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日本計量新報 2012年3月4日 (2907号)

第10回 全国計量士大会開く
東京に175名の計量士が集合

新しい計量管理の構築めざす
計量管理と人事育成を討論

(社)日本計量振興協会(日計振)が主催して年1回開いている「第10回全国計量士大会」が、2月24日午後1時半から東京都港区のホテルインターコンチネンタル東京ベイで、175名の計量士、来賓が参加して開かれた。(社)日本計量振興協会の計量士関係事業の取り組み状況が報告された。金井一榮(社)埼玉県計量協会理事がコーディネーターとなり「新しい計量管理の構築を目指して」(サブテーマ・計量管理と人材育成)」をテーマに意見交換がおこなわれた。午後5時過ぎから懇親会が開かれ、6時半過ぎに閉会した。


新たな活躍の場を自ら切り開くべき時

同大会は、日計振計量士部会運営委員会(土井進委員長)が企画立案し、計量の制度や技術に関する最新情報を提供するとともに、参加者相互が交流と情報交換をして、計量士の資質の向上や地位の向上を支援することを目的にしている。
 総合司会は桑山重光日計振計量士部会副運営委員長。土井進同計量士部会長が開会あいさつし「この大会で人材育成に関する討議を深め、新しい計量管理を構築をめざして欲しい」と述べた。
 飯塚幸三同会会長が主催者あいさつをした。飯塚会長は、「全国計量士大会は今回で10回目の開催となり、日計振の行事として定着した。現在は計量士の新たな活躍の場を自ら切り開くべき時であり、今回の討議を楽しみにしている」と述べた。また日計振が進めている研修を紹介し、「多様な研修を実施しているので大いに利用して欲しい」とした。
 星野雄一経済産業省計量行政室長が、次のように来賓あいさつした。
 現在、計量制度にはさまざまな問題があり、2008年の『計量制度検討小委員会報告書』の提言に基づき、特定計量器の見直しなど、実現できるものから実施してきた。2月7日開催の全国計量行政会議で、これまでの取り組み状況と今後の検討方針(たたき台)を提示した。今後これを基に、広く意見交換をして、実施可能なものから進めていきたい。計量士の活用を図っていくためには制度をどのように変えていけばよいのかを考えてみたい。世界に通用する計量制度を考える時期にきている。
 河住春樹日計振専務理事が、計量管理や研修事業を中心に「日本計量振興協会の計量士関係事業の取り組み状況」を報告した。

広く人事育成重点に意見討論

■4件の事例報告
 金井一榮(社)埼玉県計量協会理事がまとめ役となり、意見交換をした。テーマは「新しい計量管理の構築を目指して」、副題は「計量管理と人材育成」。人材育成と計量管理の推進に重点を置いた事例報告をし、参加者が自由に意見交換した。
 事例報告は次の4件。@東京計量士会における計量管理を担う人材育成(溝口義浩〔東京計量士会〕)A流通事業所の現場の計量管理の進め方(阿知波正之〔愛知県計量士会〕)B総合電機メーカーの計量管理業務紹介(棗田雅則〔広島県計量士会〕)C計量計測技術センターにおける人材育成(池田秀和〔(一社)計量計測技術センター〕)
 討論は、事例報告に対する質問から始め、次に計量管理と人材育成に関する自由討論を実施した。討論では、計量士を活かすにはそれにふさわしい権限の附与などが必要だとして計量士制度の強化を訴える意見も出た。一方、制度が整うことを他律的に待つのではなく、自ら状況を切り開く努力をすべきで、そういう計量士を育成することが重要だという意見も出された。
■懇親会で交流深める
 懇親会の司会は、白鳥慎治計量士部会運営委員。楠輝雄日計振副会長があいさつ。来賓を代表して、千葉光一(独)産業技術総合研究所計量標準管理センター長があいさつした。檜林功東京計量士会常任理事の発声で乾杯し、全国の計量士が交流を深めた。吉川勲日計振計量士部会運営委員が中締めのあいさつをして、午後6時半過ぎに閉会した。

日本計量新報 2012年3月4日 (2907号)

OIMLと英国計量制度講演会
講師は、CIML委員長と英NMO認証責任者

(社)日本計量機器工業連合会は「法定計量のグローバル化を推進するための国際法定計量機関(OIML)の活動および英国の法定計量制度に関する講演会」を、2月21日(火)、東京都港区のアジュール竹芝で開催した。
 講演内容は、「英国計量局(NMO)の役割とOIMLの将来戦略」(ピーター・エドワード・メイソン〔国際法定計量委員会[CIML]委員長、英国計量局[NMO]最高責任者〕)と「英国の法定計量制度」(ポール・リチヤード・ディクソン〔英国計量局認証サービス責任者〕)。
 本講演会は、同会が経済産業省の委託を受けて実施している国際法定計量調査研究事業の一環。今回は、英国計量局(NMO)から、OIMLの理事機関であり、OIMLが目的とする業務を企画・遂行する国際法定計量委員会(CIML)委員長と同国の法定計量の専門家を招いたもの。
 経済産業省河村延樹大臣官房審議官と国際法定計量調査研究委員会三木幸信委員長(産総研計測標準研究部門長)があいさつをした。
 河村氏は「この講演が両国の相互理解や切磋琢磨に貢献することを期待する」と述べた。三木氏は、メイソン、ディクソン両氏へ講演内容への期待を表明した。
 講演後、懇談会を開催し、星野雄一計量行政室長があいさつ、飯塚幸三(社)日本計量振興協会会長(CIPM名誉委員)が乾杯の発声をした。メイソン、ディクソン両氏が謝意を表明した。

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