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日本計量新報 2011年2月27日 (2859号)

第10回スマートメーター制度検討会
2020年代早期の全面導入目指す

要件や課題など報告書案を審議
電力会社の取り組みは11年度早期に報告

経済産業省が主催する「第10回スマートメーター制度検討会」(林泰弘座長)が、2月17日、経済産業省で開かれ、報告書案を審議した。報告書案は概ね了承され、委員の意見を踏まえた修正は林座長に一任された。報告書は、遠隔検針(インターバル検針)、遠隔開閉、計測データの収集発信の機能を有する狭義のスマートメーター(次世代メーター)を、2020年代の可能な限り早い時期に、原則すべての需要家に導入できるよう、官民一体となって取り組んでいくことが期待されるとしている。電力会社の取り組みは、11年度早期の制度検討会で報告し、1年に1回程度検証する。


 
制度検討会のようす
 

メーターの基本要件、今後の対応まとめる

報告書案の概要は次のとおり。

本報告書案は、スマートメーターの基本要件、導入に向けた課題、今後の対応などをとりまとめたもの。

省エネ・低炭素社会実現促す

スマートメーター導入で、省エネ意識を高め、需要家の行動変化を促すことが期待されている。新しいサービスの創出による経済の活性化や社会的コストの低減なども期待されている。

狭義のスマートメーターを導入

当面導入を進めるスマートメーター(次世代メーター)は、遠隔検針(インターバル検針)、遠隔開閉、計測データの収集発信の機能を有する狭義のメーターとする。

広義のスマートメーターに関しては、需要家のニーズを踏まえ、将来改めて検討することが適当。

情報は需要家が自己コントロール

電力量など使用情報は、需要家による情報の自己コントロールの確保が基本的な考え方。情報は電力会社などから需要家に適正に提供されるべきものである。

現時点で提供される情報は電力使用量、逆潮流値、時刻情報の3つ、測定間隔は30分。情報提供のタイミングは原則翌日まで。スマートメーターから需要家への情報提供ルートは限定しない。

通信方式は、現時点ではどれか一つに特定することは困難である。少なくとも、提供情報のフォーマットは統一される(標準化する)必要がある。

メーターとHAN(ホーム・エリア・ネットワーク)間のインターフェースは、別の場で引き続き検討する。

プライバシー・セキュリティの確保

メーターから提供される情報は、個人情報に該当するため、現行の個人情報保護制度に則った対応が必要である。原則として、本人の同意を得ることなく情報を第3者に提供することは認められていない。情報の提供を受けた第3者も個人情報取扱事業者としての義務を負う。

(次号以下へつづく)

日本計量新報 2011年2月27日 (2858号)

10年度 第2回国計連ひらく
国際度量衡総会、10月に

2010年度第2回国際計量研究連絡委員会(国計連)が、2011年2月18日(金)、東京都港区で開催された。今回の議題は以下の通り。

(1)>「第24回国際度量衡総会について」田中充((独)産業技術総合研究所副研究統括・国際度量衡委員)=2011年10月17日(月)から10月21日(金)までパリで開催される第24回国際度量衡総会の概要について説明した。

国際度量衡総会は4年に1度開催される。今回予定されている決議案は、「今後考えられる国際単位系(SI)改訂について」「気候変動モニタリングのための測定をSIトレーサブルな基準に基づいて行うための、国際協力の重要性について」「メートル現示法の改定および新光周波数標準の開発について」「共通の地球基準座標系の採択について」など。

国際単位系改訂(プランク定数によるキログラムの再定義など)については、「国際度量衡委員会の(現時点での)意向を、(総会として)認識する」といったところまでの決議に留まる見込み。

(2)「食品分析に係わる標準物質開発と技能試験の動向」古井聡((独)農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所)=遺伝子組み換え体の検査に用いる認証標準物質の開発と最近の動向、食品総合研究所が提供する技能試験の概要を説明した。

(3) 「適合性評価と国際標準化における計測標準の貢献」瀬田勝男((独)産業技術総合研究所国際標準推進部)

(4)その他(分科会、計量関連国際会議の動向など)藤間一郎((独)産業技術総合研究所計量標準管理センター国際計量室)

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