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日本計量新報 2011年12月18日 (2898号)

電気計測器売上、前年度比微増見込
電気計測器の中期予測2011〜2015

12年度以降も緩やかに伸長
12月9日発表

(社)日本電気計測器工業会(堀場厚会長)は、同工業会の統計データをもとに2015年度までの電気計測器の需要を予測し、冊子『電気計測器の中期予測2011〜2015年度』を発行した。同冊子は有料で頒布している。



当面は不確定要素も

2010年度は、中国を始めとする活況なアジア市場に牽引され、売上高は前年度比29・1%増の7975億円と大幅な増加となった。
 2011年3月11日の東日本大震災以降、多くの企業の壊滅的な被災やサプライチェーンの寸断などの影響で一時的な生産の停止・遅れが生じたが、関係者が一丸となった復旧への努力が功を奏し、予想以上の早い回復を実現しつつある。長期的な工場再建、プラント復興などの需要増加、震災後のリスク管理への投資や、環境・新エネルギー分野への投資増加などの追い風の要素がある一方、ギリシャに端を発した欧州経済圏の不安、一向に景気回復に向かわない米国、これらの影響による新興国の景気の失速などによる、輸出関連企業の業績悪化や、さらには円高による日本全体の景気の悪化も懸念される中、2011年度の売上高は、前年度比4・4%増の8329億円の見込みとした。
 2012年度も、当面の間、不確定要素が続くことが予測されるものの、売上高は前年度比2・5%増の8540億円、以降、2015年度まで緩やかに伸長すると予測している。
 項目別予測のダイジェストは、『日本計量新報』2899号第2部(2012年1月1日発行)にも掲載する。

「電気計測器の中期予測」冊子を頒布

(社)日本電気計測器工業会は、今回の予測内容を詳述した冊子『電気計測器の中期予測2011〜2015年度』を頒布している。
【発行日】2011年12月9日(金)
【価格(税込・送料別)】一般8400円、JEMIMA会員3150円
【掲載内容】▽序文▽第1章=本書の使い方▽第2章=中期予測の概要▽第3章=電気測定器(一般)の中期予測▽第4章=半導体・IC測定器の中期予測▽第5章=PA計測制御機器の中期予測▽第6章=指示計器の中期予測▽第7章=放射線計測器の中期予測▽第8章=環境計測器の中期予測▽第9章=電力量計の中期予測▽工業会自主統計
【申し込み先】JEMIMAウェブサイト
【問い合わせ先】(社)日本電気計測工業会需要予測委員会(事務局・赤羽)=電話03−3662−8182

日本計量新報 2011年12月18日 (2898号)

コンテナ車両の偏荷重
三次元計測システム完成
重心位置を数値とイラストで表示

コンテナ車両の偏荷重を三次元(左右、前後、高さ)で計測し、安全輸送に大きく貢献する大型トラックスケールが完成した。(財)横浜港湾貨物計量協会と鎌長製衡(株)が共同開発したもの。
 近年、海上コンテナを積んだトレーラーの横転事故が相次いでいる。横転事故の要因として、荷物が片側に寄って積まれたり、荷崩れを起こしたりして車両がバランスを崩すこと(=偏荷重)が考えられるが、運転者は積荷がどのように積まれているか知ることができない状況にある。
 (財)横浜港湾貨物計量協会と鎌長製衡(株)は、横浜の港湾内に設置したトラックスケールで、車両のバランス測定の開発を開始。2010年5月、日本で初めて二次元計測(左右方向の偏荷重測定)を完成させ、運転者に「輪重量」と「軸重量」の情報を提供してきた。
 さらに、今回開発した三次元計測システムでは、コンテナ車両の「重心位置(左右、前後、高さ)」のバランス情報を提供するとともに、数値とイラストでわかりやすく表示できるようになった(写真1)。
 三次元測定に要する時間はわずか3〜4秒ほど(写真2)。港湾物流を阻害することなく、コンテナ輸送の安全性を向上させることが期待できる。
 現在は、(財)横浜港湾貨物計量協会の大黒埠頭計量所で実証中。同協会の本牧埠頭計量所にも近日中に設置する予定。
(計測の仕組みなど、詳細は2012年1月に掲載)

(右から写真1の計測結果、写真2の実測風景)

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