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日本計量新報 2012年1月1日 (2899号第1部)

城端(じょうはな)曳山祭、 御神像の大黒天

大黒天  
 
 

 写真は、富山県南砺市城端(じょうはな)の城端曳山祭の一場面。
 5月はじめ、水田の幾つかには早くも淡い色の苗が風に揺らぎ、麦はもう十分に青々と背丈を伸ばしている。北陸自動車道の南側には、剱岳や立山がおりなす立山連峰が白く輝き、水田にその影を落とす。庄川の営みによってできた扇状地が砺波(となみ)平野である。散居ともよばれる農家屋根瓦は黒瓦で、家は屋敷林に囲まれている。西風と風雪、そして酷暑に対応するための屋敷林は「カイニョ」と呼ばれるが、由来は不明だ。
 砺波平野から、世界遺産になっている五箇山と白川方面に進路をとると、旧城端町の中心部に至る。
 「城端曳山祭」は、毎年5月4・5日に開催される国の重要無形文化財。4日の宵祭では、6カ町の民家が山宿となり、御神像が飾り山として安置される。西下町(にししもまち)が堯王、出丸町(でまるまち)が布袋、大工町(だいくまち)が関羽と周倉、東上町(ひがしかみまち)が寿老、西上町(にしかみまち)が恵比須、そして東下町(ひがししもまち)が大黒天である(写真)。
 御神像は、5日朝には曳山に載せられ、町内を巡行する。
 江戸期には絹織物で、明治期には軽工業で栄えてきた城端。曳山巡行のために道路を拡げたのは、ついこの前のことだ。
(文章 甲斐鐵太郎)

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