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日本計量新報 2011年6月12日 (2873号)

長い低迷期を脱し、好調続出
計量計測関連企業の平成23年3月期決算

震災の影響は今期に持ち越しか

2011(平成23)年3月期決算の時期を迎え、各社の決算が出揃った。リーマンショック以来の長い低迷期を脱し、好調な決算が続出している。3月11日に発生した東日本大震災の影響が大きく出る前に決算を迎えたことで、大きな影響は今期に持ち越された。


エー・アンド・デイ

2011(平成23)年3月期連結会計年度の売上高は306億69百万円(前連結会計年度比7・0%増)、営業利益は5億54百万円(前連結会計年度は13億21百万円の損失)、経常利益は2億94百万円(前連結会計年度は13億55百万円の損失)、当期純利益は5億37百万円(前連結会計年度は22億37百万円の損失)となった。

セグメント別に見てみると、計測・計量機器事業は、売上高は172億13百万円、営業損失は82百万円となった。医療・健康機器事業は、売上高は134億55百万円、営業利益は19億11百万円となった。

次期の見通しは、東日本大震災の影響により生産や消費の停滞が懸念されるものの、アジア向けを中心に輸出の増勢が見込まれ、企業業績は堅調に推移するものと予想している。また、設備投資に関しても改善の兆しが見られ、景気は緩やかに回復するものとみている。米国においては、企業業績や雇用情勢に改善の兆しが見られることから、景気は緩やかな回復が続く見込みで、欧州でも財政危機に直面する一部の国で停滞しているものの、ドイツなど主要国を中心に改善が続いており、同社の主要市場であるロシアでも、資源価格の高騰を受けて経済は大幅に改善するものと見込んでいる。

長野計器

長野計器グループの主要需要先である産業機械・プロセス業界への売上は順調に回復し、とくに前期設備投資の抑制や在庫調整により低調であった半導体業界、建設機械業界および空圧機器業界の生産回復に伴う需要が旺盛であったことから、売上は増加した。この結果、当連結会計年度の売上高は381億15百万円(前年同期比20.0%増)となった。

利益面は、売上高の増加及び経営改善計画による収益力の強化策とした原価低減活動の効果により、営業利益は14億10百万円(前年同期は8億11百万円の営業損失)となった。また、円高の進行により1億95百万円の為替差損が発生し、経常利益は10億78百万円(前年同期は8億30百万円の経常損失)、当期純利益は6億56百万円(前年同期は27億43百万円の純損失)となった。

各事業の売上高は、次のとおり。

▽圧力計事業の売上高は180億44百万円(前年同期比8.5%増)となった。

▽圧力センサ事業の売上高は108億24百万円(前年同期比42.9%増)となった。

▽計測制御機器事業の売上高は51億96百万円(前年同期比31.2%増)となった。

▽その他事業の売上高は40億49百万円(前年同期比13.0%増)となった。

次期の連結業績見通しは、売上高411億円、営業利益16億30千円、経常利益15億40千円、当期純利益10億20千円を予想している。(業績見通しの前提となる為替レートは、1米ドル=82円、1ユーロ=115円)

愛知時計電機

愛知時計電機グループは、事業基盤の再構築と、成長路線への躍進に向けた諸施策を展開してきた。

まず、事業基盤の再構築としては、抜本的な内・外製の見直しと、国内生産拠点の効率的な活用を積極的に推進し、一方で、新たな部品調達のため、ベトナムと中国・大連市に現地法人を設立した。新生産管理システムの稼働に向けて課題の解決に取り組むなど、「ものづくり改革」に関わる施策を強力に推進した。成長分野においては、コア技術を活かした電磁流量計や超音波流量計の拡販に向けて、新市場分野への営業開発体制強化を図るとともに、水道メーターやガスメーターについても、米国やEU市場、その他アジア地域への拡販を進めてきた。

こうした結果、売上高は前期比2.0%増の368億82百万円、営業利益は前期比39.8%増の20億74百万円、経常利益は前期比37.4%増の20億89百万円、当期純利益も前期比33.0%増の11億65百万円の増収増益となった。

事業部門別の状況は次のとおり。

計測器関連事業の売上高は、前期比1.9%増の367億72百万円となった。計量器関連の各分野別の状況としては、ガス関連機器は、売上高は前期比微減の154億43百万円。水道関連機器は売上高は前期比6.7%増の163億53百万円。民需センサ・システムは売上高は前期比14.8%増の12億56百万円。計装の売上高は前期比11.1%減の37億18百万円。

特機関連事業は、売上高は前期比25.2%増の1億9百万円となった。

次期の業績については、売上高は381億円(前期比3.3%増)、営業利益は23億90百万円(前期比15.2%増)、経常利益は24億円(前期比14.9%増)、当期純利益は13億40百万円(前期比15.0%増)を見込んでいる。

(次号以下につづく)

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