認証担当)と、三木幸信(独)産業技術総合研究所計量標準総合センター代表(計測標準研究部門長)が祝辞を述べた。

乾杯の発声は、藤吉建二計量行政審議会会長(三井化学(株)代表取締役会長)。宴たけなわのころ、宮下茂(株)日本計量機器工業連合会会長が中締めをした。

参会者は、中締め後もしばらく旧交を温め、計量が産業に対して担っている重要な役割について意見を交わした。

日本計量新報 2010年11月7日 (2845号)

2010年度
経済産業大臣表彰者
産業技術環境局長表彰者

 
謝辞を述べる林田洋太郎氏
 

【計量関係功労者表彰(経済産業大臣表彰)】(五十音順、敬称略)

▽井筒史朗(大阪府計量証明自治会会長)▽猪木武良((有)イノキメンテナンス代表取締役)▽加藤啓二(仙台環境科学(株)代表取締役)▽庄野隆義(徳島県計量検定所次長)▽田中悌司((株)田中衡機工業所代表取締役会長)▽田村愃(長野計器(株)常勤監査役)▽長坂康男(長坂染革(株)代表取締役)▽中山孝昭((株)中山金物店代表取締役)▽林田洋太郎(元・旭エンジニアリング(株)計装担当計量グループ)▽藤井瑞子((社)広島県計量協会理事)▽本橋俊明((株)タツノ・メカトロニクス技術担当兼工場運営担当・専務取締役)▽安中力三((社)長崎県計量協会理事)

【計量制度運営等貢献者表彰(産業技術環境局長表彰)】(五十音順、敬称略)

▽川口洋一(学習院女子大学国際文化交流部教授)▽田中敏之(帝京科学大学生命環境学部環境科学科教授)▽豊田幸司(元・(独)産業技術総合研究所成果普及部門計量標準管理部標準供給保証室シニアリサーチャー)▽堀田正美((独)産業技術総合研究所計測標準部門計量標準技術科科長)

日本計量新報 2010年11月7日 (2845号)

秋の叙勲

【旭日双光章】山上晴美(78、山上紙業(株)代表取締役会長、大阪府紙料協同組合理事長、(社)大阪府計量協会常任理事、大阪府計量証明協会会長)

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