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日本計量新報 2011年1月1日 (2852号第1部)

八ヶ岳連峰と主峰の赤岳

 
 
 

写真中央は、八ヶ岳連峰主峰の赤岳(2899m)。左から順に、横岳、赤岳、中岳、背後の山の権現岳、阿弥陀岳とつづく。八ヶ岳連峰は山梨県と長野県の県境に大きくまたがって連なる連峰で、南八ヶ岳と北八ヶ岳に分けられる。北八ヶ岳は長野県に属し、南八ヶ岳は山梨県と長野県の二つの県の境界に位置する。
 山を好きになってもらいたい知り合いがいたら、夏の天気の良い日に1泊2日の日程で赤岳もしくは硫黄岳に登ったらいい。頑健な人であれば、さらに阿弥陀岳、中岳、赤岳、横岳 、硫黄岳と縦走するとよい。眼下には諏訪地方と野辺山方面の平地がみえ、川上村などの高原野菜のビニールハウスが白く輝いているので、そこに人の営みを強く感じることであろう。3000メートルに近づいた高い山の空の青さは衝撃であり、澄んだ空気と太陽のまぶしさが、人の心と体を日常から解放する。イワヒバリが岩壁の突端でさえずり、チシマギキョウの濃紺の花があでやかで、砂礫に咲くピンクのコマクサが、懸命な生命活動を見せてくれる。また、硫黄岳の爆発火口は、この山域が火山帯であることを物語っている。地質の面からも植生の面からも気象の面からも八ヶ岳連峰は高山としての要素をふんだんに盛り込んでいるので、多くの人は山のすばらしさを余すところなく知ることとなり、登山愛好家に変わっていく。
 最近は、登山者にも変化が見られる。1960年代、登山は数少ない余暇の対象であり、人によっては英雄主義の発露の対象であった。今は「山ガール」という流行語が生まれるほど、ファッションとして気楽に山を楽しむ若者が増えている。(文章は旅行家 甲斐鐵太郎)

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