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日本計量新報 2012年4月29日 (2915号)

大和製衡 ロータリーグレーダ
高速・高精度でランク分け

被災地からの要望に素早く対応
省スペースで高機能な選別機

 大和製衡(株)(兵庫県明石市茶園場町5−22、川西勝三社長)は、漁港などに水揚げされた水産物や水産加工品を、従来品に比べ約3倍の処理能力で高速・高精度重量ランク選別をする高速多段階選別機「ロータリーグレーダ」(複数特許出願中)を発売した。


 

ロータリーグレーダ高速多段階選別機「ロータリーグレーダ」は、大和製衡が豊富な経験と応用技術から開発した、独自の高速回転式マルチロードセル計量方式を採用し、水揚げされた魚を1分間あたりサンマなら350匹、サバなら250匹を、高速ランク選別(最大8ランク)することができる。従来のコンベヤ式選別機の処理速度と比較して約3倍と大幅な能力アップに成功した。
 東日本大震災で東北太平洋沿岸の多くの漁港が被災し、現在、多くの水産関係各社が復旧復興を目指すなか、多くのユーザーより省スペースで移動使用が可能、かつ高能力・高精度の鮮魚用選別機の開発要望があり、いち早く開発に着手し今年3月末に1号機を完成させていた。
 同機にはホッパ式円形選別方式を採用。計量ホッパ内に収まる全ての鮮魚、加工品の選別が可能となり、多様化する水産加工場の選別作業に対応する。また、移動設置が容易で、限られた工場・作業場スペースを有効活用できる。
 標準価格(税別)は、本体(供給コンベヤ含む)1350万円で、初年度20台の販売を計画している。
【特長】▽ロータリー方式により、1回転の間に自動供給・計量・選別を高速処理(サンマ毎分350匹)。円形に配置した高精度ロードセルとコンピュータ制御で高精度計量を実現し、高速選別で鮮度の低下を防ぐ。▽供給コンベヤは計量ホッパーの動作に合わせて自動で同期を行い、確実な供給・計量を実現する。▽ホッパー式の計量部により汎用性が高く、あらゆる水産物に兼用できる。▽本体はオールステンレス構造で、錆や汚れに強く、器物全体の丸洗いが可能。清掃性を高めた防水仕様で清掃時間を短縮し、衛生面にも優れている。(IP66準拠)▽傾斜型の安全カバーを装備し、作業時の安全性を確保するとともに、異物混入を防止する。また風防カバーとして風の影響を防ぎ、高精度計量を実現している。堅牢な本体および独自のロードセルストッパ機構(特許出願中)は水産現場の厳しい環境でも最大限の能力を発揮する。▽コンパクトな設計で省スペース化を実現▽フルカラータッチスクリーンの高性能指示計は、見やすさ、使いやすさを追求し、誰でも簡単に設定・調整が可能。トラブル発生時には自己診断を行い「エラー発生」と「発生箇所」をイラストで表示する。USBポートを標準装備し、パソコンでランク別の選別数(匹数、重量など)データ管理を行うこができる。
【仕様】▽ひょう量=1100g▽最小目盛=0・5g▽選別精度=サンマ±2g、サバ±4g▽選別ランク=最大8ランク▽最大選別能力=サンマ350匹、サバ250匹▽振分方式=ホッパー開閉式▽防塵防水等級=IP66準拠▽付属機能=自動零点方正、ワンタッチ零点補正、最大50品目メモリ登録、USBメモリ

日本計量新報 2012年4月29日 (2915号)

メートル原器が重要文化財に
近代度量衡の根本資料として歴史上、学術上の価値

メートル原器(独)産業技術総合研究所が所有するメートル原器と関係原器が国の重要文化財に指定される。
 4月20日に開いた文化審議会(宮田亮平会長)が、「メートル条約並度量衡法関係原器」を重要文化財に指定することを、文部科学大臣に答申したもの。
 指定されるのは、1885年(明治18年)の日本のメートル条約加盟により分配されたメートル原器(原器1本〔NO.22〕、副原器1本〔NO.20c〕)と、1891年(明治24年)に公布された度量衡法に基づき、尺貫法に対応するために国際度量衡委員会に製作依頼して受領した尺原器(2本)。
 日本のメートル原器と関係原器は、近代日本が欧米の学問や技術を導入していくにあたり、日本の従来からの複雑な度量衡制度を国際的なメートル法に準拠させるための重要な役割を果たし、日本の産業発展に貢献した。
 審議会答申は「我が国従来の複雑かつ多様な度量衡制度を国際的な基準に準拠する体系的なものとした原器であり、日本の近代における度量衡の原点に位置する根本資料として、歴史上及び学術上価値が高い」と評価した。
 指定されるメートル原器は、国際メートル原器(NO.6)と同時につくられた原器30本のうちの1本で白金イリジウム合金(白金90%、イリジウム10%)製。
 本原器は、1960年にメートルの定義が変わったため長さの標準としての役割を終えたが、関東大震災やアジア太平洋戦争の惨禍をまぬがれてきた貴重な歴史的、学術的遺産である。
 現在のメートルの定義は「1秒の299792 458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さ」。
(詳細次号以下)

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