計量計測関連企業
2012年3月期
第1四半期決算出揃う
震災、円高の影響あるも
概ね順調に推移
計量計測関連企業の2012年3月期の第1四半期決算が出揃った。同期は、東日本大震災と原発問題、急激な為替環境の影響が懸念されたが、各社とも概ね順調に推移した。
各社概要は次の通り。
長野計器
震災の影響により自動車関連業界での需要が減少したものの、産業機械、建設機械業界および空圧機器業界での需要は堅調に推移した。対米ドルの為替レートが前年同期に対して約11%の円高になったことに伴う連結での為替換算による減収影響があったが、売上高は99億70百万円(前年同期比2・7%増)となった。利益面では、営業利益1億92百万円(前年同期比23・1%減)、経常利益1億15百万円(前年同期比7・8%増)、四半期純利益は87百万円(前年同期比583・1%増)となった。
圧力計事業の売上高は47億75百万円(前年同期比0・3%増)。圧力センサ事業の売上高は29億65百万円(前年同期比16・5%増)。計測制御機器事業の売上高は12億28百万円(前年同期比11・2%減)。その他事業の売上高は10億1百万円(前年同期比1・9%減)となった。
愛知時計電機
前期に続いて素材関連価格の高値推移や製品需要サイクル下降期などの影響を受けるとともに、震災および電力不足に伴う市場の低迷も重なるなど、厳しい状況が続いた。このような経営環境のなか、事業基盤の再構築と成長分野への積極的な展開を進めてきた。売上高は、前年同期比3・3%増加の79億92百万円となった。利益面は、営業利益は35百万円(前年同期に比べ79百万円の増益)、経常利益は74百万円(前年同期に比べ77百万円の増益)、四半期純利益は法人税等の更正による還付額があり1億38百万円(前年同期に比べ1億70百万円の増益)となった。
エー・アンド・デイ
売上高は64億89百万円(前年同期比3・7%減)、営業損失は4億66百万円(前年同期は営業損失3億54百万円)、経常損失は5億46百万円(前年同期は経常損失5億57百万円)、四半期純損失は6億32百万円(前年同期は四半期純損失6億39百万円)となった。
計測・計量機器事業の売上高は37億66百万円(前年同期比4・0%増)、営業損失は2億22百万円(前年同期は営業損失4億88百万円)となった。
医療・健康機器事業の売上高は27億22百万円(前年同期比12・7%減)、営業利益は44百万円(前年同期比90・5%減)となった。
オーバル
中期経営計画「オーバル フェニックス プラン2015」に掲げた海外システムビジネスの拡大、新市場開拓などの諸戦略を推進するとともに製油所などの復旧工事対応を行なってきた。これらの結果、受注高は31億95百万円で前年同四半期に比べ32・5%の増加、売上高は27億34百万円で前年同四半期に比べ21・2%の増加となった。利益面では営業利益は2億1百万円で前年同四半期に比べ328・2%の増益、経常利益は2億2百万円で前年同四半期に比べ254・0%の増益、四半期純利益は1億14百万円で前年同四半期に比べ748・9%の増益となった。
事業部門別の状況は、次のとおり。
センサ部門の受注高は前年同四半期比32・7%増の18億64百万円、売上高は前年同四半期比43・3%増の18億19百万円となった。
システム部門の受注高は前年同四半期比100・5%増の6億81百万円だが、工期が長いため売上高は前年同四半期比13・0%減の2億85百万円となった。
サービス部門の受注高は前年同四半期比2・2%減の6億42百万円、売上高は前年同四半期比4・2%減の6億21百万円となった。
その他の部門の受注高、売上高は共に前年同四半期比25・7%減の6百万円となった。
キーエンス
中長期的な成長を維持する観点からも、企画開発面での充実、営業面での強化を図り、売上高は484億18百万円(前年同期比16・9%増)、営業利益は219億60百万円(前年同期比19・5%増)、経常利益は230億61百万円(前年同期比14・6%増)、四半期純利益は141億13百万円(前年同期比9・8%増)となった。
東亜DKK
全社全領域での構造改革でグローバル化を加速、V字回復を果たすことを経営課題として掲げ、所期の目標達成に鋭意取り組んできた。とりわけ東日本大震災による生産活動への影響を最小限に止めるため、直ちに災害対策本部を設置すると共に災害・危機突破宣言を発し、まずは復旧支援対策を講じてきた。
売上高29億83百万円(前年同期比7・9%増)、営業利益3億18百万円(前年同期比50・7%増)、経常利益3億39百万円(前年同期比59・8%増)、四半期純利益1億65百万円(前年同期比51・3%増)となった。
計測機器事業の売上高は29億9百万円(前年同期比8・1%増)と前年同期を上回った。
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