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日本計量新報 2012年8月26日 (2930号)

   

NMIJ標準物質セミナー2012開催
JASIS2012(幕張メッセ)内で9月5日、6日

放射線・放射能計測とその信頼性確保のワークショップも

(独)産業技術総合研究所計量標準総合センター(NMIJ)は、9月5日(水)、幕張メッセ国際会議場301会議室で、「NMIJ標準物質セミナー2012〜確かな分析と標準物質〜」を開催する。JASIS2012(分析展2012/科学機器展2012)のJASISコンファレンスの一環(関連記事A面)。NMIJは、9月6日(木)には国際会議場201会議室で「放射線・放射能計測とその信頼性確保のための取り組み」ワークショップを開催する。ともに参加費は無料だが、事前登録(http://www.nmij.jp/public/event/2012/nmij-rmseminar/)が必要。


歴史資料としてのメートル原器の紹介
■NMIJ標準物質セミナー2012
【日時】9月5日(水)、13時10分〜16時45分
【場所】幕張メッセ国際会議場3階301会議室
【参加費】無料
【プログラム】▽司会者挨拶▽歴史資料としてのメートル原器No.22▽標準物質と検量線で不確かさを―あなたの解析結果もトレーサブルに▽動的光散乱法・流れ流動場分離法による粒径標準物質の開発▽イオン注入量測定用標準物質の開発▽鉛フリーはんだの分析に関するNMIJ技能試験の実施▽ゲノム科学、遺伝子関連検査における計測の信頼性確保と標準物質▽新たに供給が開始されたNMIJ標準物質および化学系依頼試験の紹介
■「放射線・放射能計測とその信頼性確保のための取り組み」ワークショップ
【日時】9月6日(木)、13時15分〜16時30分
【場所】幕張メッセ 国際会議場2階201会議室
【参加費】無料
【プログラム】▽司会者挨拶▽放射能測定における検出限界と不確かさ算定について▽γ線スペクトロメータとγ(X)線量当量率サーベイメータの校正・日常点検方法▽災害廃棄物の放射性物質調査(主にサンプリングについて)▽JABにおける放射能および放射線測定試験所の認定に関連する取り組み▽放射能および放射線測定におけるJCSS校正▽総合質疑

   

日本計量新報 2012年8月26日 (2930号)

   

国際度量衡委員に臼田孝氏

国際度量衡委員会はこのほど、日本の田中充博士((独)産業技術総合研究所〔産総研〕)を含む、退任した委員3名の補充選挙を実施し、バウシャー博士(英国)、クルティコフ博士(ロシア)とともに臼田孝博士(産総研)を新たに選出した、と発表した。
■総会ごとに半数改選
 国際度量衡委員会(Comite International des Poids et Mesures〔CIPM〕)は、計量単位の確立と国際的な普及を目的とするメートル条約における最高機関である国際度量衡総会(CGPM)の決定事項に関する執行機関で、事実上の理事機関でもある。18名の国籍を異にする委員で構成されており、委員の任期は特には定められていないが、総会が開催されるたびに必ず半数が改選されることになっており、再任を妨げない。日本は1907年以降、<RUBY CHAR="田中館愛橘","たなかだてあいきつ">東京帝国大学教授(在任期間1907年−31年)以来、第二次大戦後の数年間を除き継続的に委員会の一つの席を占めている。田中氏の前の日本人委員である飯塚幸三元工業技術院長(在任期間1986年−2001年)は現在、名誉委員である。
■歴代委員にはノーベル賞受賞者も
 国際度量衡委員会の歴代委員には、著名な科学者が多い。たとえば、干渉計と分光学およびメートル原器に関する研究に対するノーベル物理学賞を受賞(1907年)したMichelsonや、高分解能電子分光学への寄与での同賞受賞(1981年)のSiegbahnなど。また日本からは、土星型原子モデルの提唱などで知られる長岡半太郎博士(在任期間1931年−48年)らが歴任している。
田中氏は重責全う
 田中充博士は退任にあたり、重責を全うした感慨を次のように述べた。
 あの2001年9月11日夜の選挙投票結果の通知後のあわただしい就任から約11年、世界の計量標準活動をお手伝いしてまいりました。中でも質量関連の諮問委員会委員長として、国際相互承認体制を支える国際比較の実施とその活用を調整する一方、アボガドロ定数決定によるキログラムの再定義の国際プロジェクトのお世話などが重要な課題でした。その中、同諮問委員会の下にある10の作業部会の運営への指導では、部会内部の様々な摩擦を解消するために出かけて行ったりすることもあり、内心ひやひやの局面もありましたが、今となっては楽しい経験の一つになりつつあります。
 これらを振り返ってみれば、わが国の計量に係る高度な技術の知見を有する皆様からのご助言を、これらに反映させることができ、その国際的な地位を高めることができたことは私の誇りとするところです。これまでの皆様のご支援に心から感謝するとともに、わが国計量界事業の世界的な活動での発展をお祈り申し上げます。
調整能力が問われる
 また、新たに選出された臼田孝博士は、次のように抱負を述べた。
 伝統ある国際度量衡委員へ選出されたことを、大変名誉に、かつ重責に感じています。国際度量衡委員に求められる資質は時代と共に変化してきたと思います。今日では、国際相互承認やSI再定義に向けた各国機関との体制構築など、調整能力が問われているように感じます。
 このような時期に委員を拝命し、改めて身が引き締まる思いです。浅学非才ですが、全力で取り組む所存ですので、関係各位のお力添えを心よりお願い申し上げます。
臼田 孝
(うすだ・たかし)
臼田孝 ▽1962年長野県生、東京工業大学修士課程修了、90年工業技術院計量研究所入所、力学部力学標準研究室配属、2003年産業技術総合研究所計測標準研究部門強度振動標準研究室長、08年計測標準研究部門主幹研究員、同年企画本部総括企画主幹、10年計測標準研究部門主幹研究員、12年計量標準管理センター長(現職)▽ドイツ物理工学研究所(PTB)招聘研究員(1998年〜99年)、フランス国立科学研究センター(CNRS)招聘研究員(2000年〜01年)、国際度量衡局(BIPM)招聘研究員(2010年〜11年)、2000年東京工業大学より博士号授与(工学)、11年市村学術貢献賞受賞

   

日本計量新報 2012年8月26日 (2930号)

   

知的基盤整備の中間報告

知的基盤の新たな整備・利用促進の方針・方策を検討している経済産業省の知的基盤整備特別委員会(北澤宏一委員長)は、8月15日、「中間報告書」を公表した。同委員会は、産業構造審議会と日本工業標準調査会の合同会議。中間報告は、選択と集中による整備促進とともに、ユーザーの利便性をはかる利用促進方策を充実・強化しようとするもの。
 「知的基盤の活用事例集」を集中的にPRするとともに、「METI知的基盤ポータルサイト」(2012年度)、「ものづくり基盤プラットフォーム」(13年度以降)を構築・提供することにしている。(詳細次号以下)

   

日本計量新報 2012年8月26日 (2930号)

   

訃報

藤原菊男氏
 元日本計量機器工業連合会会長で、島津製作所相談役の藤原菊男氏が、8月13日、急性心筋梗塞のために死去した。86歳。
 通夜、葬儀は近親者のみで執り行われた。後日、「お別れの会」を執り行う予定。
 藤原氏は1926(大正15)年8月13日生、京都府出身。京都大学卒。52(昭和27)年4月島津製作所入社、92(平成4)年6月同社代表取締役社長、98(平成10)年6月同社代表取締役会長、2002(平成14)年6月から同社相談役。
 日本計量機器工業連合会会長、計量管理協会会長として、計量業界の発展に尽くした。京都工業会会長、日本機械工業連合会副会長など産業界の要職を歴任した。「日本計量機器工業連合会創立60周年式典」で創立60周年感謝状、「計量協会100年記念式典」で感謝状を贈られた。1998年、勲二等瑞宝章を受章。

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